昨日と同じような掲載画像になったが、今日は電子書籍についての話。アップルのiPadが発表された今日、メディアはこぞって電子書籍端末の紹介をしている。
アメリカではアマゾンが火付け役となって電子書籍端末がブームとなっているわけだが、日本ではまだ販売されていないのが今日の状況。日本では著作権や版権についてのビジネスモデルが確立されていないからだ。読者の立場から言えばこの問題については今後の成り行きを待つしかない。アマゾンと出版社、本の著者との間でアメリカと同じようなビジネスモデルが浸透するかどうかにかかっている。仮にこの問題がクリアされたとして、iPadが日本で普及するかを僕は以下のように考えた。
まず、インターネット端末としての用途としてはノートパソコンに置き換わるかもしれない。ただユーザー層としてはこれまでノートパソコンを外出時に持ち運ぶような層に限られるので iPhone や iPod touch のユーザー数より少ないだろう。特に小型のハンドバッグしか持ち歩かない女性はこの段階でターゲットからはずれるだろう。
インターネット端末で利用するには無線LANを使う方法と3G機能を使う方法があるが、iPadのサイズで携帯電話代わりに使うのは滑稽で不便なので、おそらくキャリアとの契約を2回線以上契約できる層になるだろう。無線LANスポットに頼るにしても日本の場合、現実的にアクセスポイントがあるのはNTT系(フレッツ)くらいだからNTTユーザーでない限り月額1000円くらいを覚悟しなければならない。この段階でも経済的な意味からユーザー層は絞られてくる。
結局、自宅の無線LANを使うのが一番経済的なのだが、家にはパソコンがあるのであえてiPadは使わなくてもすむ。つまり家でダウンロードして外出先で楽しむというのがいちばん多い使用パターンになるわけだ。音楽や動画ならばiPhone, iPod touch のほうが便利だし端末も小さくてすむ。
つまりアップル社が宣伝しているとおりiPadの主要ターゲットは電子書籍市場となるわけである。既に販売されているアマゾンのKindleやソニーのReaderより魅力的な端末になるだろうか?日本でも普及するだろうか?
パソコンを使う日本の電子書籍市場でいちばんのシェアを占めているのはコミックだそうだ。活字離れが進んでいる日本の現状では、小説や文学、雑誌を書籍販売の主軸に置くことはリスクが高すぎであろう。仮に電子書籍のジャンル別構成の順位がコミック、小説、雑誌だとしてみよう。すると上位2つがカラー化を必要としないわけなのでiPadのカラー画面のメリットが生かせない。むしろ画面の光沢を押さえた白黒表示のKindleやReaderのほうが読みやすいだろう。また、コミックや小説は現在でも紙本の中古市場が充実しているので、電子化による低価格販売のメリットも生かせない。むしろこういう端末で3D映像表示ができるようになれば爆発的に売れると思う。
僕自身についてはどうかというと、読書傾向がとても偏っているので、読みたい本が電子化されるとはとても思えない。せめて手持ちの本を自分で電子書籍化できればよいが、ブックスキャナーは高いしな。。。というわけで電子書籍端末としては使えないだろう。ときどき読むだけの小説のためだけに5万円ほどの端末を買うとは思えない。インターネット端末としても、VAIO Type Xのようなモバイルパソコンのほうが使い勝手がよさそうだし。今のところiPadは僕にとって「巨大化してポケットに入らなくなったiPhone」でしかないようだ。
iPadは目新しさで日本でも発売当初はそこそこ売れるだろう。けれどもiPadがあるのが当たり前で、電子書籍が多く販売されるようになる状況が将来訪れたとき、本をこのような携帯端末で読むことが日本で継続的に定着するためには、アメリカでブームがおきた理由だけでは不十分で、視点が全く違う日本独自の理由が求められるのだとiPad発表のニュースを見て思った次第だ。
本はページをめくりながら「ああ、今日はこれだけ読み進んだな。。」という充足感が僕には必要であることにあらためて気がついた。時代に取り残される世代に自分が入ったのだとは思わない。僕の新し物好きなところは以前と全く変わっていないのだから。
ともあれ3月中旬に発売されるのを期待半分で待つことにしよう。
余談:僕としてはiPadなんかよりiPhoneで外付けキーボードが使えるようになるほうがずっといいのになと思うわけである。もちろん漢字変換とかもサクサクできるという条件付きで。
余談2:ゲーム端末としてのiPadの可能性についてはノーコメントだ。ゲーム自体の面白さをわかっていない僕には何も言うことができない。
