パスタ

2021-07-25 15:00:00 | エッセイ
昨夜、パスタのアレンジ対決が
テレビで放送されていた。
美味しそうなパスタを見ていると
遠い昔、祖母とパスタ屋さんに
行っていた頃を思い出した。

田舎町にあるパスタ屋さんで
祖母のところに遊びに行っては
お昼に連れて行ってもらった。

私は、ミートソースやペペロンチーノなど
オーソドックスなものを
頼んでいたのに対して
祖母は、イカ墨パスタを頼んでいた。
ばあちゃん、洒落とるね
なんて笑ったものだった。

それから、しばらくして
私は一人暮らしを始めた。
街を散策していると、いい香りに
誘われてパスタ屋さんに入った。

けれど、みんなフォークとスプーンで
上品に食べられるのを見て
なんだか恥ずかしくなって
パスタ屋さんに行くことは
なくなってしまった。

それから、時が経ち
夫と出会って何度目かのデートで
夕食はパスタにしようか
という話になった。

恐る恐る…
私ね、上手に食べれないから
恥ずかしい
と言うと

夫は、笑いながら
楽しく食べればいいんだよと
言った。
気になるなら、お箸のある
パスタ屋さんにするかい?と…

夕食、パスタ屋さんに入ると
夫は豪快に食べてみせた。
肩の力がスッと抜けて
私も楽しく食べることができた。

その時も、私はオーソドックスな
ミートソースを頼んだ。
それに対して
夫は何かとても変わったのを
頼んでいた。

洒落とるね
なんて思ったものだった。





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紙風船

2021-01-20 15:48:00 | エッセイ
若い人の間で、昭和ポップスブームが
起きているという。
なるほど、そういう私は
若い頃フォークを聴いていた。

ザ・フォーク・クルセダース
赤い鳥

きっかけは、姉の影響でいろんな歌を
聴いた。


最近、ずいぶん前に買って貰った
名詩を集めた2冊の詩集を
読み返していた。

1ページ目には、黒田三郎さんの
僕はまるでちがって
という詩が綴られていた。

改めて読み返すと
こちらまで何かウキウキしてしまう
心が心地よかった。

もう1冊の詩集を開いてみると
こちらにも黒田三郎さんの詩
紙風船
があった。

びっくりした。
それは、若い頃口ずさんでいた
赤い鳥の紙風船
その歌詞だったのだから…

跳ねる心が、また心地よかった。
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切符

2020-11-05 21:56:00 | エッセイ
学生の頃、青春18きっぷで
よく旅をしていた。

九州の旅もした。

日田彦山線に、夜明けという名の
駅があって、その名に惹かれて
旅に出た。

長閑な駅に降り立ち
記念に切符を買って帰った。

帰ると、クラスメイトが
「もう駄目なのよ」と何度も
ため息をついていた。
何が駄目なのか
分からなかったので
夜明けの切符を渡した。

クラスメイトは、ありがとうと
笑みを浮かべた。


あれから、十数年
体調を崩した私は
夢を諦めこちらで
夫の自営業の手伝いをしながら
暮らしている。

なんとか、続けている
私たちにお客さんが
「いつも助かっています」
と言ってくれることがある。
とても嬉しい。ありがたい。

夜の路地、空を見ながら
作業着のジャンパーに手を入れる。

ポケットには
まだ、青春のきっぷが入っている。

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シール

2020-05-14 18:43:00 | エッセイ
思いもよらず
人からシールを貼られることがある。

まるで、商品のラベルのように…

それが、良いことが書いてあれば
日々が楽しいのだろうけど…

ある日、たくさんのシールに
気がついて悲しくなった。

だから、もっと自分を大切にしようと
思った。

シールを剥がして
スポンジでキュッキュッ

私の軸は、小鳥と猫で出来ているから
新しいシールに
小鳥と猫の絵を描いた。

文字は、クセのある字で
小鳥と猫と詩がすき…

こうして、時々
ケアも必要ね

肩に背中に頭に
腰に指に心に…

ありがとう、お疲れ様…



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好き

2019-06-19 14:20:00 | エッセイ
あなたの声が
 
聴こえると…
 
 
 
窓を開けるのが
 
好きな
 
すみちゃんですが
 
 
ある朝から
 
決まった鳥の声が
 
聴こえると
 
 
大声で
 
「ピーヨ」
 
と自己主張するように
 
なりました。
 
 
最初は
 
寂しいのかな?
 
と思っていましたが
 
 
すみちゃんの
 
ソワソワ
 
ウキウキ
 
してる様子を見ると
 
 
鳥さんのことが
 
好きなのかな?
 
と思うように
 
なりました。
 
 
恋なのかは
 
分かりませんが…
 
 
鳥かご生活の
 
すみちゃんが
 
イキイキしてるのが
 
眩しいです。
 
 
好きって
 
いいね
 
 
すみちゃん
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