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2014年6月に追記:
その後フランス語版は改訂され、新版が発売された。詳細は次の記事をお読みいただきたい。
発売情報: フランス語版「ファインマン物理学」の新版
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/daf630deb00e6c315897d6f47ba3dd5a
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本棚の左からファインマン物理学全集ののフランス語版、日本語版、英語版である。
「ファインマン物理学」は物理学を学ぶ者にとってバイブルにも匹敵する名著だ。1965年にノーベル物理学賞を受賞したファインマン教授が1961年~1962年にかけてカリフォルニア工科大学の1、2年生に対して行った授業を書籍化したもので日本語版では5巻から成る。(1巻:力学、2巻:光、熱、波動、3巻:電磁気学、4巻:電磁波と物性、5巻:量子力学)知識を伝えるという目的を超えて彼の軽妙でユーモアあふれる語り口は物理学の魅力をあますところなく伝え、読者を高揚感へと導いてくれる。
「ファインマン物理学」の英語版は2013年12月に「全巻無料公開」された。
フランス語版はAmazon.co.jpからも購入することができる: 検索する
生前のファインマン教授のお姿と肉声は以下の動画でご覧いただける。
CNN, Feynman and the Challenger disaster
以下のサイトでは1979年に行われた記念講義のビデオ映像を見ることができる。
Richard Feynman (The Douglas Robb Memorial Lectures)
http://vega.org.uk/video/subseries/8
教授はまた1986年に起きたスペースシャトルチャレンジャー号事故の調査委員の一人として事故原因の究明に参加し、問題の原因を究明したことでも知られている。そのあたりのいきさつは次のページで読むことができる。
スペースシャトル:危険の確率
http://book.geocities.jp/bnwby020/kikenritu.html
スペースシャトル:危険の確率(2)
http://book.geocities.jp/bnwby020/kikenritu02.html
事故の映像および核心となった公聴会でのファインマンの報告の映像がこれだ。
ボンゴを演奏するファインマン教授の映像はこちらとこちらでご覧いただける。
いつか原書の英語版を読んでみたいなと思いつつ明倫館書店のサイトを検索していたたところ格安のがあったので、クリックはせずに店まで直接足を運んで現物を確認することにした。持ち運びには「ペーパーバック版」というソフトカバーのがいいのだが、英語版は2005年に「完全版(Definitive Edition)」として改訂され、この新しい版のはハードカバーしかまだでていない。どうせ買うなら完全版がいい。(2011年に追記:英語版はさらに改訂され「The Feynman Lectures on Physics: The New Millennium Edition」として出版された。)
サイトに掲載されていた完全版は倉庫のほうにしまってあった。店員にとってきてもらったところ写真のとおり新品同様だったので即決で買ってしまった。重たい荷物は難儀なものだが、これはうれしい重さだ。電車と徒歩にもかかわらず神田神保町から家までの足取りは軽く、たとえて言うなら「質量保存則の破れ」といったとろ。
あえて英語版を入手したのは勉強しなおすというよりも、むしろ英語で物理学を語れるようになりたかったからという理由からだ。英会話にはある程度の自信を持っているけれどもこれまで物理学や数学の原書を読んだ経験がほとんどないため、初歩的な内容であってもうまく英語がでてこない。何度かもどかしい経験をしたものだ。
ファインマン教授の生き生きした表現を自ら感じることで自分が熱中しているこの分野についてときどき話す機会のある外国人の同僚や友人を「洗脳(?)」したいからだ。会話力上達のためには自分の趣味の分野を題材にするのがいちばんいい。数式よりも文章の部分が断然多いこの本はそうした目的にうってつけである。後述するフランス語版についても目的は同じである。
勢い余ってフランス語版も注文してしまった。Amazon.frは日本へも配送してくれる。
10日くらいしてフランス語版も届いた。英語版、日本語版に較べてだいぶ小ぶりだ。フランス語版は日本語版と同じく1970年の英語版が翻訳のベースになっている。(つまり英語のペーパーバック版と同じ内容)
