手話通訳者のブログ

田舎の登録手話通訳者のブログです。

聞き取り通訳/官僚言葉

2015-12-19 02:38:24 | 手話
ろう者が役所に陳情に行く。
手話通訳者のみなさん、こういう場面で通訳した経験はおありだろうか。
地元ろう協会長のTさんに同行して通訳した時のこと。
Tさんは、
「手話通訳者研修の内容について決める際、当事者である私たちろう者の意見も取り入れてください」
と要望した。
いつも、手話通訳者派遣制度運用上の様々なことを派遣者サイドだけで決めており、地元のろう者はそのことが不満なのだ。
役所の担当者は言った。

「手話通訳者の数が少ない現状をなんとかしなければならない、と考えています。また、数だけでなく、技術の向上も目指していく必要があります。みなさんのご意見を伺いながら、手話通訳者派遣制度をよりよいものにしていくよう、努力していきます」

役所の人間とか、政治家とろう者が話す場合、彼らはろう者からの要望や質問に対してストレートに答えず、意図的に論点をずらして逃げようとするケースが少なくない。
上記もそうである。
議論がちっとも進まない。なにしろ、相手は最初から逃げる気であり、話し合う気などないからだ。

こういう通訳も、非常にしんどい。