「PK」「超人」「密使」の3編からなっています。
あとがきに、わざわざご本人から、この3つ全てが震災前に書いていた事が記されていました。
3つとも、少しつながっていて、読み終わった時に、何か感動するとか、ガツンと来るとか、スカッとするとか、そういうのは無いものの、読書中面白く読ませてもらった・・・みたいな小説でした。3つ★半~4つ★
なんか、有名で人気店の懐石料理店のランチみたいな感じ・・。(表現悪くてすいません)
「PK」
それ以前には不調だったのに、最後に神がかり的なプレーを成功させ、結果、PKを決めた男。キックを蹴る前、幼なじみのチームメイトと何を喋ったのだろうか・・?
そして、その試合前に、彼らに起こったらしい色々な噂・・・。
「超人」
これから殺人を犯す人が解ってしまう能力を持った男。彼は、その将来殺人犯になる人間を、事件が起きる前に殺すという事をしている・・。
「密使」
握手した人の、その日の終わり6秒間を盗む「時間スリ」の能力を得た青年。そしてゴキブリ
以前見た映画で、少しの間だけ世界が止まり、その数秒の間にいたずらとか、何かちょっとした事が出来る・・・っていうのを見たことがあったので、既視感があったかも。
でも、伊坂さん、ほんとにゴキブリが嫌いなんだなぁ~と思って、微笑ましかった。
「タイムパラドックス」的な内容は、大好きなので興味深く読めました。映画の「インセプション」漫画・ドラマの「JIN」などにも共通する部分がありますね。
印象に残ったところ。
・アドラーいわく「臆病は伝染する。そして、勇気も伝染する。」
50頁 「戦争はなぜ起こるか」でサラエボでオーストリアの皇太子夫妻が青年に暗殺されたのが、第一次世界大戦の始まりとされているが、実はその前に5人が失敗していた・・
97頁 経済が発展して豊になると、暇が出来て余計な事を考える様になって、結果不幸な事に・・。
何かちょっとした事がきっかけになって、ドミノの様に運命が大きく変わることは怖いです。だからと言って、些細な事で心配しても、結局時間蟻の道の様に、どう横道それたり、遠回りしても、結局、ほぼそうなるであろう人生ルートに行き着く・・のかな?
伊坂さんって、本当に良い人なんだろうなぁ~っていうのが、あとがきや小説から、にじみ出てます^^。
小説内で、他の大勢が助かるなら自分は犠牲になってもしょうがないか・・・って受け入れる処とか、人を助けたい!という優しさみたいのは常にいつも小説から感じられます。
ところで、小説内で、作家の軽い浮気が何度も登場したけど、伊坂さん、ちょっとした浮気しちゃったのが奥さんにバレちゃったのかな
「PK」伊坂幸太郎 / 2012年03月
「バイバイ、ブラックバード」
3652
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「グラスホッパー」「アヒルと鴨のコインロッカ―」「死神の精度」感想
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バタフライ効果興味深い…
浮気はともかく、伊坂作品の女性は印象的ですよね。強いというか、怖いというか(笑)でも魅力的なんですけど。
そうなんですよね、、
私も、もう一押し!が、欲しかったな・・・って、ちょっと思っちゃいました。
有名な才能ある作家さんだと、ついハードルが高くなっちゃいます・・
繋がり系は、伊坂さん、ほんとうにお上手ですよね。
本作も、この本を出すに当たって、過去の作品に少し手を入れて、繋がりを作ったらしいですね。
えっ!そうなんですか?
浮気しないで奥さん一途な人だったら、女性からの好感度はマックスに上がっちゃいます
最後のゴキブリで全てが繋がった時はバンザイでしたけど、「もう一押し!」が欲しかったかなぁ。
それぞれ関係のない人たちが絡まり合って繋がっていく。伊坂さんはそういう人の交わりを書くのが本当にうまいなと思います。
全てが繋がった時はスッキリしました。
伊坂さんのエッセイを読む限り、伊坂さんは浮気なんかしないと思いますけどね…
そこらへんは当事者じゃないとわかりませんが。