本棚に仲良く収まった。(クリックして拡大。)
第1巻を並べてみた。フランス語版は小さいだけに中のページの文字も小さくぎっしり詰まっている。
フランスの本というのは昔から装丁が雑だ。届いた5冊も案の定ばらばらである。クリックして拡大するとおわかりになるだろう。
1)出版社のDUNODというロゴの下の帯の色が第2巻(mecanique 2)だけグレーで、残りの本では黄色。
2)写真からはよくわからないだろうが第1巻(mecanique 1)だけ表紙カバーに光沢がある。残りの本はつや消しだ。
3)Le cours de physique deという赤い文字のフォントやelectromagnetisme 2というタイトル文字のフォントが第4巻だけ他の本より細い。
4)FEYNMANという青い字のインクの発色が各巻で微妙に異なっている。これは写真のフラッシュによる写りの違いではない。
同じシリーズなのだから統一感を徹底してほしいところだが、そこはお国柄なのだろう。日本やアメリカの本ではこういう本は返品されてしまうに違いない。
英語版、フランス語版ともに相当なボリュームだから、さすがの僕もすべて読破するとは宣言しない。(笑)折にふれて気に入ったページを読み込んでいこうと思う。どちらかというと「現代用語の基礎知識」や「イミダス」的な読み方をするつもりだ。
関連記事:
第1巻「力学」のレビュー
第2巻「光、熱、波動」のレビュー
第3巻「電磁気学」のレビュー
第4巻「電磁派と物性」のレビュー
第5巻「量子力学」のレビュー
ファインマン先生の自伝本と講演本
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2014年6月に追記:
その後フランス語版は改訂され、新版が発売された。詳細は次の記事をお読みいただきたい。
発売情報: フランス語版「ファインマン物理学」の新版
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/daf630deb00e6c315897d6f47ba3dd5a
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本棚の左からファインマン物理学全集ののフランス語版、日本語版、英語版である。
「ファインマン物理学」は物理学を学ぶ者にとってバイブルにも匹敵する名著だ。1965年にノーベル物理学賞を受賞したファインマン教授が1961年~1962年にかけてカリフォルニア工科大学の1、2年生に対して行った授業を書籍化したもので日本語版では5巻から成る。(1巻:力学、2巻:光、熱、波動、3巻:電磁気学、4巻:電磁波と物性、5巻:量子力学)知識を伝えるという目的を超えて彼の軽妙でユーモアあふれる語り口は物理学の魅力をあますところなく伝え、読者を高揚感へと導いてくれる。
「ファインマン物理学」の英語版は2013年12月に「全巻無料公開」された。
フランス語版はAmazon.co.jpからも購入することができる: 検索する
生前のファインマン教授のお姿と肉声は以下の動画でご覧いただける。
CNN, Feynman and the Challenger disaster
以下のサイトでは1979年に行われた記念講義のビデオ映像を見ることができる。
Richard Feynman (The Douglas Robb Memorial Lectures)
http://vega.org.uk/video/subseries/8
教授はまた1986年に起きたスペースシャトルチャレンジャー号事故の調査委員の一人として事故原因の究明に参加し、問題の原因を究明したことでも知られている。そのあたりのいきさつは次のページで読むことができる。
スペースシャトル:危険の確率
http://book.geocities.jp/bnwby020/kikenritu.html
スペースシャトル:危険の確率(2)
http://book.geocities.jp/bnwby020/kikenritu02.html
事故の映像および核心となった公聴会でのファインマンの報告の映像がこれだ。
ボンゴを演奏するファインマン教授の映像はこちらとこちらでご覧いただける。
いつか原書の英語版を読んでみたいなと思いつつ明倫館書店のサイトを検索していたたところ格安のがあったので、クリックはせずに店まで直接足を運んで現物を確認することにした。持ち運びには「ペーパーバック版」というソフトカバーのがいいのだが、英語版は2005年に「完全版(Definitive Edition)」として改訂され、この新しい版のはハードカバーしかまだでていない。どうせ買うなら完全版がいい。(2011年に追記:英語版はさらに改訂され「The Feynman Lectures on Physics: The New Millennium Edition」として出版された。)
