前作『家日和』は、すっごく面白く読みました。本作とは表紙の写真など雰囲気が似ていますね。こちらの「我が家の問題」も前作同様面白くて、あったかい気持ちになるお話が多かったです。4つ★半~5つ★ 5つ★でも良いかな・・。
1 甘い生活?
家の事や料理をキッチリ手抜き無くやってくれる妻がいるのに、まっすぐ帰宅したくない夫。
帰りに麻雀、喫茶店などに立ち寄って家へ帰る。1人暮らしが長かった分、気楽な一人の時間を持てない現在の生活が息苦しい。手抜きなカップラーメンが食べたい・・。
妻を「思い出作りの人」「アニヴァーサリー女」=記念になることのコレクターと思っている夫。
最後は2人が初めてぶっちゃけた言い合いになる。子供を私立の小学校に入れるか、公立に通わせるか?など、これから2人の意見の相違がどうなることやら・・・
このお話は、夫の気持ちも妻側の気持ちも両方解る部分があったな~。
2 ハズバンド
夫が実は会社で出来ない男という評価をされていたと気がついた妻。お昼休み一人なんじゃないか・・?辛い思いをしてるんじゃないか?等と色々心配し、手作りの考え抜いたお弁当を持たせるのだった。(このお弁当がとっても素敵!がんばり過ぎずに程々でとどめており、かつ美味しそう)
77頁で、スーパーでめぐみは、しょうもない男店員に腹を立てる。しかし途中で、それが夫と重なり、いいんです、いいんです・・・と言うシーンが印象的です。
84頁に >いっそ会社にも通信簿があればと思う 実際あったら日本の夫婦は大変な事になりそうだけど 会社の通信簿があったら・・
これは衝撃だった・・。多分、たいがいの妻は、夫が会社でそれなりにちゃんとやっており、評価されていると思いこんでいるところがあるので・・・。こういう視点のお話は初めて読みました。そうだよなぁ・・こういう人がいても全然おかしくない。それどころか、こういう人は一杯いるんだろうな・・。
3 絵里のエイプリル
今まで全然気がついてなかったけれど、おばあちゃんからの勘違い電話で、両親が離婚を考えているらしいことに気がつく・・・。
東高の男子も、脳天気な弟も、みんなちゃんと大人?で、感心したなあ・・・。
4 夫とUFO
夫がUFOと交信出来ると、ある日妻にうち明けた。
これはユニークなお話だった。映像化したら、可笑しさと、微笑ましさとがミックスした、良い話になりそう。
奥さんが最後、とんでもないファッションで、コピー星人である!と、旦那の前に登場するシーンは、あっけにとられたな。でもこの夫婦、とっても良い夫婦だなぁ。絶対この2人なら上手く今後もやっていけるだろうな、って思いました。
5 里帰り
夫の故郷の北海道と、妻の名古屋に結婚後、里帰りするお話。
う~~、これはスゴイ解る!身につまされるというか、共感しまくりの部分があった・・。
本当はハワイ旅行に行きたい夫婦だけれど、それぞれの両親や親戚の処に顔を出さなければ・・という気持ち・・・。妻のお母さんが、跡継ぎ(男子)を産めなかった事で、自分の子供は自由にさせたい・・・と常々思っていたから、家に寄らなくても良いよ、って娘に言った事など、ジーンと来ました。両方のご家族がとても良い人たちだったので、本当に微笑ましく読めました。北海道って、日本の全国的な視点から見ると、親戚づきあいがアッサリしていて、割り勘でご祝儀無しで、自由な感じなんですね。私はこれが平均って風に育って来ているので、そうじゃない地方の人と親戚になったら、ちょっと窮屈に感じてしまうかも・・・。
6 妻とマラソン
最後の話「妻とマラソン」は、なんか泣けましたわ・・・。
『家日和』の「妻と玄米ご飯」と同じ家庭が舞台なのかな?
奥田さんの実生活とリンクする処があるのかな?
