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とね日記

理数系ネタ、パソコン、フランス語の話が中心。
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群論入門(新数学シリーズ 7):稲葉栄次

2010年04月04日 15時44分48秒 | 物理学、数学
群論入門(新数学シリーズ 7):稲葉栄次

はじめて群論を勉強するのであれば、この本がダントツでわかりやすいと評判の教科書。170ページほどでB6サイズの小型本。しかし残念なことに絶版になっていて現在入手するのは極めて困難だ。幸い僕は昔格安で買って持っていた。見かけがボロボロなのと昭和32年初版ということと、そのように評判の本であることを知らなかったため本棚の隅に置いたままになっていた。

群論については既に「群論への30講:志賀浩二著」や「群・環・体入門:新妻弘、木村哲三」などの良書で学んでいたので、今回は「読み比べ」という感じだ。本当に評判どおりの本なのか確かめるのが目的。

で、どうだったかというと「まさに評判どおりだった。」というのが結論。定理や証明についてはもちろんのこと、定理や説明の内容をより具体的にイメージできるよう、図版や図形の変換例、具体的な計算例をことあるごとに例示してくれているからだ。おまけに文章での説明も明瞭簡潔である。

通常、これくらいコンパクトにまとめた本だと説明をはしょったり、詰め込みすぎたりして初学者には難しい本になりがちだ。しかしこの本はわかりやすく、かつ最短コースで学べるようにという目的を十分果たしている。僕が読んだ3種類の群論の本のうち1つを選べと言われたら、迷うことなく今回の教科書を選ぶだろう。

願わくば本書が一日でもはやく復刊してほしいと思うかぎりである。ぜひ以下のページを開いて復刊にご協力いただきたい。

復刊ドットコム(群論入門:稲葉栄次)
http://www.fukkan.com/fk/VoteDetail?no=48207

あとできればこちらもお願いしたい。

復刊ドットコム(連続群論入門 :山内恭彦、杉浦光夫)
http://www.fukkan.com/fk/VoteDetail?no=18239


前回の記事でも紹介したが、群論についてとりあえずどのようなものか知りたいという方には「らいおんの家」というサイトに置かれた「群論入門」をおすすめする。

群論入門(らいおんの家)
http://www.nurs.or.jp/~lionfan/ironna_05.html

群論入門(新数学シリーズ 7):稲葉栄次


目次

第1章:具体的な群
- 数とベクトルの演算
- 平行移動と回転の演算
- 置換の演算
- 演算の法則
- 数の群と有限回転群
- 対称群と交代群
- 演習問題I

第2章:抽象群
- 抽象群
- 単位元と逆元
- 多くの元の積
- 巡回群と群の生成元
- 演習問題II

第3章:部分群
- 部分群
- 和集合と類別
- 剰余類
- 共役類
- 中心化群
- 共役部分群と正規部分群
- 演習問題III

第4章:群の同形と準同形
- 一対一の対応
- 群の同形
- 因子群
- 準同形
- 一次変換群
- 演習問題IV

問題の解答


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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
しまった (アルキメデス)
2015-09-30 06:57:30
私も名前は知ってました

昔の本だとばかにしてはいけませんね

でもどうして時代を超越してわかり易い本書けたのか

興味あります

群論は

岩波全書の群論
注文しました

コンパクトなので職場に持って行って朝の読書タイムとかに読もうと思います

実は大学のときのテキストこれでした

私の大学数学最大のトラウマは群論です
一冊群論読了するまで 私の戦後はこないかも
返信する

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