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未来のミライ

2018-08-21 02:59:54 | 映画2018
 子育て“あるある”映画。

 独身子供ナシの身にとっては「あるある感」は感じられないほどの内容でありましたが、それでも兄妹という同じ境遇のため、遥か昔の少年時代を思い起こすエピソードもあり、なんとなくくんちゃん(上白石萌歌:上白石萌音の妹)の気持ちが伝わってきました。子育て中の親、子育て経験のある人は共感を得ること間違いなしでしょう。

 『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち』(五百田達成)という本を読んだことがあれば、この兄妹の関係は切実なまでによく理解でき、両親の愛情をたっぷり独占できていた長男がある日突然妹によって奪われてしまう立場に納得なのです。鉄道が大好きでプラレールを部屋いっぱいにして楽しんでいた長男くんちゃん。部屋を散らかしても「片付けなさい」と両親やばぁばからかまってもらっていた。最初は妹ミライちゃんができて喜んでいたのに、自分に愛情が注がれないと感じてしまうようになっていくのです。

 物語はSFファンタジーで、未来から来たミライちゃんに色々教えてもらうという展開。両親や曾祖父のわかい頃にも遭遇し、男の子としての成長物語を描いています。しかし、大きな展開もなく、せっかくのタイムトラベルという設定も十分には活かされず、ストーリーの醍醐味は感じられずに尻切れトンボのまま。くんちゃんとミライちゃんが大冒険を繰り広げるとばかり想像していたので残念な内容でありました。また、ひい爺ちゃんの戦争体験というエピソードもありましたが、生き残ったおかげで今の家族があるという、戦争描写がそれだけでは物足りなさすぎです。母親が猫嫌いになったエピソードも要りません。

 今の政治家の中には「子供が産めないのは非国民」と訴える人もいるようだし、「産めよ増やせよ」とスローガンにした戦前の日本に戻そうとする今の風潮に迎合する作品なんじゃないかという危惧さえ覚えますが、まぁ頭を空っぽにして鑑賞すれば問題のないレベルでしょう。山下達郎のテーマ曲も良かったし・・・


★★★・・

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