夫が数年前に、有名作家になってしまった奥さんの立ち位置や、気持ちなど、凄く興味深く読みました。友達夫婦だったからこそ、夫が成功者?になり、自分は取り残された様な気持ちになり・・って処とか、今までつき合って来たご近所や友達との関係が、疎遠になってしまい、実は一人ぼっち・・という処とか・・・。
そんな妻がボランティアやロハス活動などを経て、現在マラソンにハマっている・・。
それを応援する夫と息子達。最後のシーンはほろっとしました。
また、この夫婦のその後の3作目を読みたいな・・。
奥田 英朗/ 2011-07-05
無理
オリンピックの身代金
ララピポ
家日和
「サウス・バウンド
それぞれの夫婦の形がありましたね~。
どれもほんわかとしていて良かったです^^
絵里のエイプリルは悲しかったですけど、下に見ていた弟が意外とちゃんとしているところとか、私が言うのも変ですけど、子どもってちゃんと成長してるんだなって思いました^^
「妻とマラソン」が1番好きでした。
奥さんの寂しさも何となく分かりますし、息子たちも可愛かったです^^
最後はうるっとしました。
なので期待大
早く読みたいです
奥田さんって、確か独身ですよね?
なのに、こんなに夫婦のことをリアルにかけるなんて、さすがです!
早く次が読みたいです。
こんにちは、苗坊さん
絵里のエイプリル・・。私の学生時代の友人や、偶然にも私の娘の友人は、離婚されているお家の子が多いんですよ・・・。
みんな、色々な思いをしているんでしょうね・・・。
「妻とマラソン」、これをラストに持って来たのが、とても良かったですよね。
私も一番好きで、一番うるっと来ました。
「家日和」も面白かったですよねー。
でも、こちらの方が、もしかしたら、2作目なのにもかかわらず、1作目よりも上回っている様な気がします。
こにさんの感想、楽しみにしていますね。
えっ!!奥田さんって独身なんですか?
知らなかった・・・。てっきり、「妻とマラソン」の様なご家族だと思いこんでいました。
文系大学を卒業された営業の仕事をされている会社員と、専業主婦の妻っていう組み合わせが多いですよね。我が家と違うのですが、とても興味深く読ませてもらっています。
どのお話も面白くて、心温まる優しい読み心地でした。大満足♪
やっぱり、奥田さんって独身なんですね。
なんかどっかで読んだか聞いたような気がしてたんですが…
「妻とマラソン」みたいな家族って思っちゃいますよね。すごいリアルやし…なんだかんだ素敵な家族でいいなあって思ってたんですが、なんかちょっと残念??
また続き読みたいです。
私もこの小説が大好きです。
少々気が早いですが、今年の読んだ本のベスト10に入れるの確定なんです。
奥田さんの実生活、興味沸いて来ちゃいますよねー。だってすごいリアルなんだもの。
こういうお話、実体験じゃないなら、どこから仕入れて来ているんでしょうね。
これね、latifaさんが★5つだったから、図書館でリクエストして読んだよ~。
半年くらい待ったけど、読んでよかった~、すんごい面白かった!
私も今年のベストに絶対入れたいわ~。
奥田さんの本って面白いし、好きなんだけど今までなかなか読む機会がなくて。。
『家日和』が似たような感じで、面白いのね? 読んでみようっと♪
「ハズバンド」の奥さんのお弁当には、身につまされたわ~。
私も今月から、朝5時起きでお弁当作り始まったから。
もう、私が息子にしてやれることはそれだけだからね~。がんばる☆
で、↑のコメントでビックリ、奥田さんって独身なん?!
ええ~、私が行こうか、子連れで(爆)。
わーい!!真紅さんも、これ面白かったのね~良かったー!!
家日和も凄く面白いので、是非!
ところで、なんですと??
朝5時起きで弁当作り・・・
うぬ~~。
となると、息子さんは朝6時か、6時半には家を出るって事かな・・・。
私の友達にも、やっぱりそのくらいの時間に起きてがんばってる人が結構いるのよ・・・。
夜は早く眠たくなっちゃうよね?
そーなんだよ。奥田さんって独身らしいよ。
やっぱり作家さんって、すごいよねー。これは実体験を参考に書いたとばっかり思っていたけど、想像だったんだね~。