サイトに掲載されていた完全版は倉庫のほうにしまってあった。店員にとってきてもらったところ写真のとおり新品同様だったので即決で買ってしまった。重たい荷物は難儀なものだが、これはうれしい重さだ。電車と徒歩にもかかわらず神田神保町から家までの足取りは軽く、たとえて言うなら「質量保存則の破れ」といったとろ。
あえて英語版を入手したのは勉強しなおすというよりも、むしろ英語で物理学を語れるようになりたかったからという理由からだ。英会話にはある程度の自信を持っているけれどもこれまで物理学や数学の原書を読んだ経験がほとんどないため、初歩的な内容であってもうまく英語がでてこない。何度かもどかしい経験をしたものだ。
ファインマン教授の生き生きした表現を自ら感じることで自分が熱中しているこの分野についてときどき話す機会のある外国人の同僚や友人を「洗脳(?)」したいからだ。会話力上達のためには自分の趣味の分野を題材にするのがいちばんいい。数式よりも文章の部分が断然多いこの本はそうした目的にうってつけである。後述するフランス語版についても目的は同じである。
勢い余ってフランス語版も注文してしまった。Amazon.frは日本へも配送してくれる。
10日くらいしてフランス語版も届いた。英語版、日本語版に較べてだいぶ小ぶりだ。フランス語版は日本語版と同じく1970年の英語版が翻訳のベースになっている。(つまり英語のペーパーバック版と同じ内容)
本棚に仲良く収まった。(クリックして拡大。)
第1巻を並べてみた。フランス語版は小さいだけに中のページの文字も小さくぎっしり詰まっている。
フランスの本というのは昔から装丁が雑だ。届いた5冊も案の定ばらばらである。クリックして拡大するとおわかりになるだろう。
1)出版社のDUNODというロゴの下の帯の色が第2巻(mecanique 2)だけグレーで、残りの本では黄色。
2)写真からはよくわからないだろうが第1巻(mecanique 1)だけ表紙カバーに光沢がある。残りの本はつや消しだ。
3)Le cours de physique deという赤い文字のフォントやelectromagnetisme 2というタイトル文字のフォントが第4巻だけ他の本より細い。
4)FEYNMANという青い字のインクの発色が各巻で微妙に異なっている。これは写真のフラッシュによる写りの違いではない。
同じシリーズなのだから統一感を徹底してほしいところだが、そこはお国柄なのだろう。日本やアメリカの本ではこういう本は返品されてしまうに違いない。
英語版、フランス語版ともに相当なボリュームだから、さすがの僕もすべて読破するとは宣言しない。(笑)折にふれて気に入ったページを読み込んでいこうと思う。どちらかというと「現代用語の基礎知識」や「イミダス」的な読み方をするつもりだ。
関連記事:
第1巻「力学」のレビュー
第2巻「光、熱、波動」のレビュー
第3巻「電磁気学」のレビュー
第4巻「電磁派と物性」のレビュー
第5巻「量子力学」のレビュー
ファインマン先生の自伝本と講演本
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質問なんですけれど、英語版の4巻は何が書かれているか、教えていただけないでしょうか。重力理論ですか?。気になります。
ハンドル名は何を使っていらっしゃったのでしょうね?(笑)
英語版の第4巻は「Feynman's Tips On Physics」という本です。第1巻の力学の補講が4章ぶんあります。
Feynman's Tips on Physics: A Problem-Solving Supplement to The Feynman Lectures on Physics
http://astore.amazon.co.jp/tonejiten-22/detail/0805390634
これの日本語版は「ファインマン流物理がわかるコツ」というタイトルで発売されていますよ。
ファインマン流物理がわかるコツ
http://astore.amazon.co.jp/tonejiten-22/detail/4000059556
はい、そのとおりです。
英語版の第4巻の内容は日本語版の第1巻には全く含まれていない内容です。(重複する部分は全くありません。)
我が家には(たぶん)1冊だけフランス語の本があって、それは「星の王子様、フランス語版」です。
中身は全く読めないのですが、単に雰囲気を楽しんだり、日本語版と並べて見たりしています。
大人になった今こそ、フランス語版を並べてみては?
それにしてもこれを書いたサン・テグジュペリって日産自動車のカルロス・ゴーン氏にそっくりですね。(笑)星の王子さまのサイト見るとわかりますよ。