毎年12月10日、スウェーデンのストックホルムでアルフレッド・ノーベルの命日に行われるノーベル賞の授賞式の日程にあわせて、昨年から「とね日記賞」というのを発表している。
これはその年に僕が読んだ物理学書、数学書の中から自分にとってためになった本、この分野を勉強している学生や社会人にお勧めする本を物理学、数学、啓蒙書に分けてそれぞれ1~2冊発表する。今年出版デビューされた科学ファンの方々のための新人賞や、あと贈り物にふさわしい本ということでクリスマス賞というのも設けておこう。
たとえ名著と言われる本であっても僕が理解できなければ受賞できない。昨年以前に読んだ本は自動的に選考対象から外されるし、どんなに良書であっても僕が読んでいなければ対象外。今のところ洋書も対象外。何より僕の学習進度や理解度や好みに影響される。
メダルも賞金も授賞式も晩餐会も舞踏会もないので、ありがたくも何ともなく、主観に満ちたアンフェアな賞だが、それでよいのだ。
- とね日記物理学賞
物理学の教科書、専門書から選考。
- とね日記数学賞
数学の教科書、専門書から選考。
- とね日記啓蒙書賞
科学、数学の分野の一般向け書籍から選考。
- とね日記新人賞
アマチュアの物理学、数学ファンによる書籍出版デビューを応援する賞。
- とね日記功労賞
今年だけこの賞を設けた。ライフワークを完結されたような本から選考。
- とね日記文学賞
ジャンルを問わない小説、文学書から選考。
- とね日記ドラマ賞
今年からこの賞を設ける。いちばんよかったテレビドラマの中から選考。
- とね日記クリスマス賞
クリスマスプレゼントにふさわしい本を選考。
今年は次のような本を読んだ。
- ファインマンの経路積分関連本
- 量子波についての本
- 大森英樹先生の微分幾何学
- トポロジーの本を数冊
- 数学ガール4冊
- 新井朝雄先生の量子力学の数理物理本
- 前野昌弘先生の物理数学本を1冊
- 外村彰氏の量子力学本
- ブルバキの紹介本
- 群と表現論を数冊
- 大田春外先生の位相空間の本を2冊
- 金融工学やブラックショールズ方程式の本
- 確率論や確率過程の本
- 確率力学の本
それでは発表しよう。2011年の「とね日記賞」は次のとおりだ。(書籍名と画像はそれぞれ紹介記事などにリンクさせておいた。)
* 物理学賞
「目で見る美しい量子力学:外村彰」
「Excelで学ぶ量子力学―量子の世界を覗き見る確率力学入門:保江邦夫」
受賞理由:量子力学の視覚化というテーマで2冊選んだ。どちらもワクワクしながら読むことのできる本だ。
「目で見る美しい量子力学:外村彰」は巨大で超精密な電子顕微鏡を開発し、電子の二重スリット実験や磁束量子の鮮明な画像が撮れるまでの道のりを解説したサクセスストーリーである。
「Excelで学ぶ量子力学―量子の世界を覗き見る確率力学入門:保江邦夫」はExcelを使って量子的ふるまいをする電子の軌跡を描くことを楽しみながらネルソンの確率力学に入門するための本だ。
ただしこれら本の良さを深く味わうためには、前もって量子力学の入門書を読んでおいたほうがよいだろう。また電子の波動描像を主軸に置いてかかれた「量子波のダイナミクス:森藤正人」と比較して読むのも面白いと思う。
* 数学賞
「線形代数と群の表現 I:平井武」
「線形代数と群の表現 II:平井武」
受賞理由:はじめて学ぶ者にとってこれほどイメージ豊かに群の表現論に入門できる本はないと思った。著者ご自身のお孫さんが高校生になったら読んで欲しいという思いで書かれた意欲作である。ただしリー群やリー環そしてそれらの表現論など素粒子物理学の理解に必要な範囲はカバーしていないので、これについては他書で学ぶ必要がある。
* 啓蒙書賞(物理学部門)
「光と物質のふしぎな理論―私の量子電磁力学: R.P.ファインマン」