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アメリカではアマゾンが火付け役となって電子書籍端末がブームとなっているわけだが、日本ではまだ販売されていないのが今日の状況。日本では著作権や版権についてのビジネスモデルが確立されていないからだ。読者の立場から言えばこの問題については今後の成り行きを待つしかない。アマゾンと出版社、本の著者との間でアメリカと同じようなビジネスモデルが浸透するかどうかにかかっている。仮にこの問題がクリアされたとして、iPadが日本で普及するかを僕は以下のように考えた。
まず、インターネット端末としての用途としてはノートパソコンに置き換わるかもしれない。ただユーザー層としてはこれまでノートパソコンを外出時に持ち運ぶような層に限られるので iPhone や iPod touch のユーザー数より少ないだろう。特に小型のハンドバッグしか持ち歩かない女性はこの段階でターゲットからはずれるだろう。
インターネット端末で利用するには無線LANを使う方法と3G機能を使う方法があるが、iPadのサイズで携帯電話代わりに使うのは滑稽で不便なので、おそらくキャリアとの契約を2回線以上契約できる層になるだろう。無線LANスポットに頼るにしても日本の場合、現実的にアクセスポイントがあるのはNTT系(フレッツ)くらいだからNTTユーザーでない限り月額1000円くらいを覚悟しなければならない。この段階でも経済的な意味からユーザー層は絞られてくる。
結局、自宅の無線LANを使うのが一番経済的なのだが、家にはパソコンがあるのであえてiPadは使わなくてもすむ。つまり家でダウンロードして外出先で楽しむというのがいちばん多い使用パターンになるわけだ。音楽や動画ならばiPhone, iPod touch のほうが便利だし端末も小さくてすむ。
つまりアップル社が宣伝しているとおりiPadの主要ターゲットは電子書籍市場となるわけである。既に販売されているアマゾンのKindleやソニーのReaderより魅力的な端末になるだろうか?日本でも普及するだろうか?
パソコンを使う日本の電子書籍市場でいちばんのシェアを占めているのはコミックだそうだ。活字離れが進んでいる日本の現状では、小説や文学、雑誌を書籍販売の主軸に置くことはリスクが高すぎであろう。仮に電子書籍のジャンル別構成の順位がコミック、小説、雑誌だとしてみよう。すると上位2つがカラー化を必要としないわけなのでiPadのカラー画面のメリットが生かせない。むしろ画面の光沢を押さえた白黒表示のKindleやReaderのほうが読みやすいだろう。また、コミックや小説は現在でも紙本の中古市場が充実しているので、電子化による低価格販売のメリットも生かせない。むしろこういう端末で3D映像表示ができるようになれば爆発的に売れると思う。
僕自身についてはどうかというと、読書傾向がとても偏っているので、読みたい本が電子化されるとはとても思えない。せめて手持ちの本を自分で電子書籍化できればよいが、ブックスキャナーは高いしな。。。というわけで電子書籍端末としては使えないだろう。ときどき読むだけの小説のためだけに5万円ほどの端末を買うとは思えない。インターネット端末としても、VAIO Type Xのようなモバイルパソコンのほうが使い勝手がよさそうだし。今のところiPadは僕にとって「巨大化してポケットに入らなくなったiPhone」でしかないようだ。
iPadは目新しさで日本でも発売当初はそこそこ売れるだろう。けれどもiPadがあるのが当たり前で、電子書籍が多く販売されるようになる状況が将来訪れたとき、本をこのような携帯端末で読むことが日本で継続的に定着するためには、アメリカでブームがおきた理由だけでは不十分で、視点が全く違う日本独自の理由が求められるのだとiPad発表のニュースを見て思った次第だ。
本はページをめくりながら「ああ、今日はこれだけ読み進んだな。。」という充足感が僕には必要であることにあらためて気がついた。時代に取り残される世代に自分が入ったのだとは思わない。僕の新し物好きなところは以前と全く変わっていないのだから。
ともあれ3月中旬に発売されるのを期待半分で待つことにしよう。
余談:僕としてはiPadなんかよりiPhoneで外付けキーボードが使えるようになるほうがずっといいのになと思うわけである。もちろん漢字変換とかもサクサクできるという条件付きで。
余談2:ゲーム端末としてのiPadの可能性についてはノーコメントだ。ゲーム自体の面白さをわかっていない僕には何も言うことができない。
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本はその装丁も含め、実物として存在していてほしいですよね。携帯プレーヤーにMP3で入れられる音楽とは性質が違うと思うのです。
今年もよろしくお願いします。