金継ぎの器
割れたり欠けたりの跡が
美しい
こころだって
そうでありたい
この割れたところも
欠けた跡も
責めるより
抱きしめて
たったひとつの
こころに
金の模様を
巡らせて
棘を隠して生きる日々に
疲れたわ
そっと俯き笑うと
そこにはもう
春の兆し
この棘もいつかは
おひさまに愛されて
薔薇になる
頑張れば頑張るほど
鋭く
内に向かう棘
そんな時は
無理におひさまを探すより
ただ温もりを
感じていたい
愛されている
愛されている
そう気づいたとき
隠すより
香っていたい
薔薇になる
公園のベンチに
石ころと
木の枝が並べられている
誰の宝物かな…
見渡すと
風が吹いている
梅の蕾も
膨らんで
今にも咲きそう
宝物は
日々の中に
温もりの中に…