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保育園の入所希望ゼロ 放射能とどう向き合うか

ふるさと再生 大きな盲点

 桜井市長は、9月10日付け民報新聞の特集記事で、「古里再生 着実な歩み実感」として、小高区の学校再生などの状況や、「セデッテ鹿島」に30万人来場した事などを上げています。
 しかし、今日の議会質問でも取り上げられていましたが、来年3月の指定解除に合わせて開設を予定した小高区の保育園の入所希望はゼロという結果になっています。
 いま南相馬に住んでいる小高区の子どもを対象にした調査なので、まして避難している人の希望はほとんどあり得ません。
 小高区内に小中学校の準備をしても、いま住んでいる近くの学校への入学、転校希望が相次ぐようにならないか、懸念がないのだろうか。
 準備宿泊に1198人が申しこんだというが、年齢構成をどう見ているのか調べているのか、心配である。
 「若者がいないと、県、町はいずれ滅びるので、第一に未来の若者に対しての環境づくりが最も大切」、これは、「完全賠償をさせる会」アンケートへの回答のひとつだが、非常に大事な問題を示唆していると思う。
 放射能の不安にどう立ち向かうか、この問題への取り組みなしに若者は戻らないのではないか。
 「着実な歩み実感」どころでない現実を直視すべきでないか。

 放射能の正しい理解に近づくために

 桜井市長は、完全賠償の会の申し入れの際に、「ここは人が住むべきところではない汚染状況だ」と講演して帰った学者が居たが、そういう学者には2度と来てもらいたくないとおこ(怒)っていました。
 心配だという学者と心配ないという学者をよんで、同じところで話してもらって、市民が質問し、意見交換などして放射能とどう向き合うべきか、みんなで考えていく為のシンポジウム開催を求めたときのことでした。
 2度と来てもらわなくても、若者のネット社会では、様々な情報が氾濫しています。
 情報と云えば、一時は神様的存在だった東大の児玉教授、彼も怖さをあおったのではないかと思っています。セシウムの半減期は30年と講演していました。現実には4年たって空中線量はほぼ半分になっています。30年後には4分の1になると今日の新聞には出ていました。
 どちらが正しいのか、なかなか分からない、これが市民の現実ではないでしょうか。
 両方の人、中間の人の考え方を同じところで話してもらって、いろいろ聞いてみる。そしてこそ、みんなで正しい理解に近づいていけるのではないでしょうか。
 これからどうするかの参考になるのではないでしょうか。
 上から目線で、「大丈夫だ帰ってこい」と云っても市民、特に若者の不安はなくなりません。

 風評被害の払拭のために

 若者の必要以上の不安解消と共に、風評被害の克服が南相馬の復興には欠かせない課題と思います。
 国や県の云うことへの不信感、これが決定的と思います。
 汚染米問題に見られる、原子力規制委員会の研究・調査の成果隠蔽とみられるあり方、これらが、若者の帰還への不安、風評被害の要因になっているのではないでしょうか。
 現実には、事故後4年経過し、セシウムなどがどうなっているか、農作物は魚などにどう影響しているのか、メカニズム(仕組み)が、農水省や、大学、民間の研究が進んで分かっていることが多くなっていると思います。
 分かっていることを公表し、内外の学者・研究者の英知を結集して対策を考えるように、金に糸目をつけないでやるべきです。命の根源、大地を汚してしまった罪の意識を自覚して。
 行政への信頼回復が大切です。南相馬市は規制委員会のいいぶんを再確認するなど、何が正しいのか明らかにし、抗議しなければならない点があれば堂々と抗議の意志を市長・市議会として明確にすべきです。
 市長は汚染米の原因について、「解明を引き続き求めていく」と答弁していましたが、国と東電は、「どうぞ求め続けて下さい」で終わりのような気がします。
 あいまいにしたままでは廃炉作業への不安はなくならず、行政の信頼は得られません。風評被害もなくならず若者も戻るようにはなりません。
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