◇7月30日(月曜日)/西武ドーム
西武6-2オリックス
1回裏、中島裕之が初球スライダーをライトポール際の最前列に放り込んだ。飛ぶボールを使っているんじゃないかと疑いたくなるような打球の伸びで、これは中島だけでなく、後藤光尊が放った第2打席の右飛(4回表)、伊藤光が放った第3打席のライトへの二塁打(7回表)もそういう打球だった。
3人に共通するのは前さばき。最近、ソフトバンクの松田宣浩が「前手ギュン打法」と言っている打ち方だ。今春の選抜大会であまりにも窮屈な打ち方をする選手が多く、「これから先の木製バット使用を考えれば、極端な捕手寄りのミートポイントは改めたほうがいい。プロ野球選手の肉体作り、スイングスピードをものにして初めてチャレンジできる領域、それが“極端な捕手寄りのミートポイント”だと思っている」と、観戦記に書いた。
http://www.hb-nippon.com/report/788hb-nippon-game2012/8763-20120322001
ヘタな選手に「捕手寄りのミートポイント」は荷が重いと書いたわけだが、まさかプロの選手が前さばきに取り組み始めるとは思わなかった。レベルの高い選手はやはりボールをぎりぎりまで見極めて、捕手寄りで捉えるバッティングを追求するべきだろう。
走塁に注目すると、打者走者の「一塁到達4.3秒未満、二塁到達8.3秒未満、三塁到達12.3秒未満」をクリアしたのが西武5人5回、オリックス2人2回と上々だった。西武は12球団見回しても打者走者が走らないチームだが、7/8の楽天戦でも4人(4回)がタイムクリアしているように、成績の上昇とともに走る意欲が出始めたようだ。
オリックスは、打者走者の「一塁到達5秒以上、二塁到達9秒以上、三塁到達13秒以上」のアンチ全力疾走が0人だった。走るイメージのないT-岡田でさえ第1打席の一塁ゴロのとき4.25秒で一塁に到達している。借金11の最下位に沈んでいるが、まだまだシーズンを捨てていないと思った。