小関順二公式ブログ

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DeNAの低迷を象徴する中村紀洋のバッティング

2012-08-02 13:01:29 | 2012年プロ野球観戦

◇8月1日(水曜日)/横浜スタジアム晴れ
広島12-0DeNA

 試合後、中畑清監督が「夏休みで子どもたちもいる。こういう試合は見せてはいけない。後味の悪い試合で反省しかありません。本当にファンに申し訳ない。すいません。心からおわびします」と謝罪した試合である。
 試合中からバックネット裏の観客が罵声を飛ばし、応援団が大挙して集まっているはずのライトスタンドを見ると……人がいない。レフトスタンドはいっぱいいるのにライトスタンドはがらがらである。阪神がひどいことになっているので目立たないが、DeNAファンも堪忍袋の緒が半分ほど千切れかけている。
 私が目を疑ったのは3番中村紀洋のバッティングだ。第1打席こそ前田健太が投じた外角低めの148キロストレートを右中間安打し、さすがだと思ったが、ひどかったのは第2打席以降。
 第2打席は136キロのカットボールを投手ゴロ、第3打席は同じく前田の外角スライダーを引っかけて三塁ゴロ、第4打席は左腕河内貴哉のスライダーを引っかけて三塁ゴロと、同じ攻め方をされて同じような結果して残せていない。
 変化球は十分に呼び込んで逆方向へ打つ、が鉄則のはず。ところが中村は「前さばきでホームラン」がチーム内での役割だと思っているので、変化球に対してストレートのタイミングで手を出し、三塁方向への凡ゴロを量産する。
 すべての打席が走者なしの場面、さらに1回から大量4点を取られていたのでチームバッティングをする必要がなかったのかもしれない。それでも淡泊なバッティングは相手に与し易しの印象を与える。これで広島との対戦成績は1勝12敗1分け。わずかに見えていた虎の尻尾がまた見えなくなった。

※広島打線で注目したのは1~3番の脚力。打者走者の「一塁到達4.3秒未満、二塁到達8.3秒未満、三塁到達12.3秒未満」をクリアしたのは、1番赤松真人が4回、2番菊池涼介が2回、3番梵英心が2回、途中出場の木村昇吾が1回と、計9回を数えた(DeNAは2人4回)。巨人の監督に就任したばかりだった75(昭和50)年の長嶋茂雄氏が「やりたかったのはああいう野球」と名指しした赤ヘル野球が、まさに機動力を駆使した野球だった。赤ヘル野球が完全復活すれば97年以来のAクラスも夢ではない。


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