ZOO/2003年6月出版 10の短編集が入った黒乙一作品。
「カザリとヨーコ」「血液を探せ!」「陽だまりの詩」「SO‐far そ・ふぁー」「冷たい森の白い家」「Closet」「神の言葉」「ZOO」「SEVEN ROOMS」「落ちる飛行機の中で」
今まで、乙一さんの小説は、「失はれる物語」、「暗いところで待ち合わせ」の2冊しか読んだことがなくて、偶然その2つが「白乙一」だったそうなので、初の「黒乙一」にトライ。
読んだ感想は、白乙一でも、結構ズッシリ来てたので、黒なら、どんだけ凄いのやら・・・と、ドキドキしたのですが、結構平気でした☆ 想像した程はグロくなくて、映像化すると凄そうですが、小説として読む分には、視覚的な気持ち悪さを感じなくて良いし、私の頭の中の想像力には限度があるのもあって、楽しめました。でも噂では、黒乙一の中でもZOOはグレーな程度だとかって・・・(やっぱり、もっと凄いのが一杯あるのね・・・)
この小説の中で、最後に含まれている「落ちる飛行機の中で」のp297のある部分で、
「ノストラダムスの大予言が外れた1999年以降に産まれた子供達は、死ぬと言うことを、どう受け止めるのだろうか?絶対に私達とは死生観に違いがあるはずですよ・・。1999年より前に物心のついた私らは、子供のころ、どんなに楽しく過ごしていても、まるでの呪いのように、あの予言がつきまとって、すっと影がさし込んできていたんです。でも、予言の外れた後に物心ついた子供達は違うでしょうね、世界が滅んだり、自分が死んだり、といったことを考える機会なんて・・・
というが、あ~~解るなー!!って印象に残った部分でした。私は心の奥のどこかで、1999年、自分が死んじゃうかもしれないんだ・・・ってことを常にそれまで少しだけ覚悟しながら?生きて来たんですね。その時死んじゃっても後悔しないように、生きよう・・・なんて思ってたんですな。
「カザリとヨーコ」
双子の姉妹。姉は母親から虐待されて、妹は非常に可愛がられ・・・。
(面白かったのだけれど、オチがいつか似た様な内容のドラマ?映画を見たことがあったような・・・。)
「血液を探せ!」
痛みを感じなくなった大金持ちの「わし」。ある日起きたら一面血だらけで、腹に包丁がささっていた
(ちょっとコメディタッチな部分があって、笑っちゃう所がありました)
「陽だまりの詩」
ロボットの私。病原菌に侵され死んでゆく自分の作製者を埋葬する為に作られた。
「SO-far そ・ふぁー」
幼稚園に通う僕。ある日父は母が死んだといい母は父が死んだといい、お互いは見えないらしい。
「冷たい森の白い家」
伯母の家の馬小屋で虐待され暮らしている僕。馬小屋も追い出され、森の中で殺した人を使って家を造ろうとする・・・
(これは、なんか、凄い話しでした!気持ち悪いけど、面白かった)
「Closet」
夫の実家についた日、義理の弟に、昔の事故の話をされ・・・
(いまいちかな・・)
「神の言葉」
母は猫とサボテンを区別出来ない。僕が願えば生物を「言葉」で操ることができる・・・。
(これも面白かった。吠えまくる凶暴犬を黙らせたって部分が爽快だった)
「ZOO」
毎日送られ来る行方不明になった彼女の腐乱していく死体写真。
(タイトル作品)
「SEVEN ROOMS 」
ある部屋に閉じ込められた僕と姉。部屋の真ん中には溝があり異臭のする汚水が流れている。
(これは、インパクトが強かった。気持ち悪いけど、ドキドキハラハラ。アメリカのホラー映画になりそうな内容というか・・)
「落ちる飛行機の中で」
飛行機の中。ハイジャックされあと1時間後東大に墜落する。隣の人に「安楽死」する注射を買わないかともちかけられる
(これも面白かった。途中の隣の人同士のやりとりが、滑稽で可笑しい)
私は図書館で単行本を借りて読んだのですが、文庫本だと2つに分かれて出版されていて、「むかし夕日の公園で」という作品も特別収録されてるようです。
ZOOは、2005年に映画版になったそうなので、そちらも近く見てみたいな、と思います。
見ました「zoo」映画の感想
次は「銃とチョコレート」を読む予定です
なんだか、私事でバタバタしてて…
本読んだり、自分の記事投稿だけはしてたんですが、
なかなか外まで出かけられなくって…
久しぶりに、遊びにきていただいて嬉しかったです♪
乙一さんは…
たしかに、グロイんですけど…
それだけじゃないものがあって、
ちょっとハマっています
次は「銃チョコ」ですか?
