玄関先に
野花が咲いた。
ちいさな
ちいさな
可愛い花で
ときめく心は
子どものまま。
大人になって
無くしたものは
たくさん
たくさん
あるけれど
野花を見てると
思い出す
ときめく心は
子どものまま。
夜、窓辺から
虫の音がしたので
今日は、秋色の服を出しました。
今、陰干しして
揺れてます。
ホッとひと息つてます。
お洒落な方では
ないですが
好きに囲まれていたいのです。
今、ゆらゆら
揺れてます。
ホッと微笑み
浮かべます。
ちょっと散歩に行くときも
くるくるっと
髪をまとめる。
日焼け止めよ、なんて
ちょっと
おめかしする。
今日は、調子がいいな
と思う。
ちょっと、外に出ると
花に目が行く。
話しかけたりもする。
あなた、きれいねぇ
と言うと
ありがとう
なんて、聞こえる。
今日は、幸せだな
と思う。
もしも
未来のわたしが
しわの増えた顔を
カップに映して
魔法みたいに
今に微笑みかけていたら
そのとなりに
花があるといいな…
もしも
未来のわたしが
しわの増えた手で
鍵盤に触れて
魔法みたいに
今に微笑みかけていたら
きれいな音色をしてるといいな…
もしも
もしも
未来のどこかの
わたしのとなりに
なにも
なんにもなくて
魔法すらも忘れかけていたら
きれいな花束
贈ってあげよう…
わたしが種だった頃
まだ見ぬ世界を夢みてた
こちらに根っこを張ってから
花咲くことを夢にみる
ちいさな路地の花々よ
この世界の隅々で
夢を語ろう