
「光量子」って呼んでいたくらいだから光子(photon)の波動関数(状態関数)も電子と同じで複素数波だと思っていたところ、コメント欄からときどきアドバイスをくださるT_NAKAさんから「光子は実数波だと思うが」とご指摘をいただいた。
これがきっかけでコメント欄を通じてのやりとりが始まり、興味深いことがわかってきた。もちろんこれは「光=電磁波は電場と磁場の実数波だ」ということを知っている上での話。
「ファインマンの経路積分に入門しよう!」という記事のコメント欄をお読みいただきたい。(記事本文を読んでからのほうがわかりやすいと思う。)
自分の勉強不足なのかもしれないし、既に答は明白だという方もいると思うが、やりとりを続けているうちに記事本文よりもコメント欄のほうが内容が濃くなってしまった。同じ疑問を持っていらっしゃる方もいると思うので、リマインド記事とさせていただいた次第だ。
このテーマについてはいつになるかわからないが、論点を整理して後日記事にしてみたいと思う。
T_NAKAさん、注意を喚起していただきありがとうございます。
応援クリックをお願いします!このブログのランキングはこれらのサイトで確認できます。



クリスマスプレゼントの下調べ、お買い物はこちらからどうぞ!
(ギフトラッピングで自分以外への発送も可。送料無料!)
これがきっかけでコメント欄を通じてのやりとりが始まり、興味深いことがわかってきた。もちろんこれは「光=電磁波は電場と磁場の実数波だ」ということを知っている上での話。
「ファインマンの経路積分に入門しよう!」という記事のコメント欄をお読みいただきたい。(記事本文を読んでからのほうがわかりやすいと思う。)
自分の勉強不足なのかもしれないし、既に答は明白だという方もいると思うが、やりとりを続けているうちに記事本文よりもコメント欄のほうが内容が濃くなってしまった。同じ疑問を持っていらっしゃる方もいると思うので、リマインド記事とさせていただいた次第だ。
このテーマについてはいつになるかわからないが、論点を整理して後日記事にしてみたいと思う。
T_NAKAさん、注意を喚起していただきありがとうございます。
応援クリックをお願いします!このブログのランキングはこれらのサイトで確認できます。



クリスマスプレゼントの下調べ、お買い物はこちらからどうぞ!
(ギフトラッピングで自分以外への発送も可。送料無料!)

さて、ここからはあまり信用しないで欲しいのですが、私の理解のレベルを示します。
EやBは慣性系で違ってしまうとはいえ、我々が計測器で測定できるものです。それに比べようにベクトル・ポテンシャルAはその微分量がEやBになるため、簡単な例でいうと、変化しない量というか、定数が加えられていても分かりません。つまりベクトル・ポテンシャルAに条件を加えても出てくるEやBに矛盾が無ければよいわけです。良く知られているのがローレンス条件(ローレンツではない)ですが、この条件を加えると計算が非常に簡単になることですね。こういう条件から、本来進行方向に振動してもよいのが、横波しか許せない状況になり、これは古典電磁気学と同じ結果になります。これは光がCで運動して、光子が停まって見える慣性系をとることが出来ないという事情によるものでしょう。どうもここら辺が波動関数が実数になるということに関係しているのかも知れません。ただ、ベクトル・ポテンシャルAに加えられた条件を変えれば電磁波という実数波とは別に複素波が出てくるのかもしれません。光子や重力子といういわゆる質量ゼロのゲージ粒子の扱いは素人には分かり辛いものです。実数波/複素波という2つの立場あるということなのですが、これは専門家が悪いですね。こんなポピュラーな物理現象にはっきりとした見解をしめさないといけないと思います。
再びコメントいただき、ありがとうございます。
> 光子や重力子といういわゆる質量ゼロのゲージ粒子の扱いは素人には分かり辛いものです。実数波/複素波という2つの立場あるということなのですが、これは専門家が悪いですね。こんなポピュラーな物理現象にはっきりとした見解をしめさないといけないと思います。
僕も全くそう思います。kafukaさんが見つけてくださった論文や、EMANの物理学談話室でのその後のやり取りを読むと、自分でも理解できたようで、そうは言っても疑問点がすべてクリアになったのか自信が持てない状況です。Maxwell 方程式の複素数形式というのも初めて目にしました。
僕よりもはるかに進んだレベルでの議論が続いているようですので、皆さんのお考えを読みながら素直に学んでいきたいと思っています。
一つ、教科書からの引用を記事にしてみたので、お暇なときに読んでいただくと幸いです。
http://teenaka.at.webry.info/201012/article_28.html
議論の場所がEMANの物理学(談話室)に移り、より公開性の高いものになってしまった件、僕にとっては不可抗力とはいえ、申し訳ありませんでした。
ネット上での議論というものは相手への配慮を欠かないことが大切だと思いました。もともとネット上での議論に参加することを嫌う方もいらっしゃることでしょうし。
もとより僕もT_NAKAさんから教えていただくということから始まったやり取りでした。
> 教科書からの引用を記事にしてみたので、お暇なときに読んでいただくと幸いです。
読ませていただきました。現在EMANさんのほうの掲示板で進行中の議論に対してお気を悪くされているようですので、その点についてお詫びいたします。
T_NAKAさんが記事で引用された『電子・情報工学講座7 電子物性概論 - 量子論の基礎 - 』(阿部正紀著・培風館)における説明では、確かに絶対値を2乗して確率(密度)を与える関数は実数関数でも存在可能ですね。その確率に従って、その点に光子が実際に飛来するかどうかは、1、0のデジタル量に対応する。それゆえアナログ的な電磁波と、デジタル的な光子が、「確率」を介して結ばれる。という理屈も納得できます。
つまりT_NAKAさんが『「なんで光子の波動関数が複素数ということに疑問を持たないの?」ということです。』とおっしゃっているように、引き合いにされている(難しい)論文や場の量子論を使って議論されている内容よりももっとシンプルというか基礎的な段階での問題意識なのですね。
(4.40)式を、(4.38)式に代入して、両辺の実部同士および虚部同士を比較してみてください。単に真空のMaxwell 方程式が出てくるだけです。
つまりFというのは実部をB虚部をEとした複素数というだけで、量子力学の波動関数のように原理的に複素数のものではありません。
私には式を簡単にするだけの方便の複素数のように思えます。だから単にひとつの解釈の論文のようにしか感じないのです。
毎年たくさんの論文が書かれています。けれどもそれらすべてが正しいものではなく、査読吟味されて残ったものが学界の常識になるということです。1論文を発見しただけでどうのこうのとの議論は無意味だと思います。
数年前「ブラックホールは存在しない」という論文が話題になったことがあります。しかし、その後にそんな話は聴かれなくなりました。
また、私は、(ブログでは何度も書いてますので)一応電磁場の第二量子化の話は理解してますよ。
量子力学だけで光子を扱うのは誤解が生じやすいと言っているだけです
自分でも計算してみました。確かにそうですね。
(僕の大好きな)ファインマン物理学の第4巻(日本語版)の中に(電磁波として扱った)光の屈折率について説明している箇所があり、マックスウェルの方程式を引用した後、電場のx成分を
Ex=E0*exp(i(ωt-kz))
と表している式を見つけました。(この本の172ページ、T_NAKAさんがこの本をお持ちになっていなかったらすみませんが。)これなどはまさに同じことですね。式や解法を簡単にするだけの方便の複素数です。
2005年の論文についての判断は僕にはできません。(物理学会という意味での)世間一般に受け入れられたものではないことはわかります。この論文での主張はひとつの「説」なのだと思っています。
T_NAKAさんが電磁場の第二量子化のことを理解されていることは日ごろブログを拝見していて、(僕もT_NAKAさんくらい詳しく理解したり、計算できるようになれたらいいなと思いながら)存じております。
ただ、光子の波動関数については電磁場の第二量子化や場の量子論を持ち出すまでもなく解釈できるのでは、ということをおっしゃりたいわけですよね。
たまたま見つけたネット上の記事なのですが、光子が実数波で表されるようなマックスウェルの波動方程式によって定式化されるものだとすると、以下のような「光子のもつれ合い」という現象は説明可能でしょうか?
「量子レーダー」研究:「もつれ合い光子対」を使った画像作成に成功
http://wiredvision.jp/news/200807/2008070721.html
それにしても、この「ゴースト・イメージング」という画像、絶妙なネーミングですね。
ところで、電子のシュレディンガー方程式からはスピンが出てこないことをご存じですか?
吉田伸夫著:「光の場、電子の海―量子場理論への道」を注意深く読んでいただければお判りになると思います。
これは私の意見ですから、押し付ける積りのないことはご理解願いたいところですが、
電子のシュレディンガー方程式レベルで光子の波動関数の話をしているときにスピンを出されても困ると感じてます。
電子でもスピン演算子はパウリ行列で示され +1/2 と -1/2 をとる確率は各々50% で、これはシュレディンガー方程式を介さなくても出てくるものと思ってました。だから今回問題しているものとは関係ないのではないかと思っています。
パウリ行列に虚数単位iが含まれていることだけが唯一「複素数的」なだけに過ぎませんね。
失礼しました!