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「5月4日は朝5時起き、摩耶山に登って、プチ全山縦走で六甲山最高峰まで歩いて、有馬温泉に行くぞ!」
と、思っていたのですが、昨日、昼間、寝すぎたようです。
午後10時には床につきましたが、なかなか寝付けません。
日付が変わったころに、どうにか眠りについて、喉の乾きで目覚めたのが午前2時過ぎ。5時起きは無理だなとあきらめ、アラームは解除し、朝の10時近くまで、寝たり目覚めたりを繰り返しました。
そのおかげで、久しぶりに楽しい夢を見ました。
最近見る夢のなかでは、私は、すでに亡くなった亡母も含めて、家族全員、ある街に移転しているようです。
今日の夢では、そんな私の家に、高校時代のクラスメートのTさん、もうひとりのTさん、Hさんの三人が訪ねてくれました。
クライアントの主催する手づくりアートのフェスティバルがあり、彼女たちに協力を要請したようでした。夢の中なのでなんでもありですね。
高校二年でクラスメートになったTさんは、私との交流を「ママ」に禁じられたそうです。私は高校入学と同時に、いわゆる「過激派」に属したアウトローでしたから、保護者のみなさんが警戒するのは当然のことですね。
しかし、Tさんは、「あなたの考えも知りたい」といって、いろいろ質問攻めにあったものです。
私のはなしは、なかなかわかってもらえませんでした。しかしそれも当然のことでした。マルクス・レーニン主義党派の某派に合流したとはいえ、私自身はもともとアナキストです。自分自身、マルクス主義やレーニン主義の理論や思想、党の路線や方針に納得していないのに、他人にうまく説明できるわけがないのです。
「その本、なに?」
Tさんは、私がそのときたまたま読んでいた本を指差しました。岩波新書のF.パッペンハイム『近代人の疎外』でした。
「この本、借して!」
と、読みかけの岩波新書を、彼女は持っていきました。
彼女があの本を返してくれたのは、一か月ほど経ったころでしょうか。
「よくわからなかったから、黒くんが線を引いているところだけ読んだ。黒くんは、あのセクトの人たちとは別もんなんだろうなーと思ったよ。ねえ、なんであの人たちと一緒にいるの?」
私は苦笑するしかありませんでした。私がその夏書いた論文「中曽根戦後政治総決路線爆砕! 臨教審に対する革命的高校生運動の使命と任務」は、この彼女の問いへのささやかな回答でした。「革命的高校生運動」は今や「革命的労働者運」になり、やがて「革命的年金生活者運動」になりそうですが、いまもあの当時の路線のまま生きている感じです。彼女が返してくれた本には、ファンシーペーパーで、オリジナルのブックカバーが付けられていました。
セクトの極左空論主義的な武装闘争路線が激しくなるに連れ、Tさんともクラスメートとも距離ができましたが、Tさんは、私を何かと気にかけてくれたものです。私が某闘争で負傷したとき、救急箱を持ってきて、ガーゼと包帯を交換してくれたものでした。
もうひとりのTさんとHさんが夢に出てきたのもうれしかったですね。
ふたりは親友でした。私はふたりとも今も大好きです。どちらとも選びきれませんでした。第一、死も長期投獄も辞さない人生を選んだ私には、恋愛はご法度でした。修学旅行の夜、クラスメートの男子連中には、冷やかされたり唆されたりしましたが、結局、ふたりとも、告白しないままで終わりました。私は、ふたりが仲良くしているところを見ているだけで幸せだったのです。
しかし、「思ひつつ寝ればや人の見えつらむ 夢と知りせば覚めざらましを」です。愛娘のれんちゃんも気になっているらしい、あの人がなぜ夢に出てこないのが不思議でした。
今日はじめて出てきました。
夢の途中で、Tさん、もうひとりのTさん、Hさんの三人だったのが、Tさんと元カノさんが入れ替わっていました。
私の依頼を受けた、元カノさんはスタッフの誰かとスマホで通話を始めました。名乗ったのは、聞いたことのない姓。
「ショック?」
彼女は私を見ながらそう言いました。
「うん」
と、私も素直にうなずきました。しかし、そんなことより、彼女と昔のように普通に会話していることが、大切に思えました。
さあ、どんなイベントにしようか。彼女は仕事上のパートナーでもありました。久しぶりに彼女と一緒に仕事ができることに、私の胸は高鳴っています。
そこで目が覚めましたが、私はまだ夢うつつです。今日は日比谷図書館と世田谷図書館をハシゴして、旭屋書店と紀伊國屋書店に寄って、夕飯のメニューは、などと考えているうちに、彼女とはとっくに別れていて、ここは大阪であることに続きました。
Tさん、もうひとりのTさん、Hさん、そして彼女に幸いあらんことを。
今日は摩耶山頂まで行きました!
れんちゃん、掬星台のキッチンカー、どれもおいしそうだったね!