団塊のしっぽが綴る ありのままの田舎暮らし

躊躇いながら近づいてくる未来と、静かに佇む過去のはざまで。

西加奈子「くもをさがす」を読みました。

2023-06-26 | 日々のこと。



西加奈子さんの新刊、「くもをさがす」を読みました。

西加奈子さんの小説は数年前に数冊まとめて読んでとても好きになりましたが、
このところ遠ざかっていました。
先日、図書館のお薦めコーナーに飾ってあったので、「あ、久しぶりに読んでみよう」
と、借りてきたのです。
読み始めるまで、それが彼女自身の癌闘病記であることは気が付きませんでした。
あんなに元気そうな人が・・・と、驚きました。

西さんが乳癌の宣告を受けたのは、2021年の8月。
語学留学先のカナダでのこと。そう、世界中がコロナパンデミックに翻弄されて
いたとき。
現地で治療を受けることを決心した西さんが、たくさんの友人や医療関係者の
助けを借りながら、無事に手術を乗り越えるまでの日々が、書かれています。
さすが、作家! 実に丹念に記録を取っていることに驚かされました。そして、
ご自身の心の動きもとても率直に綴られています。
暗く深刻になってもおかしくない内容なのに、それを救っているのが、医療現場
のタフで愛すべき看護師さんたちの会話が、すべて大阪弁で翻訳されていること。
読んでいて、楽しかった(?)。

ずっと以前、2017年6月25日のこのブログにちょっと書きましたが、私も
癌を経験しました。
私は西さんとは真逆の闘病を選択しました。
自分が癌になったことを知らせたのはごく少数の人だけ。肉親は弟だけでした。
私の場合はそれでよかったと思っています。
おかれた環境によって癌との闘い方は違ってきます。
大切なのは、最善を尽くすことだと思います。

この本を読んで、改めて自分のことを振り返ることができました。
未だにトラウマに苦しめられることも、自分がただ弱いだけでなく、当たり前の
ことなのだと救われもしました。




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不倫てそんなに悪いことかな?

2023-06-13 | 日々のこと。




ネットニュースを見ていたら、広末涼子さんがどうやら不倫をしたらしい・・
というトピックがあちこちに書かれていました。
そして、そのことによって、CMが打ち切られたとか、予定していた映画を
降板することになった等の情報も。
まさに非難の嵐が吹きまくっている。

芸能人や有名人の不倫騒動は定期的にメディアに供給される。
世間の人々は、本当にこの話題が好きだ。
かくいう私も、結構好き。目にする記事は一通り読んでみます。
でも、それだけ。

私は思う。不倫て社会的な制裁を受けなければならないほど
悪いことなのかな?と。

私の夫もかつて不倫(浮気)をしたことがある。
それは私をひどく傷つけ、怒らせ、悲しませた。
私はその傷から立ち直るのに随分と時間がかかりました。
三十年を過ぎた今でも思い出すと胸に痛みが走る。
でもだからと言って、私以外の誰かが夫に制裁を加えていいとは思わない。
だって、これってあくまでも当事者(お互いの家族も含めて)の問題でしょ。
第三者には何も言う権利も義理もないと思うのです。
ましてや、社会がよってたかってそれを糾弾するなんてとんでもないこと。

メディアはゴシップを売り物する商売だから仕方がないと思う。
でも、広末さんをCMに使っているスポンサーや映画会社は、こんなことに
右往左往しないで、無視すればいいのに。
世間の大半の人は、芸能人のゴシップなんて三日もすれば忘れてしまうでしょ。

断わっておきたいのですが、私は不倫を擁護するつもりはまったくありません。
自分が当事者だった時には、夫も相手の女も地獄に落ちろ!と、心底思ってい
ました。

だけど、不倫て、つくづくハイリスク、ノーリターンだと思いますね。










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楽隠居さまは何処に?

2023-06-02 | 日々のこと。



私が子供のころは、近所に「ご隠居」と呼ばれる老人が一人や二人はいました。
中でも、大勢の家族に囲まれて、精神的にも経済的にも豊かで悠々自適に暮らしている
人たちは「楽隠居」などと呼ばれて、羨ましがられていたものです。

私の楽隠居のイメージは、日当たりのいい縁側に座って、猫の頭をなでながら
こくりこくりと、居眠り・・・
なんとも平和な光景です。
そこで、私の知人たちで「楽隠居」は誰だろう?と考えてみたところ、
残念ながら一人も思い当たりませんでした。

子供や孫と同居していても、息子の妻とは犬猿の仲の義姉。
やっと夫婦二人の穏やかな生活を手にしたと思ったら、娘が離婚して、子供を連れて
戻ってきてしまったという友人が3名。彼女たちは今、仕事を持つ娘に代わって、孫の
幼稚園や学校の送り迎えなどの世話に忙殺されている。
お金には不自由のない友人は子供がおらず、伴侶にもすでに先立たれてしまって、孤独。
そして私はといえば、子供もお金もなく、夫とは心がすれ違ってばかり・・・

お~い! ご隠居さまはどこにいるの?




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