お知らせが遅くなりましたが、わが家のれんは、きょう、スウェーデンにショートステイに旅立ちました。
行く先は、スウェーデンから来たオルガさんガンヒルトさん姉妹のお家です。留学生との交流ボランティア活動に取り組む、幼なじみの夏目かこさんを通じて親しくなったようです。
スウェーデンはいじめ対策の先進国として知られます。オルガ・ガンヒルト姉妹のご両親は学校行政関係者としてそのスペシャリストなのです。生きづらさを抱えた人たちを支える団体の設立をめざすれんにとって、学校の交換留学生の夏休みショートスティ企画は渡りに船でした。
プロレタリア国際主義を唱えながら、その実態はジャパニーズ・オンリーの極左国粋主義社の父親とは異なり、れんは英語も得意で、フランス語の翻訳にも挑戦しました。
このおやこ共訳を読み返すと、れんの訳のほうが父親の訳よりはるかにいいし、大好きです。
しかし、れんは父親の訳も好きなのだとか。
葬儀に際して、私はそのお寺に奉納された画伯の絵の前でぼそぼそ詠唱するだけで帰るつもりでしたが、堀口大學さんゆかりのお寺のご住職のご厚意で、みなさんの前で詠唱することになってしまいました。
私は岡田画伯に出会うまで、歌舞伎にも文楽にも、古典芸能には全く縁もゆかりも興味もありませんでした。しかしれんは私の詠唱を聴いて、鼓や三味線の伴奏が鳴り出し、荒れ狂う鬼のすがたが見えたというのです。
「われをからしむつむじかぜ(イヨー! ポン!) さかまきゆけばちりにける(イヨー! ポン!) ひろうものなきかれはぞわれは(イヨー! ポン! イヨー! ポン! ベンベベベン)」
私の詠唱を聴いていたある方は、「お父さん、すごくいい声。舞台俳優さん?」とれんに尋ねてたのだとか。東京で音響の仕事をしていたころ、一緒に仕事をしていた、今は大御所クラスの声優さんたちに、同じことをいわれたものです。
「いいえ、会社員です。応援団だったんです」
と、れんは父親に教えられたとおりに、しれっと答えていました。
『ムーミン』のトーベ・ヤンソンの『不思議の国のアリス』は、わが家のれんのソウル絵本です。
夏目かこちゃんとの絵本談義でお話したように、まだ日本語版が出るまえでした。「読んで!」と迫る幼いれんに、インチキスウェーデン語で読み聞かせたものでしたが、彼女はぐーたらな父親とは異なり、かんたんな日常会話はできる程度にはスウェーデン語も勉強しているようです。この優秀さ、まさに、「とんびがたかを生む」でした。
「文学少女 五十鈴れんの冒険」夏目かこ編は、このブログでもお気に入りのエントリのひとつです。お時間があったらごらんください。
今日は朝かられんを見送りに朝から出かけていきました。さすがに2日連続全日有休使用は顰蹙を買うので、今日は午前休でしたけれどね!
れんが出かけてしまって、いまは家もがらーんとしています。
れんが気にかけているのは、ショートスティ中の摩耶山の山猫「マヤー」と、地元の再開発エリアの空き地に咲く「あさがお」のことです。
このあさがおは、おととしの10月26日、偶然見つけました。なんと、12月1日まで咲いていたんですよ。
再開発の空き地に、だれかがたねをまいたのでしょうか。
去年、あさがおが咲き出したのは、8月の終わりでした。
8月1日のれんのショートスティ出発に間に合わないだろうとあきらめていたのですが、7月25日に花を咲かせてくれました。
最近ご無沙汰の地域猫のくろちゃんも、7月19日には姿を見せ、れんが大好きな昼顔も、草刈りに負けず7月26日まで花を咲かせ続けました。摩耶山の山猫のマヤーには、7月31日には会えなかったものの、26日には会えました。
れんが愛してやまなかった友だちたちが、別れを惜しむように集ってくれたようで、うれしかったです。
もちろん「別れ」といっても、一時的なこと。
彼女はすぐ日本に返ってきて、大好きな読者のみなさんのためにこのブログに登場してくれるはずですが、将来の夢に向けた彼女のスケジュールは、なかなかハードです。
当面、あさがおの観察日記については、五十鈴家の三女、「かれん」が配信していきます。
将来は「さんぞく」になるのが夢で、父親の故郷の新潟弁丸出しの、一人称「おれ」のやんちゃな女の子です。でも、やさしくおだやかで女の子らしい長女の「れん」や二女の「えれん」もあこがれの対象のようで、お誕生日のプレゼントは、プリキュアのうでどけいでした。
私も、姉のれんやえれんたちも、そんなかれんがかわいくて仕方ありません。妹の「をれん」が来てからは、「おねえちゃん」としてがんばっています。
さて、今年のあさがおは、いつまで咲き続けるでしょうか?
三女のかれんのあさがお日誌、どうぞお楽しみに!