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「真夜中のたずねびと」恒川光太郎 ネタバレ感想

2021-12-16 | 小説・漫画他

短編集。登場人物がリンクしているお話があります。
面白かったです。3つ★半
この本の中では、最後のお話「真夜中の秘密」が一番印象に残りました。

・ずっと昔、あなたと二人で
震災孤児の少女アキが占い師の老女と暮らす。老女が若い頃、亡くなってしまったリョウコちゃんという娘を岩穴の奥にそのままにしていることを、ずっと気にしていて、アキがリョウコちゃんの亡骸を掘り出しに行くことに。

・母の肖像
河合一馬は咲島秋という人探し請負人から、母の河合美智香が息子を探していると告げられる。一馬が幼い頃、母は育児放棄していた。

・やがて夕暮れが夜に
16歳の弟が起こした殺人事件のせいで、大学受験を目前にしていた少女は突然、一家離散の憂き目に遭う。加害者家族への容赦ないバッシングを避けるため山奥で生活する様になり・・

・さまよえる絵描きが、森へ
ボランティアで一時一緒になって連絡先を教え合ったそれほど親しいわけではない男性から、自分の過去について語られる。
裕福な家の男だったが、自動車事故を起こしてしまい、慌ててひき逃げしてしまう。
その後も罪の意識は消えることなく、残された被害者の母子に何かできることはないだろうか?と考え、母の仕事先で多額のチップを渡したりするのだが・・
(この男って、もしや最初の話にちょっと脇役で登場する芸術作品を作っている男だろうか?)

・真夜中の秘密
電話や電波も届きにくい山奥で、レンタル民家を経営する藤島。ある夜中、物音がして不振に思って見てみると、若い女性客が死体を埋めようとしていた。彼女を自首させようとするが、すったもんだで格闘になり、軽くやったつもりが死んでしまったようで焦る。彼女の東京の住まいに彼女と車を置いて去ろうとしたが、彼女は息を吹き返す。
ほっとして、結局なんだかんだで(成り行き上というか、なんというか・・)死体を埋める良い場所を教えてあげたり、このことは多言しないと約束して別れる。
その後しばらくして、彼の元に彼女から民家をレンタルしたいという連絡が来る。

★以下ネタバレ★
最後のお話は、結局藤島は現在家族を持ち、普通の中年男性になっていて、その不思議な出来事を懐かしく思い出しているというオチになっています。
咲島秋という探偵は、一話目に出てきたアキの成長した姿だそうです。無事に成人し、自活出来ているようで良かった 
以上

真夜中のたずねびと 2020/9/16
恒川光太郎

白昼夢の森の少女
「滅びの園」
「金色機械」
「無貌の神」
「スタープレイヤー」
私はフーイー
「金色の獣、彼方に向かう」
南の子供が夜いくところ
恒川光太郎「夜行の冬」
草祭
「秋の牢獄」「夜市」
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