受賞理由:1982年にファインマン先生が一般の人に対して行った4日間の講演をまとめたもので、最初の2日間が経路積分、後の2日間が量子電磁力学についての講義である。微積分はおろか、量子力学の知識さえない一般の聴衆に先生はどう語りかけるのか?より多くの一般の方に自然科学の奥深い感動を知ってほしいと思う。理解できないところがあっても満足いただける本だと思う。
* 啓蒙書賞(数学部門)
数学ガール・シリーズ
「数学ガール:結城浩」
「数学ガール/フェルマーの最終定理:結城浩」
「数学ガール/ゲーデルの不完全性定理:結城浩」
「数学ガール/乱択アルゴリズム:結城浩」
受賞理由:啓蒙書賞は「数式のない本」を想定して設けたのだが、「数学ガール」シリーズほど世間の多くの人に数学を学ぶことの喜びを伝えることに成功した本は、これまでなかったと思う。まさに「啓蒙」の名にふさわしい。今年はあえて数式のたくさん入ったこのシリーズを取り上げさせていただいた。
もしこのシリーズを読んでいなかったら、きっと「エキゾチックな球面:野口廣」を選んでいたと思う。
* 新人賞
該当なし。
理由:読んでいないから。
* 功労賞
「重力理論 Gravitation-古典力学から相対性理論まで、時空の幾何学から宇宙の構造へ」
受賞理由:これほどの大著を英語から翻訳された若野省己先生のご苦労に敬意を表す意味で選ばせていただいた。原書は1973年に書かれたのだが、今もなお重力理論である一般相対性理論の大典として多くの研究者にとって有益な本であるとともに学習用に通読するのにも適している。日本語版は1300ページ、重量2.4キログラム。
たとえLHCでヒッグス粒子が発見されて質量の起源が解明されたとしてもそれは標準理論の中でのこと。この本の価値は損なわれない。僕自身はときどき拾い読みする程度なのだが、近いうちにじっくり取り組んでみたい。
* 文学賞
京極夏彦の「百鬼夜行シリーズ」(拡大写真)
受賞理由:京極夏彦氏がこのシリーズでデビューしたのは31歳のとき。自分と同じ年令で、どうみてもビジュアル系にしか見えない男がこのような大著を短い期間に連発していることに僕は大きな衝撃を受けた。古文書の調査能力、学識や雑学の幅広さ、文章力、小説としての面白さのどれをとっても一流である。当時僕は最初の2冊しか読んでいなかった。
理数系の本以外にも読書しておきたいと思って文庫版を買い揃えた。現在5冊目の「絡新婦の理(じょろうぐものことわり)」を読書中。本の詳細はウィキペディアの「京極夏彦」の項目および、以下のそれぞれのリンクからお読みいただきたい。
長編小説(百鬼夜行シリーズ本編)
姑獲鳥の夏(1994年9月)
魍魎の匣(1995年1月)
狂骨の夢(1995年5月)
鉄鼠の檻(1996年1月)
絡新婦の理(1996年11月)
塗仏の宴 宴の支度(1998年3月)
塗仏の宴 宴の始末(1998年9月)
陰摩羅鬼の瑕(2003年8月)
邪魅の雫(2006年9月)
連作小説集(百鬼夜行シリーズのサイドストーリー、スピンアウト)
百鬼夜行――陰(1999年7月)
百器徒然袋――雨(1999年11月)
今昔続百鬼――雲(2001年11月)
百器徒然袋――風(2004年7月)
* ドラマ賞
「日曜劇場「JIN-仁-」完結編」
受賞理由:現在放送中の「家政婦のミタ」にしようか迷ったのだけれども結局こちらにした。前作で未解決だった点もクリアになり、すっきりできた。現代と江戸時代を舞台にしたタイムパラドックスやパラレルワールドの解説も含まれていたし、よくある時代劇とは違った幕末の風景、人々の暮らしを現代の地図と重ねながら楽しむことができた。
