お礼の電話

小さな子供に微笑んだら
睨まれて

へこみぎみの私の携帯に電話が鳴った

最近また調子を取り戻したよ
ありがとう

へこんだところをトンカチで
ポンと押し上げた気持ちになった

丸いたまご石

丸いたまご石が二つ
ヒソヒソと話していた

どっちか売れたら寂しいね
うん、寂しいね

でもあなたは３００円だから
先に売れるよ
僕は５００円だから

僕ら本当に…
息を詰まらせて泣きだした

だから二つ買うことにした

まさか売れるとは
店主の声が聴こえた

フリーマーケットは賑やかだな
あちこちで話し声が聴こえる

爽やかな風

小学校の友達と電話した
相変わらずの明るい声だった

小学校からの付き合いはもうあなただけよ
わたしもそうだよ

お互い笑いが止まらなかった

わたしは一生同窓会というものに行かないから
あなたといると唯一小学生に戻る

きっと途切れた友達も
何か事情があったのだろうな

そう思えるような
爽やかな風が吹いてきた

電話してくれてありがとう
ううん、こちらこそありがとう

電話越しに大きく手をふった

優しき日々

病気になると友達ではなくなるのかな
わたしはただの飾りだったのかな
メリットが無くなったのかな

ずっと友達だよ

ただ虚しく言葉だけが浮かんだ

きっとわたしも傷つけていたの
きっと縁がなくなったの

だから友達の幸せを願いながら
通り過ぎることにした

するとパッと明かりがついた

びっくりして見渡すと

深い青の人々の周りで
優しき日々を歌う自分がいた



今日はその青さに涙がでます
ありがとうございます

清々しく

昨日は心にまで雨が降っていたけれど
今日は晴れ

まだ生乾きの心を干そう

少しの栄光にしがみつくのはやめて
今の生活を満喫しよう

飾りつけた
プライドを研いで落として

どんな過去より清々しく生きてみよう