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「中長期」財政計画 検討しないの?

素案から削除された「中長期」
 南相馬市合併以来、総合計画が見直される度に「計画的な財政運営」と云う項目があり、「中長期財政計画の策定と進行管理」という表現がありました。ムダをなくす為です。
 ところが、新市長が見直した「後期基本計画」では「中長期」の表現がなくなり、「財政計画の策定と進行管理」となっています。
 おかしいと思って念のために見たら、2018年12月に配布された素案にはありました。
 中長期計画の見直しをやらない考えでの素案からの削除なのでしょうか。
2度あった見なおすべき時期 
 1度目は、市長就任直後に進めた総合計画・後期計画策定時。災害対策の行方が見えた時期でもあり財政計画見直しやるべきでした。
 2度目は、庁舎建設費追加に全額合併特例債を入れた、事実上の財政計画変更の時です。
 年度末と云っている「自治区枠」の整理も見直しに合わせ行うべきでした。市長の発表が待たれますが、遅きに失しています。
え!!全国の決算見て推計?
 現在のネットで示されてる「中長期財政計画」は2015年度に策定されたもので2016年から2025年までの計画です。
 南相馬市としての独自の分析がありません。
①  市債(借金)の欄には「建設債と臨時財政対策債に区分して」「平成29年度以降も現行制度が続くものと想定し推計」 と記載され、有効に使うべき「合併特例債」が見えません。
②  歳出の中では、公債(借入金)の返済方法は「公的資金は元利均等、銀行資金は元金均等で推計」 と「特例債」見当たらず。
③  「普通建設事業」については「平成33年度以降は… 全国類似団体の平成25年度普通建設事業費決算額で推計」となっております。
④  復興事業の影響で繰り延べられた有利につかえる財源「合併特例債」がないだけでなく、震災の影響が続く中で独自の分析・予測が見られません。
 南相馬市は「合併特例債」、合併協定による「地域枠」がある上に、震災や原発事故の影響ありです。市の特殊な事情を見ないで全国平均でくくるなど考えられません。
 同じ時期に合併した。酒田市や上越市の計画には「合併特例債」の記載があります。
庁舎建設の為の見直し?
 2015年見直した「新市建設計画」の中の「財政計画」の普通建設事業に、復興関連の影響のなくなる2021年度から同じ数字が並んでいたのは全国類似団体の数字だったことが分かりました。
 同じ数字の最後の2年間だけ、庁舎建設の計60億円が上積みされています。
60億円の内の40億円は合併特例債、20億円は一般財源からと思われる積み立て金です。
 このときの「新市建設計画」見直しは、議会や地域協議会に中味の資料を示さず「文言の整理」と説明しただけ、自治法違反でした。
 庁舎建設費など新規事業を「財政計画」に入れるための見直しとしか見えません。
 その後、庁舎建設費には、特例債16億円追加され、56億円になっています。
 市長はこの時点でも、他を圧迫しないか等々、「財政計画の見直し」は行うべきでした。
 今現在も南相馬市の喫緊の課題と思います。
本来の「財政計画」のあり方は
 旧鹿島町では「10年計画」を持ち、毎年の予算編成時に、10年先までの「財政計画」を議会に説明していた時代がありました。
 様々な角度から年度毎の収入額を予想し、経常経費(人件費や維持費・扶助費等どうしても必要なお金)を引いて、「普通建設事業」などにつかえるお金を予測し、道路や橋、学校や福祉施設建設などを計画的にムダ無く進める為でした。
 今も多くの市町村の「財政計画見直し」のあり方だと思います。
災害仮設用地の速やかな確保は
 鹿島区には震災後いち早くまとまった仮設住宅や個人の用地が確保され、南相馬市の被災者の多くは、遠く行かずまとまって区内に住むことが出来ました。
 区内の被災者も含め、個人で土地を求め住まれた方も少なくありません。
 区画整理された西町もありましたが、寺内・小池地区の住環境整備が完了していたからです。
 かって、旧鹿島町の「10年計画」策定時に、まず10後まで必要と考えられる計画を、各課から全部出すことにしました。
 その中に、小池・寺内地区のバラバラ宅造による環境の悪化対策があり、対策の為の事業費は年間総予算に匹敵する50億円以上と試算されました。
 しかし、10年スパンで考えることによって、補助事業活用で住環境整備を進め区画が整理されていから、用地確保がスムースに進んだと思います。