このドラマが放送されたのは4月から6月にかけてのこと。3月11日以前のいつに戻って何をしたら大津波や原発の被害を最小限に食い止めることができただろうかと多くの方が自問自答したに違いない。私たちはどこで間違ってしまったのかと。
また、もし自分が江戸時代にタイムスリップしたら、どれだけの自然科学の知識を当時の人に伝えることができるだろうかと僕は考えを巡らせていた。当時は漢数字、そろばんの時代。方程式や微積分を教える前にアラビア数字や位取り計算を教える必要があるし、電磁気の実験をするためには電池や電線を自分で用意しなければならない。説得力をもつためにはデモして見せるのがいちばん。
スピーカーは作れるけど抵抗やコンデンサー、ダイオード、トランジスタはどうやって作る?僕は無線機をひと組作れるだろうか?あ!テスターを先に作らなきゃ電流や電圧が測れない!テスターの目盛の位置はどうやって決めればよいの?いや、そもそも僕は電球さえ作れないし!
力学のデモをして見せるときに時間を測るにしても、使うことのできるのは秒針のない「和時計」だ。。。そんなことを思い描きながらこのドラマを見ていた。
週刊 和時計をつくる(DeAGOSTINI):
http://deagostini.jp/wdt/
江戸之刻の販売サイト:
http://store.shopping.yahoo.co.jp/cast/b9beb8cdc7.html
* クリスマス賞
「Le Petit Prince (星の王子さま)」
受賞理由:今年この本をフランス語の家庭教師で使っていた。2005年1月に著作権保護期間が満了し、誰でも自由に翻訳、出版できるようになった。その中でも日本語訳としては倉橋由美子氏の「新訳 星の王子さま」をおすすめする。小説家の倉橋氏は長年この本の翻訳を手がけたかったそうで、ついにその夢がかなったことになる。新訳版のゲラが出来上がった直後の2005年6月10日に彼女は逝去され、この本が遺作となった。
大人の方に贈るのだったら倉橋由美子さんの新訳版をどうぞ。画像クリックで購入画面が開く。
子供に贈るのだったらポップアップ絵本をどうぞ。画像クリックで購入画面が開く。
フランス語を学んでいる方に贈るのだったらこちらの本をどうぞ。画像クリックで購入画面が開く。
なお「星の王子さま」などの本のオリジナルブックカバーが紙の専門商社「竹尾」の見本帖本店で12月26日(月)まで展示されているそうだ。
「星の王子さま」」「クリスマス・キャロル」「竹取物語」の装丁展:
http://www.asahi.com/photonews/gallery/soutei_111129/
倉橋由美子『聖少女』1965 新潮社(松岡正剛の千夜千冊より)
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1040.html
関連記事:
とね日記賞の発表!(2010年): 物理学賞、数学賞、他
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ddc344204dec2ebd35c47a8699eb1389
応援クリックをお願いします!このブログのランキングはこれらのサイトで確認できます。
これはその年に僕が読んだ物理学書、数学書の中から自分にとってためになった本、この分野を勉強している学生や社会人にお勧めする本を物理学、数学、啓蒙書に分けてそれぞれ1~2冊発表する。今年出版デビューされた科学ファンの方々のための新人賞や、あと贈り物にふさわしい本ということでクリスマス賞というのも設けておこう。
たとえ名著と言われる本であっても僕が理解できなければ受賞できない。昨年以前に読んだ本は自動的に選考対象から外されるし、どんなに良書であっても僕が読んでいなければ対象外。今のところ洋書も対象外。何より僕の学習進度や理解度や好みに影響される。