あれは、グロくなくて面白かったです。
ちょっと、児童書っぽい…でも乙一さん!って感じでしょうか~~
黒乙一さんの「GOTH」も…
なかなか、面白かったですよ♪
「やられたぁ~」って感じです♪
いやいや、実は、たびたび、チュウさんところは、覗きに行っており、同じ本とか読んでいらっしゃらないかな~などとチェックしておりました☆
最近、チュウさんがお読みになられた本は、未読な本ばかりなので、今後の参考にさせて頂こう~って思っとります♪
で、銃チョコは、グロくないとな?^^ ほっとするやら。でも、ちょっとすごいのも読んでみたいやら・・・GOTHは、すごい系なのかな・・・?今度読んでみます!
TB&コメントありがとうございました。
今、コメントのお返事を書いてからこちらにお邪魔したのですが・・・笑っちゃった。
私もSEVEN ROOMSは、アメリカのB級ホラー映画にピッタリの話だと思って、そう書いたのですよ!!
気持ちの悪い話ですが、面白かったです。なかなかの傑作ですよね♪
これからZOO2も読む予定です。
他に読む本が沢山あるので暫く後になりますが・・・楽しみにしていまぁ~す!
由香さんは、映画も読書も、凄くコンスタントにされていますねー
そうそう!私も、偶然同じ事思ってる~って、(アメリカのホラー映画の処)嬉しくなっちゃいましたよ。
zoo2は、私が読んだ全部まとめて入っている文庫本と違って、もう一つ特別なお話が入っている様です♪
2の感想も楽しみにしていますね
遊びにきて下さってありがとう♪
嬉しいで~す
ノストラダムスのくだりは、私も分かるなぁ~と思いました。
私もノストラダムスの大予言を信じていたので、1999年で人類は滅ぶんだぁ~という恐怖に慄いていたものです。
この話が載っている飛行機のお話は結構面白かったですね。
他にもなかなか楽しめるお話があったのですが、イマイチ感が強かったかも・・・
それにしても乙一さんは発想が奇抜ですね。
今度は白乙一にチャレンジしてみようと思いま~す
うわ~ん!由香さんも、ノストラダムス世代(爆)で、人類が滅ぶ日が・・・って恐怖があったんですねー。
私は由香さんより、ちょっと年上だから、1999年には、まあ青春時代は過ぎているし、まあ・・いいか・・・でも、中年以後に楽しみをとっておくような生き方はしないでおこう・・なんて思いつつ生きて来ちゃったんですよ
確かに、同じ作家さんの書いた作品でも、自分的に、あたり!とハズレってあるんですよね。それで、たまたま手に取った小説が、連続2,3個当たらなかった時って、その作家さんへの興味が萎んだりしちゃうというか。私は、乙一さんは、そういう点で、出だしが好調だったのです(「失はれる物語」、「暗いところで待ち合わせ」が最初の2つだったの)
私は、川上弘美さんが、最初の1,2つ、たまたま手に取った作品が、あんまり自分にしっくり来なくて、本当は凄く良い作家さんみたいなのに、なんとなく足が遠のいてしまっているんです。
由香さんは、息子さんにつきあって、昆虫取りとかに行ったりするのかな・・・
日本語を勉強している韓国の女の子です。
ZOOを読んで、もっと乙一さんの本を読みたいなと思ってネットで探したんですけど。
偶然に訪問しちゃいました。
どきどきしながら読んでいた本だから、
原書も買いたいと思います>_<;;
ミキッシ~ アンニョンハセヨ~、パンガォ~ヨ
コメントどうもありがとう。とても嬉しいです。
コメント、ゴマスミダ。ナ、チンチャ、キッポヨ
コメント残しても良いですかね?なんて、とんでもないです!心配不要です。逆に、凄く嬉しいですよ
mikiさんは、日本語が、凄く上手ですね!
私も韓国語を勉強したことがあります。
でも、少しだけで・・・。ドラマや映画を見て、耳から覚えました。 文字はゆっくりなら読めるけれど、書くことは出来ません
乙一さん、私も好きです。私が特に好きなのは、「暗いところで待ち合わせ」です。 主人公2人の孤独な心理描写と、2人の気持ちが近くなる様子が、とても上手です。
mikiさん、また、いつでも遊びに来て下さい
中学生の乙一ファンなんですねー
なんか嬉しいな~!
「失はれる物語」は、私も乙一作品の中で、特に好きです。
指しか動かなくなってしまった人の話は、本当に怖くて、あんな風に自分がなってしまったらどうしよう!って恐ろしくて非常に印象に残っています・・。
乙一さんのグロい処も好きですが、孤独の描写が大好きです。
最近新作を全然書いてくれないので、何か書いて欲しいですよね。
そういや先日「ホッタラケの島」っていう去年公開されていたアニメ映画の脚本が、実は乙一さんだったと知りました。アイディアとか、なかなか面白かったです。