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市長答弁に新たな疑問

「わだい」567号の記事
 550億円は当初計画の額
 3月9日、市議会の一般質問を傍聴しました。
 鈴木貞正議員の質問に答えて市長は、「これまで1300億円の事業実績?があり、震災関係が800億円、残る550億円について集計作業中で年度末まで明らかにしたい(要旨)」と答えました。
 詳細は年度末を待つしかありませんが、合併時「新市建設計画」は550億円(内特例債220億、40%)。合併時から10年間の計画ですので、2015(h27)年度に見直しで追加された10年分の事業費はいくらでどうなっているのだろうという疑問が残ります。
 各区比で「小高が若干少ない」とも述べましたが、震災後、小高の事業の多くは復興事業の800億円の中に入っていて、単純な比較はおかしくはないでしょうか?
タラソに代わる事業について
 タラソに代わる事業については、区民の声や地元行政区からの要望に基づき、温泉を生かした施設を2013(h25)年度建設で合意されていました。
 牛島が津波被害で危険区域となり温浴施設は不可能になり、地元要望で牛島は温泉抜きの公園が検討された経過はあるようです。
 市長はこのことを理由に「鹿島区に温浴施設の計画は無い」と改めて強調しましたが、タラソのお金での代わる施設は鹿島区として検討すべき課題であり、話は別です。
 鹿島区では、特養ホーム建設でこわされた「老人憩いの家」に代わる独立した施設の要望が強く、タラソの財源を念頭に第一期「鹿島区ビジョン」には「世代間交流の場を設け、交流事業を展開」と重点・短期事業のトップに掲げられていました。
 「鹿島区ビジョン」が計画に反映された事例として、消防鹿島分署の建設と答弁がありましたが、消防分署は中長期事業に分類されていました。
 津波で牛島には不可能になったことで「計画は無い」「民間と協議」と市長はいいますが、建設計画見直しや毎年の予算編成で合併協定どおりに鹿島区枠が示されているか、平成27年見直しの際、自治法や市条例を守って「あらかじめ」鹿島区地域協議会の意見を聞いて居れば、「鹿島区ビジョン」の「温浴施設付き交流施設」は実現し、避難者も含め多くの市民に利用され、街の活性化に利していたと思われます。
 こうした経過に加え、鹿島区民の強い願いがあることを市長は考えるべきと思います。
 何よりも、「鹿島区枠」がどうなっているのか一日も早く示し、鹿島区が区民の意見を反映した計画を検討出来るようにするのが、市長の最優先課題ではありませんか。
合併理念と自治区の「予算枠」
 「合併の理念」を守ることについては、明快に前向きとする答弁がありました。
 「地域のことは地域で検討して決定する権限や予算枠を各地域で持つ」と書かれていることや6:2:2のバランスについても、守るとの答弁だったと思います。
 しかし、鹿島区で地域協議会が中心になって検討すべき事に、計画があるとか無いとか断定したり、「民間に」などとの答弁は、「理念」と矛盾していませんか
「合併の理念」は自治法の地域自治区に関する規定や地域協議会に関する市条例の規定に関わりがあることを考えるべきです。
議長は干渉しすぎでは
 議長の一問一答に対しての干渉が気になりました。質問者には強いプレッシャーになっていたように見えました。
 通告無き関連質問は国会でも時にあり、答弁もありで柔軟に対応しているようです。
 「「議会の自律権は法令の規定する範囲内のものでなければならない」 と捉えるべきではない。」等の見解が一般的なようです。「地方議会の自律権の展開」(立命館大学教授、駒林良則)
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