メダルも賞金も授賞式も晩餐会も舞踏会もないので、ありがたくも何ともなく、主観に満ちたアンフェアな賞だが、それでよいのだ。
- とね日記物理学賞
物理学の教科書、専門書から選考。
- とね日記数学賞
数学の教科書、専門書から選考。
- とね日記啓蒙書賞
科学、数学の分野の一般向け書籍から選考。
- とね日記新人賞
アマチュアの物理学、数学ファンによる書籍出版デビューを応援する賞。
- とね日記功労賞
今年だけこの賞を設けた。ライフワークを完結されたような本から選考。
- とね日記文学賞
ジャンルを問わない小説、文学書から選考。
- とね日記ドラマ賞
今年からこの賞を設ける。いちばんよかったテレビドラマの中から選考。
- とね日記クリスマス賞
クリスマスプレゼントにふさわしい本を選考。
今年は次のような本を読んだ。
- ファインマンの経路積分関連本
- 量子波についての本
- 大森英樹先生の微分幾何学
- トポロジーの本を数冊
- 数学ガール4冊
- 新井朝雄先生の量子力学の数理物理本
- 前野昌弘先生の物理数学本を1冊
- 外村彰氏の量子力学本
- ブルバキの紹介本
- 群と表現論を数冊
- 大田春外先生の位相空間の本を2冊
- 金融工学やブラックショールズ方程式の本
- 確率論や確率過程の本
- 確率力学の本
それでは発表しよう。2011年の「とね日記賞」は次のとおりだ。(書籍名と画像はそれぞれ紹介記事などにリンクさせておいた。)
* 物理学賞
「目で見る美しい量子力学:外村彰」
「Excelで学ぶ量子力学―量子の世界を覗き見る確率力学入門:保江邦夫」
受賞理由:量子力学の視覚化というテーマで2冊選んだ。どちらもワクワクしながら読むことのできる本だ。
「目で見る美しい量子力学:外村彰」は巨大で超精密な電子顕微鏡を開発し、電子の二重スリット実験や磁束量子の鮮明な画像が撮れるまでの道のりを解説したサクセスストーリーである。
「Excelで学ぶ量子力学―量子の世界を覗き見る確率力学入門:保江邦夫」はExcelを使って量子的ふるまいをする電子の軌跡を描くことを楽しみながらネルソンの確率力学に入門するための本だ。
ただしこれら本の良さを深く味わうためには、前もって量子力学の入門書を読んでおいたほうがよいだろう。また電子の波動描像を主軸に置いてかかれた「量子波のダイナミクス:森藤正人」と比較して読むのも面白いと思う。
* 数学賞
「線形代数と群の表現 I:平井武」
「線形代数と群の表現 II:平井武」
受賞理由:はじめて学ぶ者にとってこれほどイメージ豊かに群の表現論に入門できる本はないと思った。著者ご自身のお孫さんが高校生になったら読んで欲しいという思いで書かれた意欲作である。ただしリー群やリー環そしてそれらの表現論など素粒子物理学の理解に必要な範囲はカバーしていないので、これについては他書で学ぶ必要がある。
* 啓蒙書賞(物理学部門)
「光と物質のふしぎな理論―私の量子電磁力学: R.P.ファインマン」
受賞理由:1982年にファインマン先生が一般の人に対して行った4日間の講演をまとめたもので、最初の2日間が経路積分、後の2日間が量子電磁力学についての講義である。微積分はおろか、量子力学の知識さえない一般の聴衆に先生はどう語りかけるのか?より多くの一般の方に自然科学の奥深い感動を知ってほしいと思う。理解できないところがあっても満足いただける本だと思う。
* 啓蒙書賞(数学部門)
数学ガール・シリーズ
「数学ガール:結城浩」
「数学ガール/フェルマーの最終定理:結城浩」
「数学ガール/ゲーデルの不完全性定理:結城浩」
「数学ガール/乱択アルゴリズム:結城浩」
受賞理由:啓蒙書賞は「数式のない本」を想定して設けたのだが、「数学ガール」シリーズほど世間の多くの人に数学を学ぶことの喜びを伝えることに成功した本は、これまでなかったと思う。まさに「啓蒙」の名にふさわしい。今年はあえて数式のたくさん入ったこのシリーズを取り上げさせていただいた。
