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「成年後見の信頼揺るがす」…弁護士に懲役5年

2013年10月30日 | 成年後見

2013年10月30日18時25分 読売新聞

 成年後見人として管理していた女性の預金4244万円を着服したとして、業務上横領罪に問われた東京弁護士会元副会長の弁護士・松原厚被告(76)に対し、東京地裁は30日、懲役5年(求刑・懲役7年)の判決を言い渡した。

 井下田英樹裁判長は「犯行の発覚を防ぐため、家裁に虚偽報告をするなど、成年後見制度そのものの信頼を揺るがした」と被告を非難した。

 判決は、千葉家裁から2007年に精神障害のある女性の後見人に選任された松原被告が、2年半の間に8回にわたり、女性の定期預金を解約して自分の口座に移し、不動産投資の失敗で抱えた借金の返済や事務所経費に流用したと認定。「被害女性の将来の生活費などが大幅に減少する結果になったが、被害弁償は今後も期待できず、被告の刑事責任は重い」とした。

 傍聴に訪れた被害女性の親戚にあたる男性(46)は判決後、「弁護士に対する信頼を裏切った犯罪で、実刑判決は当然。ただ、弁償の見込みはなく、やりきれない気持ちもある」と釈然としない様子で話した。