雪

バスの中は雨だった

駅のホームで霙に変わり

この街に降り立つと雪になった


雪が降ると思い出す

二人暮らし始めた日を

あの日も雪が降っていた


挫折続きの私に

挫折は悪いことではない

人を成長させるものと

言ってくれた古里を今朝後にした


改札を抜けてあなたの顔を見つけたら

また雪が降り出した

つぼみ

梅の木に小さなつぼみがついていた

今年が終わって

来年咲く花は

今から準備をしている

こんなに寒いのに

つぼみ

だんだん大きくなり

春の日差しのなかで開くときがくるように


そっと手をあてた

穏やかな雨

ありがとう
そうずっと言いたかった

今まで挫折ばかりの人生で
詩を書くことが日々の励み

今まで生きてきたなかで
こんなにたくさんの人に

感謝の気持ちを持ったことはない

否定という
コミュニケーションしか知らなかった私に

肯定を教えてくれた


ありがとう
そうずっと言いたかった

今日は穏やかな雨が降っている

玄関の木

枯れてしまった玄関の小さな木

今年の夏に初めて買った

甘い香りのする小さな花

小さな命すらもまともに育てられないと

落ち込んでいたけれど

今日むき出しの枝の先に

たくさんの緑が顔を出していた

玄関先でうれしくなって

雨の中眺めていた

一足早いサンタクロースのプレゼント

穏やかな雨の一日だった

修正

私のなかの悪が出てきたら
ひとしきりあなたに話す

指摘しないで聞いてくれるから
また反省する

人のことをかってに悪く思う癖
私のなかの嫌な部分

自分が嫌いになる前に
深呼吸して

どこが歪んでいるのか探してみる

そして分かったら修正する
単純な作業の繰り返し

それでもこの感情が私の一部だから
作業をすることに意味がある