ポコアポコヤ

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「漁港の肉子ちゃん」5つ☆ 西加奈子

2012-04-05 | 小説・漫画他

クリムト風の表紙にソソられて、何の予備知識も無く借りて読んだのだけれど、凄く良かったです・・・。5つ☆

先日読んだ西さんの「炎上する君」も、凄く面白く読んだ小説だったけれど、この「漁港の肉子ちゃん」も、とっても楽しく読ませて頂きました。

なんといっても、太ってて、二重顎で、凄くダサくて、でも脳天気で元気で明るく、プラス思考で、腹黒さが無く、愛に溢れる、肉子ちゃん!!
彼女が魅力的なんです。
そして、美少女で小学生の娘のキクりん。大人っぽくて、どっちかっていうとキクりんの方が肉子ちゃんのお母さんみたいな処もあるような・・・(^^ゞ

おおまかに言うと、母子ものな内容なのだけれど、
肉子ちゃんがどういう女性なのか? どんな過去があって、現在どんな風な暮らしぶりなのか?というのが語られるのと同時に、主人公の小学生の少女、キクりんの学校の日々(難しい女子との関係やら、妙な男の子との交流)を丁寧に綴っています。
この女子小学生のグループ問題?は、凄いリアルで、女性が読むと、うわぁ~、こういうのあるよなー。って思います・・。

最初から後半まで一気に楽しくノリ良く読めて、最後の方は雰囲気が変わり、そうか・・・そうだったんだ・・・って、ぐっと来る締めになっています。

☆以下ネタバレ 白文字で書いています☆
後半は、キクりんの産みの母の語りに突然変わります。
美しかったキクりん母が、心おきなく楽しく過ごせて信頼出来る友人が出来ます。それが肉子ちゃんだったんですね。若気の至りで、赤ちゃんを置いて家を出てしまい、肉子ちゃんがそれ以後母になった。
水商売のお店に、新しく入って来た若い時の肉子ちゃん。凄く不細工なのに、知らない内に固定客がついて人気者になっていた、というのもうなずける。
肉子ちゃんは、他人を羨んで意地悪したり、人を値踏みするような目線が無いというのが、人として本当に素敵です!
以上

二重あご、って言葉が何度も文章の最後にぽちっと出て来るのだけれど、その言葉もそうだけれど、全体的に西さんの使う言葉使いの、ゴロの良さいうか、言葉のテンポ?が絶妙なのが楽しいですね^^

最後のあとがきに、この小説の舞台となったのは石巻だった事が語られています。
震災が起こってしまって、色々と想う処が一杯あって、複雑だったようですね・・。

漁港の肉子ちゃん 西加奈子 / 2011年09月

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4 コメント

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積んであります (こに)
2012-04-06 20:18:08
キリコとか通天閣とかに共通するものがありそうな感じ。
楽しみです♪
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こにさん☆ (latifa)
2012-04-07 14:05:45
こんにちは~こにさん
そちらは、桜の先具合はいかがでしょうか~

もうお家にあるんですね!!
こにさんの感想、是非お聞きしたいです。
近く読んで感想アップしてくださいましー

通天閣は未読なんですよ・・・。
キリコもですが、西さんの小説には、女性の外見が、かなり人生に影響がある、という内容がありますよね。西さんご自身は、美人のほうだと思うのですが。
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記事にしました! (こに)
2012-05-08 18:40:48
西さん、ハキハキして、気持ちの良い方だし美人ですよね。
でも、キクりんみたいに、何かしら自分の周囲に壁を作ったり、逃げてたりする少女時代を過ごされたのかしら。
みうのお話が哀しかったです。でも、ちゃんと結婚して幸せになれて良かったですね。
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こにさん☆ (latifa)
2012-05-10 15:25:22
こにさん、こんにちは
さっきから、雷とか急な雨とかで、怖い天気です。そちらは大丈夫かな~

そうなんですよねー。西さんのプライベート、幼少時代など、興味があります。
どんな風な少女時代を送られたのかな?って。
カイロとかイランとか、なかなか普通の人には出来ない環境での暮らしが、今の作品に繋がっているところ、あるのでしょうね。

みうさん、きわだって美しいが故に苦労した部分もありますね・・・。
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