もしこのシリーズを読んでいなかったら、きっと「エキゾチックな球面:野口廣」を選んでいたと思う。
* 新人賞
該当なし。
理由:読んでいないから。
* 功労賞
「重力理論 Gravitation-古典力学から相対性理論まで、時空の幾何学から宇宙の構造へ」
受賞理由:これほどの大著を英語から翻訳された若野省己先生のご苦労に敬意を表す意味で選ばせていただいた。原書は1973年に書かれたのだが、今もなお重力理論である一般相対性理論の大典として多くの研究者にとって有益な本であるとともに学習用に通読するのにも適している。日本語版は1300ページ、重量2.4キログラム。
たとえLHCでヒッグス粒子が発見されて質量の起源が解明されたとしてもそれは標準理論の中でのこと。この本の価値は損なわれない。僕自身はときどき拾い読みする程度なのだが、近いうちにじっくり取り組んでみたい。
* 文学賞
京極夏彦の「百鬼夜行シリーズ」(拡大写真)
受賞理由:京極夏彦氏がこのシリーズでデビューしたのは31歳のとき。自分と同じ年令で、どうみてもビジュアル系にしか見えない男がこのような大著を短い期間に連発していることに僕は大きな衝撃を受けた。古文書の調査能力、学識や雑学の幅広さ、文章力、小説としての面白さのどれをとっても一流である。当時僕は最初の2冊しか読んでいなかった。
理数系の本以外にも読書しておきたいと思って文庫版を買い揃えた。現在5冊目の「絡新婦の理(じょろうぐものことわり)」を読書中。本の詳細はウィキペディアの「京極夏彦」の項目および、以下のそれぞれのリンクからお読みいただきたい。
長編小説(百鬼夜行シリーズ本編)
姑獲鳥の夏(1994年9月)
魍魎の匣(1995年1月)
狂骨の夢(1995年5月)
鉄鼠の檻(1996年1月)
絡新婦の理(1996年11月)
塗仏の宴 宴の支度(1998年3月)
塗仏の宴 宴の始末(1998年9月)
陰摩羅鬼の瑕(2003年8月)
邪魅の雫(2006年9月)
連作小説集(百鬼夜行シリーズのサイドストーリー、スピンアウト)
百鬼夜行――陰(1999年7月)
百器徒然袋――雨(1999年11月)
今昔続百鬼――雲(2001年11月)
百器徒然袋――風(2004年7月)
* ドラマ賞
「日曜劇場「JIN-仁-」完結編」
受賞理由:現在放送中の「家政婦のミタ」にしようか迷ったのだけれども結局こちらにした。前作で未解決だった点もクリアになり、すっきりできた。現代と江戸時代を舞台にしたタイムパラドックスやパラレルワールドの解説も含まれていたし、よくある時代劇とは違った幕末の風景、人々の暮らしを現代の地図と重ねながら楽しむことができた。
このドラマが放送されたのは4月から6月にかけてのこと。3月11日以前のいつに戻って何をしたら大津波や原発の被害を最小限に食い止めることができただろうかと多くの方が自問自答したに違いない。私たちはどこで間違ってしまったのかと。
また、もし自分が江戸時代にタイムスリップしたら、どれだけの自然科学の知識を当時の人に伝えることができるだろうかと僕は考えを巡らせていた。当時は漢数字、そろばんの時代。方程式や微積分を教える前にアラビア数字や位取り計算を教える必要があるし、電磁気の実験をするためには電池や電線を自分で用意しなければならない。説得力をもつためにはデモして見せるのがいちばん。
スピーカーは作れるけど抵抗やコンデンサー、ダイオード、トランジスタはどうやって作る?僕は無線機をひと組作れるだろうか?あ!テスターを先に作らなきゃ電流や電圧が測れない!テスターの目盛の位置はどうやって決めればよいの?いや、そもそも僕は電球さえ作れないし!
