小関順二公式ブログ

プロ野球、アマチュア野球、野球史

ヤクルト上田剛史の華麗なランニング

2012-04-26 10:10:21 | 2012年プロ野球観戦

◇4月25日(水曜日)小雨
ヤクルト1-1中日

 手に汗握る好ゲームだった。この熱戦で観客数は1万3057人とは寂しい限り。雨に祟られはしたが首位攻防戦である。ちなみに、各地の観客動員数は次の通りだ。
 阪神5―0広島(甲子園球場3万7471万)
 日本ハム5―1ロッテ(東京ドーム2万803人)
 楽天7―4オリックス(Kスタ宮城1万2653人)
 西武3―1ソフトバンク(福岡ヤフードーム2万9882人)
 ヤクルト―中日戦が上記4ゲームに劣るものは何もない。◇首位攻防戦、◇前日の試合内容、◇1人1人の知名度と実力、◇神宮球場へのアクセス……等々。それでも観客が来ない。いろいろなことを考える時期にきていることは間違いないだろう。
 さて、この試合を見て思ったのがヤクルトと中日の若手抜擢(あるいは発掘)のすごさである。とくにヤクルトは見事だ。青木宣親(ブルワーズ)のメジャー移籍にともなってレギュラーに定着した上田剛史(中堅手・24歳)の打率は.238でセ・リーグ21位。
 とりたててどうこういう成績ではないが、脚力と守備力は天下一品で、「青木以上」という声をよく聞く。それをまざまざと見せつけたのが第2打席。中田賢一が投じた初球の低めストレートを振り抜いた打球は右中間を深々と破り、上田は猛然と二塁ベースを蹴って三塁へ向かう。このとき少しつんのめるような格好を見せても三塁到達タイムは今季、プロ・アマ通じて断然1位の11.09秒。
 昨年、これ以上のタイムを計測したのは日本ハム・杉谷拳士の10.90秒(10/18)、糸井嘉男の11.06秒(8/26)だけなので、年間通じて1、2回しか見られない走塁である。第3打席では走者なしの状況でセーフティバントを敢行、惜しくもアウトになったものの一塁到達タイムは3.87秒。青木も速かったが、タイム的には上田のほうが上。バッティングに安定感が出てくれば、青木喪失の痛手はかなり薄まるだろう。
 投手では1対1の9回表、1死二、三塁のピンチでリリーフして、代打の堂上剛裕をセカンドライナー、1番の大島洋平を投手ゴロに打ち取った左腕、日高亮(22歳)、さらに延長11回に登板して、ブランコ、井端弘和、谷繁元信を三者凡退に打ち取った平井諒(21歳)が素晴らしかった。とくに平井は近い将来のエース候補と言ってもいい投球を見せた。
 中日では新人の田島慎二(東海学園大⇒ドラフト3位)が150キロに迫る快速球と130キロ台後半のカットボールを武器に7、8回を1安打に抑えた。昨年MVPの浅尾拓也が本調子にない今、中日の終盤を締める重要なパーツになりつつあることは確かである。彼らをいっぺんに見られたのは本当にラッキー。このカードはまた足を運びたいと思った。

[註]昨日4/24のヤクルト4―1中日の観戦記は<公式ホームページ>に掲載。

http://kosekijunjihomepage.com/


最新の画像もっと見る