秋の日差しに
膨らむ
影を知って
そっと
微笑む
小さなほとり
まだ
まだだよ
これから
スタートライン
その青に
憧れて
木陰を
好きになって
いつでも
心に
花を飾ろう
(露草)
白髪の光る
朝の鏡に
目尻のシワに
似合う
花を飾ろう
(シソの花)
花を飾ろう
心に飾ろう
ふと
風が吹く夜も
ちょっと
跳ねる日も…
朝、歩道に
露草が咲いていた。
秋の空と
よく似た青だった。
今日はピアノのレッスン。
課題曲は
ベートーヴェンの
さらばピアノよ
個人的には
悲愴の第ニ楽章に
雰囲気が似ていると
思った。
穏やかな秋の朝。
体調を崩す前は
背伸びして
この曲を
練習していた。
もう、ベートーヴェンを
弾くことは
無いだろうと
思っていたけど
こうして
また、触れられて
幸せに思う。
秋の方角を
向き始めた花たち。
空の装いが
一雨ごとに変わる。
私ったら
いつの間にか
遊び心を忘れていた。
こんな
抜け道もあるよ
佇む花が清々しい。
そして
時には休む時間も
大切と…
ここに来るまでの
大きな遠まわり
こころの
コンパスの向く方へ
時は
止まったように
見えて
ゆっくりと
進んでいたのかな…
無駄なことなど
何ひとつ
ないのだと…
いくつになっても
気づきの
旅人で
いたいな…
たとえば
お婆さんになっても
人から
花から
キッチンから…
クスっと
笑うような
気づきや
ため息の
気づきを
旅して
旅して…
まだ
気づかないこと
ばかり