力学のデモをして見せるときに時間を測るにしても、使うことのできるのは秒針のない「和時計」だ。。。そんなことを思い描きながらこのドラマを見ていた。
週刊 和時計をつくる(DeAGOSTINI):
http://deagostini.jp/wdt/
江戸之刻の販売サイト:
http://store.shopping.yahoo.co.jp/cast/b9beb8cdc7.html
* クリスマス賞
「Le Petit Prince (星の王子さま)」
受賞理由:今年この本をフランス語の家庭教師で使っていた。2005年1月に著作権保護期間が満了し、誰でも自由に翻訳、出版できるようになった。その中でも日本語訳としては倉橋由美子氏の「新訳 星の王子さま」をおすすめする。小説家の倉橋氏は長年この本の翻訳を手がけたかったそうで、ついにその夢がかなったことになる。新訳版のゲラが出来上がった直後の2005年6月10日に彼女は逝去され、この本が遺作となった。
大人の方に贈るのだったら倉橋由美子さんの新訳版をどうぞ。画像クリックで購入画面が開く。
子供に贈るのだったらポップアップ絵本をどうぞ。画像クリックで購入画面が開く。
フランス語を学んでいる方に贈るのだったらこちらの本をどうぞ。画像クリックで購入画面が開く。
なお「星の王子さま」などの本のオリジナルブックカバーが紙の専門商社「竹尾」の見本帖本店で12月26日(月)まで展示されているそうだ。
「星の王子さま」」「クリスマス・キャロル」「竹取物語」の装丁展:
http://www.asahi.com/photonews/gallery/soutei_111129/
倉橋由美子『聖少女』1965 新潮社(松岡正剛の千夜千冊より)
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1040.html
関連記事:
とね日記賞の発表!(2010年): 物理学賞、数学賞、他
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ddc344204dec2ebd35c47a8699eb1389
応援クリックをお願いします!このブログのランキングはこれらのサイトで確認できます。
ご存じかも知れませんが、保江邦夫先生の本で「最新 Excelで学ぶ金融市場予測の科学 ブラック‐ショールズ理論完全制覇 」なんていうのもあるんですが、あえて紹介しませんでした。やはり、物理学の方が楽しいですからね。
ご紹介いただいた「Excelで学ぶ量子力学」はとても気に入りました!ありがとうございます。
「最新 Excelで学ぶ金融市場予測の科学 ブラック‐ショールズ理論完全制覇 」も見つけましたが、もうブラックショールズは卒業します。
僕も物理学のほうが楽しいです!
http://www.amazon.co.jp/Collected-Papers-Wave-Mechanics-Publishing/dp/0821835246/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1323697692&sr=8-1
いつでもよろしいので気が向いたらよろしくお願いします。購入しようと思っているのですが、今のところ勉強がなかなか落ち着かないし、ゆっくり読んで楽しめないとpaperを読んでいる意味がないので購入できていません
(まだ終わっていませんが)今年はいろいろとありがとうございました。とねさんのおかげで成長させていただきました。
"What is Life? Mind and Matter"が発売されているのは知っていましたが、"Collected Papers on Wave Mechanics: Together With His Four Lectures on Wave Mechanics "というシュレディンガー自身の著作が買えるのですね。。これはすごい!
「とね書店」にも加えておきました。
Collected Papers on Wave Mechanics: Together With His Four Lectures on Wave Mechanics
http://astore.amazon.co.jp/tonejiten-22/detail/0821835246
現在、新品で3680円のは一時的に在庫切れ; 入荷時期は未定のようですが、注文しておきました。
投稿してきた記事がお役に立ったようで、僕としても嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします。