「重力理論 Gravitation-古典力学から相対性理論まで、時空の幾何学から宇宙の構造へ:J. A. Wheeler, C. W. Misner, K. S. Thorne, 若野省己(翻訳)」
あの有名な本がついに翻訳された。原書の「Gravitation: Charles W. Misner, Kip S. Thorne, John Archibald Wheeler」は1973年に刊行され、重力に関する「電話帳」として長年親しまれてきた。英語版はペーパーバックで1215ページ。
この大著を翻訳されたのが京都大学の名誉教授でいらっしゃる若野省己先生。ネット上の限られた情報によると「ホイラーの弟子であり、ソーンの兄弟子」でいらっしゃるようだ。日本語版は1300ページ。
原書自体が1973年刊行で古いため、近年研究が盛んな量子重力理論やインフレーション宇宙論などは含まれていない。古典力学から一般相対論までということをご了解いただいた上で購入されるとよいだろう。(値段は高いが日本経済回復、消費拡大への協力にもなるだろう。)
本書の詳細はこの記事の一番下の章立てを参考にしていただきたい。
「重力理論 Gravitation-古典力学から相対性理論まで、時空の幾何学から宇宙の構造へ:J. A. Wheeler, C. W. Misner, K. S. Thorne, 若野省己(翻訳)」
英語版(ペーパーバック版)をお求めの方はこちらでどうぞ。
「Gravitation: Charles W. Misner, Kip S. Thorne, John Archibald Wheeler」
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2017年8月6日に追記:
絶版状態が続いていた英語版が2017年10月17日に復刊。ハードカバー版とKindle版だ!ただしKindle版は紙の本をスキャンして電子書籍化した固定レイアウトであることと、Kindle Paperwhiteの端末では、まったく表示できないのでご注意いただきたい。
「Gravitation: Charles W. Misner, Kip S. Thorne, John Archibald Wheeler」(Kindle版)
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老婆心ながら注意しておくが、同じような時期に刊行されたS.ワインバーグの
「Gravitation and Cosmology: Principles and Applications of the General Theory of Relativity: Steven Weinberg」と混同しないよう気をつけていただきたい。こちも電話帳並みに厚い本で1972年に刊行された。日本語版はまだ出版されていない。
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相対性理論についての記事(とね日記の中):
ブラックホールと時空の歪み: キップ・S. ソーン
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/76795b03e7dc89cd08dac67dc25b73ab
趣味で相対論(EMANの物理学)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/90aa60383b600ff4e4fd7bea6589deaa
一般相対性理論に挑戦しよう!
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ea7ad9292ce01ad4abbbc8c98f3303d0
少年の頃の夢(の続き)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a6e4b9271cd56b2e85c3bdaa0b8b7cae
アインシュタイン選集(1)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/26d6fc929bf7b9f0fc1e2a210882f559
アインシュタイン選集(2)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/d3d0869ab3911e84845b5b121bd1aa3e
相対性理論への数学的第一歩 ~共変微分のやさしい説明~
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/6667881234da004069e26e160a5b06f1
時空の幾何学:特殊および一般相対論の数学的基礎
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ffc643a688ce45dec7460d107fe1392e
「重力理論 Gravitation-古典力学から相対性理論まで、時空の幾何学から宇宙の構造へ:J. A. Wheeler, C. W. Misner, K. S. Thorne, 若野省己(翻訳)」
目次
パートI 時空の物理学
1章 幾何力学の要約
パートII 平坦な時空での物理学
2章 特殊相対性理論の基礎
3章 電磁場
4章 電磁気と微分形式
5章 ストレス-エネルギーテンソルおよび保存則
6章 加速された観測者
7章 重力と特殊相対性理論は共存できない
パートIII 曲がった時空の数学
8章 微分幾何学:概観
9章 微分トポロジー
10章 アフイン幾何学:測地線,平行移動,および共変微分
11章 測地線の逸脱と時空の曲率
12章 曲がった時空の言葉でのNewton的重力
13章 Riemann的幾何学:すべての基礎としての計量
14章 曲率の計算
15章 Bianchi恒等式および境界の境界
パートIV Einsteinの幾何学的な重力理論
16章 等価原理と“重力場”の測定
17章 質量-エネルギーはいかに曲率を生成するか
18章 弱い重力場
19章 重力を及ぼしている系の質量と角運動量
20章 4-運動量と角運動量に対する保存則
21章 変分原理と初期値データ
22章 熱力学,流体力学,電気力学,幾何光学,および運動論
パートV 相対論的な星
23章 球状の星
24章 パルサーと中性子星,クエーサーと超重量星
25章 Schwarzschild幾何学における運動のあらたな中心的な特徴――“ポテンシャルにおけるくぼみ”
26章 星の脈動
パートVI 宇宙
27章 理想化された宇宙論
28章 宇宙の現在の状態への進化
29章 宇宙の現在の状態と未来の展開
30章 非等方で不均質な宇宙論
パートVII 重力崩壊とブラックホール
31章 Schwarzschild幾何学
32章 重力崩壊
33章 ブラックホール
34章 大域的な技術,地平線,および特異点定理
パートVIII 重力波
35章 重力波の伝播
36章 重力波の生成
37章 重力波の探知
パートIX 一般相対論の実験的検証
38章 相対論の基礎をテストする
39章 重力の別な理論およびポストNewton近似
40章 太陽系の実験
パートX 未開拓の領域
41章 スピノール
42章 Regge計算法
43章 超空間:幾何学の力学に対する競技場
44章 時間の終わりを越えて
文献および人名索引
事項索引
あの有名な本がついに翻訳された。原書の「Gravitation: Charles W. Misner, Kip S. Thorne, John Archibald Wheeler」は1973年に刊行され、重力に関する「電話帳」として長年親しまれてきた。英語版はペーパーバックで1215ページ。
この大著を翻訳されたのが京都大学の名誉教授でいらっしゃる若野省己先生。ネット上の限られた情報によると「ホイラーの弟子であり、ソーンの兄弟子」でいらっしゃるようだ。日本語版は1300ページ。
原書自体が1973年刊行で古いため、近年研究が盛んな量子重力理論やインフレーション宇宙論などは含まれていない。古典力学から一般相対論までということをご了解いただいた上で購入されるとよいだろう。(値段は高いが日本経済回復、消費拡大への協力にもなるだろう。)
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「重力理論 Gravitation-古典力学から相対性理論まで、時空の幾何学から宇宙の構造へ:J. A. Wheeler, C. W. Misner, K. S. Thorne, 若野省己(翻訳)」
英語版(ペーパーバック版)をお求めの方はこちらでどうぞ。
「Gravitation: Charles W. Misner, Kip S. Thorne, John Archibald Wheeler」
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2017年8月6日に追記:
絶版状態が続いていた英語版が2017年10月17日に復刊。ハードカバー版とKindle版だ!ただしKindle版は紙の本をスキャンして電子書籍化した固定レイアウトであることと、Kindle Paperwhiteの端末では、まったく表示できないのでご注意いただきたい。
「Gravitation: Charles W. Misner, Kip S. Thorne, John Archibald Wheeler」(Kindle版)
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老婆心ながら注意しておくが、同じような時期に刊行されたS.ワインバーグの
「Gravitation and Cosmology: Principles and Applications of the General Theory of Relativity: Steven Weinberg」と混同しないよう気をつけていただきたい。こちも電話帳並みに厚い本で1972年に刊行された。日本語版はまだ出版されていない。
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相対性理論についての記事(とね日記の中):
ブラックホールと時空の歪み: キップ・S. ソーン
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趣味で相対論(EMANの物理学)
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一般相対性理論に挑戦しよう!
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少年の頃の夢(の続き)
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アインシュタイン選集(1)
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アインシュタイン選集(2)
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相対性理論への数学的第一歩 ~共変微分のやさしい説明~
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/6667881234da004069e26e160a5b06f1
時空の幾何学:特殊および一般相対論の数学的基礎
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ffc643a688ce45dec7460d107fe1392e
「重力理論 Gravitation-古典力学から相対性理論まで、時空の幾何学から宇宙の構造へ:J. A. Wheeler, C. W. Misner, K. S. Thorne, 若野省己(翻訳)」
目次
パートI 時空の物理学
1章 幾何力学の要約
パートII 平坦な時空での物理学
2章 特殊相対性理論の基礎
3章 電磁場
4章 電磁気と微分形式
5章 ストレス-エネルギーテンソルおよび保存則
6章 加速された観測者
7章 重力と特殊相対性理論は共存できない
パートIII 曲がった時空の数学
8章 微分幾何学:概観
9章 微分トポロジー
10章 アフイン幾何学:測地線,平行移動,および共変微分
11章 測地線の逸脱と時空の曲率
12章 曲がった時空の言葉でのNewton的重力
13章 Riemann的幾何学:すべての基礎としての計量
14章 曲率の計算
15章 Bianchi恒等式および境界の境界
パートIV Einsteinの幾何学的な重力理論
16章 等価原理と“重力場”の測定
17章 質量-エネルギーはいかに曲率を生成するか
18章 弱い重力場
19章 重力を及ぼしている系の質量と角運動量
20章 4-運動量と角運動量に対する保存則
21章 変分原理と初期値データ
22章 熱力学,流体力学,電気力学,幾何光学,および運動論
パートV 相対論的な星
23章 球状の星
24章 パルサーと中性子星,クエーサーと超重量星
25章 Schwarzschild幾何学における運動のあらたな中心的な特徴――“ポテンシャルにおけるくぼみ”
26章 星の脈動
パートVI 宇宙
27章 理想化された宇宙論
28章 宇宙の現在の状態への進化
29章 宇宙の現在の状態と未来の展開
30章 非等方で不均質な宇宙論
パートVII 重力崩壊とブラックホール
31章 Schwarzschild幾何学
32章 重力崩壊
33章 ブラックホール
34章 大域的な技術,地平線,および特異点定理
パートVIII 重力波
35章 重力波の伝播
36章 重力波の生成
37章 重力波の探知
パートIX 一般相対論の実験的検証
38章 相対論の基礎をテストする
39章 重力の別な理論およびポストNewton近似
40章 太陽系の実験
パートX 未開拓の領域
41章 スピノール
42章 Regge計算法
43章 超空間:幾何学の力学に対する競技場
44章 時間の終わりを越えて
文献および人名索引
事項索引
EROICAです。
お久しぶりです。最近アマゾンで購入したい本やCDがあって、とね書店を利用させてもらいました。何パーセントくらいとねさんのところに回るのでしょうね。
ところで、この本、遂に訳されたのですね。実は、誰も訳さないのなら、私が訳そうか、などと無謀なことを考えていたのですが、先を越されてしまいましたね。
訳すついでに、すべての問題の解答を付けてくれていると、嬉しいのですが、そこまで要求するのは、無いものねだりでしょうかね。
後、544ページから545ページにかけての手書きのドイツ語の手紙も訳して欲しいのだけれどもなぁ。
何はともあれ、この一般相対性理論の最高の教科書が、日本語でも読めるようになった、というのは、日本の物理学の今後を期待を持って見られる、ということにつながるように思います。
若野省己さん、ばんざーい!
お久しぶりです。そうなんですよ。遂に訳されたのです。
若野省己先生のことは存じ上げませんでしたが、こんな分厚い本を訳すのはライフワークに近いものがあります。いったいどれくらいの期間がかかったのでしょうね。
僕は今日注文したばかりですので、問題の解答がついているかどうかは手元に届いてから見てみます。
> 544ページから545ページにかけての手書きのドイツ語の手紙も訳して欲しいのだけれどもなぁ。
英語版をお持ちなのですね。これについても日本語版が届いたら確認してみます。
> 最近アマゾンで購入したい本やCDがあって、とね書店を利用させてもらいました。何パーセントくらいとねさんのところに回るのでしょうね。
とね書店からお買い上げいただき、ありがとうございました。クラシック音楽のCD購入された方がいるなぁと思っていたらEROICAさんだったのですね。レポートは購入された品目だけ書かれていて、どこの誰が買ったのかはわからないようになっています。
震災以前は毎月30品目以上売上があったので、僕が受け取る金額は4.0パーセントでした。でも震災以降は目に見えて売上が落ちています。ですので4月ぶんは販売価格の3.5パーセントが手元に入ります。
こんなところにも震災の影響がでているわけですね。
本が届いたので確認してみました。ドイツ語の手紙も手書きのが掲載されていましたが、その日本語訳は書いてありませんでした。ただ、手紙の下にその大まかな内容が解説してありました。おそらく英語版でも同じように大まかな説明が書いてあり、それをそのまま日本語に訳したのでしょうね。
僕はフランス語だったら読めるのですが、ドイツ語はまったくわからないので残念です。
調べてくださってありがとうございます。
英語版でも、図21.5という言葉の後に、小さい活字で、要約が述べられているのです。
でも、私はアインシュタインが、マッハに送った手紙を、そのままに読みたかったのでした。
ちょっと残念。
自分はまだのこの日本語版を見ていません。が、研究ではちょくちょくとこの本(英語版)を参照します。学部の時は”こんな本読む人いるのかなあ~”と思っていたのですが、実際に自分はこれの世話になっていますww
丁寧かつ物理的でとてもいい本だと思います。自分も購入をかんがえようかな。
お久しぶりです!ブログ拝見させていただきました。お元気そうですね。僕も「特殊関数って面倒だな。」と思っていたので「彩の良いトマトパスタ と 特殊関数」という記事、とても参考になりました。ありがとうございます。
この「重力理論」の本も、現役として役に立つ本なのですね。量子カフェさんはもちろん英語でも全く問題なくお読みになれると思いますが、日本語版を購入されたいというお気持ちもよくわかります。
昔に出版された本は無理としても、このように分厚い本は特にPDFなどでダウンロード販売できるようになってほしいですね。複製を防ぐ手立てがはやく確立されてほしいものです。
まるで機械翻訳みたいです。
はい、この本の日本語訳はいわゆる「翻訳調」で固すぎます。これに慣れてくると読めてしまうというのもありますが。。。
原著を買おうと思って調べてみたら値段が高騰していてびっくりしてしまいました。
絶版なんですかね?
はい、僕の場合は慣れてくると読めてしまいますので。。
原著は絶版のようです。日本のアマゾンだととんでもない値段がついていますね。米国アマゾンでも新品はありませんでした。149$の中古がありましたが米国内への発送しかしてもらえません。
英語をお読みなるのに問題がないのでしたら、原著をお買い求めになるほうがよいです。本の状態は少し悪いようですが、幸い明倫館書店に1万5千円のが1冊ありますよ。
Gravitation (明倫館書店)
http://www.meirinkanshoten.com/book.asp?id=381532