
これは興味深い研究結果である。一般的に「肉類は控えめに」という健康意識が浸透しているが、日本人女性に限って言えば、むしろ適度に摂取することが健康リスクを下げる可能性が示唆されている。特に脳血管疾患の死亡リスクが低下するというのは注目に値する。
この背景には、日本人女性の肉類摂取量がもともと少ない傾向があることが関係していると考えられる。肉類は良質なタンパク質や鉄、ビタミンB群を豊富に含むため、極端に不足すると筋肉量の減少や貧血のリスクが高まる。特に加齢とともにサルコペニア(筋肉量減少)や骨密度の低下が問題になるため、適量の肉類を意識的に摂ることが予防につながるのかもしれない。
一方で、男性では肉類の摂取量が多いほど総死亡リスクが上昇する傾向があったという点も見逃せない。これは過剰な摂取による脂質異常や心血管疾患のリスク増加が影響している可能性がある。つまり、肉類の健康効果は摂取量のバランスに依存し、「多すぎても少なすぎてもよくない」ということだろう。
結局のところ、「何事もバランスが大事」という極めてありきたりな結論に行き着くわけだが、それが科学的データによって改めて裏付けられたという点に意義がある。つまり、健康のために肉を減らすべきかどうかは、性別や食習慣を考慮した上で個別に判断すべきということだ。
ところで、肉の話をしていたら焼肉が食べたくなってきた。バランスを意識しながら適度に楽しむのが健康の秘訣だとすれば、今日の夕飯はちょっと奮発して和牛を…と思ったが、財布のバランスが崩壊しそうなのでやめておくことにする。
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