日々のメモ帳

日常生活での、ちょっと気になった事や、面白かった事などメモしていきます。

日本の農業/細菌汚染メロン輸入記事から

2018-04-11 14:15:32 | 身の回り
昨夜のNHKのニュースやYahoo検索でも出てきているが、『細菌汚染のメロンが豪から輸入 厚労省が注意呼びかけ』との報道がなされている。
オーストラリアから輸入されたメロンに『リステリア』と言う細菌が付着しており、妊婦や子ども、免疫力が低下している人や高齢者は、発熱や頭痛、おう吐などの症状を起こし、重症化して死亡するケースもあるとの事。

この記事を見て、『メロンがオーストラリアから輸入・・』と言う疑問が出て来たので、昨日のYahoo記事を見た後に、果物の輸出入や生産状況についてネット記事を見てみたが、驚きの数字が表れて来た。

この数字とは別に、今朝のNHK朝クロで、20代労働者の外国人比率が増加しており、茨木県では20%に達し、この労働力が過去メロン農家だった所がホウレンソウ栽培へ転作し、活躍してもらっているとの事で、メロンやみかん農家の労働力不足が出荷量減の要因との事も報道されていた。

もう一つ、これも平昌での冬季オリンピックで、カー娘たちがもぐもぐタイムで大きなイチゴを食べていたが、どこで採れたものだったのだろうか。
このしばらく後のどこかのTV番組で農業製品の知的保護の報道がなされていたが、イチゴは、日本の栽培農家での食べ放題で新品種を一つポケットに忍ばせて持ち帰れば、すぐにコピー品が出来るようで、日本も逆輸入国となりつつあるとの事であった。

確かに、スーパーでは、メロンは見なくなり、イチゴが氾濫しており、町の果物屋さんも無くなってきている。
これらを受けて、果物の統計をチョット眺めてみた。
統計データーとして下記の面白いサイトが見つかった。個人でまとめられているらしいが、農作物、果物の統計がそろっている。参考にさせて頂いた。
<参考情報> 果物情報サイト 果物ナビ
(この他独立行政法人農畜産業振興機構の『べジ探』やグローバルデーターは『FAOSTAT』などから統計資料は得られる。)

まず最初にメロンの輸入量は
・・これに日本の生産量(出荷量)もあわせて記載してみた。


主産地は下記の通りであり、NHKの報道の通り茨城県がトップであった。(鉾田市らしい)
(生産量;茨城県 37,400T、北海道 25,800T 熊本県 23,000T 山形県 11,000T 青森県 8,690T)
静岡や滋賀県なども有名そうであるが、生産量的には少ないようである。

この数字だけ見ると生産面積が減少し、出荷も大きく減少している事が確認できた。
一方この分輸入量が増加しているかと言えば、これも減少をしている。ただ輸出が増加してきており、香港などへの出荷が増加している事は好ましいが、耕地面積減少を補えるだけの数量にはほど遠い数量であり、国内販売量の回復が望まれる所である。

なぜメロンの出荷量が落ちたかという事が色々な所で書かれているが
★イチゴなどと比べて
 ・簡単に食べれない
 ・チョット食べるには高い
 ・年中食べれない
★核家族化、単身所帯増加
 ・1個丸々は買えない
 ・カットものは高い、傷みやすい
さらには『ゴミ出しが大変』なんていう意見もある。
そういえば最近ショートケーキの上にメロンが乗った物を見た事がない。
これも原因らしい。

さらに突き詰めてみると、どうも一つの要因は、赤肉系のメロンが主流となり、少し高価なため家庭で食べれなくなった事も原因と極論が書かれている記事もあった。
メロンはもともと東洋系のマクワウリと西洋系の温室メロンなどで入り込んだマスクメロンがあり、大正14年にはイギリスから入ったアル―スメロンと言う品種が最初の様である。
このあと、昭和30年頃から、日本独自で東洋系と西洋系を交配させたプリンスメロンが生産され始め、比較的安価で香りがあるものが出回ってきているが、やはり進物用に代表された通り、庶民には高価な食べ物であった。さらに最近では北海道の夕張メロンなどで赤肉系が増えて来たので、昔からの緑肉系で、酸味があるのもが減少し、ケーキにも使用されなくなったとの事。
この中で輸入物は、メキシコあたりからの輸入が多く、中食、外食用でカットフルーツ用途が多いとの事であるが、なぜ食べなくなったかは不思議な所である。

このあたりの問題が解決できれば、販売数量も伸びるのかもしれないが、朝クロでの取材の通り、メロンは期間が限られた生産であり、『年間を通じてお金を稼げないので栽培をやめた』のも大きな理由なのかもしれない。
メロンが安く食べれられれば、ペクチンが含まれるためかコレステロール低下に有用との事。昔からお金持ちの方が食べていたのがこの為かとも勝手に邪推してしまった。

さらに気になったのでイチゴの生産量推移も見てみた。



因みに主産地は下記の通りであり、とちおとめの栃木県がトップであった。
(生産量;栃木県 24,800T(18%)、福岡県 16,000T(11%) 熊本県 10,900T 静岡県 10,400T 長崎県 10,200T、震災で被害を受けた宮城県は4,090Tとなっている。)

この数値だけ見ると、イチゴも出荷量は減少しており、輸入量もアメリカがトップであるが、減少傾向にある。
輸出についてはここ数年伸びているが、農製品の輸出に規制があるかどうかわからないが大きな伸びとなっていない。

この見せて頂いたサイトには果物の輸出入のランキングも出ていたが、2016年の統計数量は以下となっており、出荷数量と出荷金額とは一致しておらず、今後外貨を稼ぐためには、数量を求めるか、高付加価値商品を高く売るかが課題となる事も見えて来た。
一方で、輸入する果物もたくさんあり、熱帯でしか作れないバナナやパイナップルの国産化、さらにはオレンジなども国内品で代替するなど、日本の農政策の取り組みもあるのではと感じている。

<果物輸入>
 

<果物輸出>
 

日本の農業が工業製品のように簡単に海外へ鮮度維持や農製品の病原対応の規制で簡単には販売できない事は理解しているが、もう少し販路を増やす必要があるのではなかろうか。
このためには今以上に労働力の確保が必要になるかもしれないが、生産性向上や高齢労働者の日中だけのパート採用強化などで対応を行い、品質の高いものとして外貨が稼げる製品となればいいのであるが。

これにあわせて、最初のカー娘ではないが、果物を消費する国になる事も必要かと思われる。
今回この記事を書いていて、これも驚きの一つであるが、日本の果物消費量が国際社会の中で異常に低い事である。

日本民族は米を食べる文化があり、肉食系ではないので、あえて果実やこれから作られたワインなどを飲む文化でなく、コレステロールの消化を気にする事もないのかもしれないが、昨今、食事系が肉食へ大きくシフトする中で果物は必要になるのではとも感じている。

この中で安心安全で、生で食べれる果実を国内で確保できることは、最高の喜びと思われる。
このためにも、みかんやりんご、もも、ブドウを生産する農家は何とか生き延びてほしい。

魚離れする事も含め、国民として農水産業をささえるサポーターとなる事の必要もあるかと思えて来た。

<果物消費量(g/日・2011年)>・・消費対象の果実名は不明(『FAOSTT』等より抜粋)


今日の調査はこれまでとしたい。

<あとがき>
統計を見ていると面白いものが出てくる。
例えば、メロンを見ていた時、
 『メロンの種』の輸入量の数値があった。
どうも直接の食用ではなく、油を搾るための原料らしいが・・


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