市民後見人 養成急げ=秋田
認知症や知的障害などで判断能力が十分でない人に代わって預貯金や不動産の管理、契約行為などを行う成年後見制度。2000年の開始時は親族が担うのが一般的だったが、核家族化と高齢化で、弁護士や司法書士など専門家が担うケースが増えている。ただ、今後、専門家の不足も懸念されることから、県内では、横手市と湯沢市が「市民後見人」を養成しているが、法律知識が備わっていないため、後見できる対象者が限られるなど課題もある。
横手市駅前町の市交流センター「わいわいぷらざ」。9日、ここで開かれた市民後見人の養成講座には約20人が参加した。講師の司法書士、藪本孝一さん(39)が成年後見の申し立て書類の書き方や財産調査の仕方を説明すると、受講者は熱心にメモ。同市上内町で福祉協力員を務める小松詳恵さん(73)は「町内にも一人暮らしの高齢者がいる。自分にできることがあればと参加した」と話した。
秋田家裁によると、県内の昨年の成年後見の申し立て件数は149件で、このうち親族以外の第三者が後見人を務めたのは54件で全体の36%だった。年によって変動はあるものの、08年が113件のうち17件で15%だったのに比べると、大幅に増加した。
県内の高齢化率は年々上昇、一人暮らしの高齢者世帯も増えており、30年には、高齢化率が全国で唯一40%を上回るとの試算もある。藪本さんは「“後見爆発”になれば専門家だけでは足りない」と話す。
厚生労働省は11年度、市民後見人を増やそうと、養成モデル事業を全国の20以上の自治体で開始。県内では、横手市と湯沢市が参加し、昨年度、横手市で6人、湯沢市で19人が養成講座を修了して市民後見人の候補者となった。しかし、これまでに家庭裁判所から市に推薦の依頼がなく、実際の活動例はまだないという。藪本さんは「自治体がバックアップ態勢を整え、市民後見人の信用度を上げることが重要」と指摘する。
専門的な法律の知識や経験を持ち合わせていないことも市民後見人の弱点。後見できる対象が遺産相続で紛争になる可能性の低い人に限られ、両市の担当者は「マッチングできる相手が少ない」と頭を悩ます。「制度自体の認知度が低い」のも広がりを欠く一因だ。
横手市では今年度、20人が講座を受講しているが、湯沢市では希望者が少なく、開講できなかった。湯沢市の担当者は「単独の自治体で養成やサポートをするのは難しい」と話し、今後、両市で連携できる部分がないか検討する方針だ。
公正証書遺言を作るのに必要なものは、
1)あなたの印鑑証明書(3か月以内に発行されたもの)
2)あなたの実印
3)相続人及び遺贈先の身分を証するもの
4)不動産があるときは不動産の権利書または登記簿謄本および固定資産税評価証明書
5)公証役場に同行してくれる証人の住民票
遺贈とは、遺言書によりご自身の意思で、相続人以外の個人や法人に財産を譲渡することをいいます。遺贈には包括遺贈と特定遺贈の二つがあります。
包括遺贈は、遺産を配分する割合を決めて財産を寄付するもの。割合ですから、遺言書を書いた時点から時間が経過し、遺産の財産構成が変化しても対応が可能です。
特定遺贈とは、遺産のうち特定の財産(たとえば特定することができる預貯金など)を定めて、遺贈する方法です。財産が明確なので、遺言も執行されやすいのが特徴。半面遺言書の作成から相続までが長期になると、遺贈する財産を処分してしまうケースがあります。その場合、遺言は無効になります。遺贈する財産の構成が変化した場合には、遺言書を書き換える必要があります。
争続が親族関係を崩壊してしまうケースが多くあります。争いを避けるためにも、遺贈という方法を考えてはいかがでしょうか。遺贈する団体によりますが、相続税はかかりません。
公正証書遺言作成の手順
1)公証人役場に行く前に自分が望むことを、ノートに整理しておく
2)公証役場では無料で事前相談が受けられます
3)当日二人以上の証人と公証役場に出向きます。病気等で出向くのが困難な場合には
公証人が出張することもあります。二人の証人の手配ができない場合には、公証役場で
手配してもらうことができます。
4)証人立会いの下、あなたの遺言内容について公証人に話します。
5)公証人があなたのお話を聞き取り、遺言書を作成します。
6)公証人が作成した遺言を読み聞かせ、または閲覧させてくれます。
7)その筆記内容が正しければ、あなたと証人で署名押印します。
8)最後に公証人が署名押印します。
9)遺言原本を公証役場、正本は遺言執行者、謄本はあなたが保管します。