日本書紀 巻第十九 天国排開広庭天皇 五十七
・新羅を罵る
夏六月、
詔して、
「新羅は、
西羌(にしのひな)の
小醜(いやしきくに)である。
天に逆らい、
無状(あじきなし)で、
我が恩義に違い、
我が官家(みやけ)を破り、
我が黎民(おおみたから)に毒害をくわえ、
我が郡県(くにこおり)を
誅(ころ)しほろぼした。
我が
気長足姫尊
(おきながたらしひめのみこと)は、
靈聖(くしひ)、
聡明で、
天の下を周行(しゅうこう)し、
諸庶(もろひと)をいたわり、
労(ねぎら)い、
萬民をやしない育んだ。
新羅が窮(きゅう)する所を見て哀れみ、
新羅王がうたれようとした首を
たすけてやり、
新羅に要害の地を授け、
新羅をこえたる栄えをたかめた。
我が気長足姫尊は、
新羅に何の薄いことがあっただろうか。
我が百姓は、
新羅に何の怨みがあるだろうか。
新羅は、
長戟(ながきほこ)、
強弩(つよきゆみ)で、
任那をせめ、
凌(しの)ぎ、
大きな牙、
鉤爪(かぎづめ)ありて、
含靈(おおみたから)を残虐し、
肝をくり抜き、
あしをきり、
その快(こころよ)いにあきることなく、
骨を曝(さら)し、
屍を焚(た)いて、
その酷さはいうことができない。
任那の族姓(やから)、
百姓以下をも、
刀を窮(きわ)め、
俎(まないた)を極(きわ)め、
既に屍を膾(なます)にした。
どうして、
率士之賓(くぬちのひと)が
王臣(きみやつこ)となって、
人の禾(あわ)を食べ、
人の水を飲みながら、
どうしてこのことを忍び聞いて、
心に悼まないと思うことがあろうか。
況(いわ)んや。
太子、大臣が、
趺蕚(みあなすえ)の親しさにいて、
血に泣き、
怨を銜(ふく)むだけの縁があるのだ。
蕃屏(かくれまがき)の任に当たり、
頂(いただき)を摩(す)り、
踵に至るまでの恩があった。
世と前朝の徳を受けて、
この身は後代の位に当たってきた。
胆を瀝(したた)らせ、
腸を抜き、
共に奸逆を誅殺して、
天地の痛酷(つうこく)をすすぎ、
君父の仇讎(きゅうしゅう)に
報いることができなければ、
死んでも臣子(やっこらまこども)の道に
成らないと恨むだろう」
といいました。
・無状(あじきなし)
=むじょう・礼儀に欠けていること。無礼
・黎民・含靈(おおみたから)
一般人民。庶民。万民
・周行(しゅうこう)
1・あちこちめぐって行くこと2・人々の行く道。大道
・窮する
1・困難にぶつかって、どう処置したらよいかわからなくなる。困りきる
・長戟(ながきほこ)
=長いげき・古代中国の武器のひとつ。両方に枝が出た三叉のほこ
・強弩(つよきゆみ)
=強いど・弓の一種。石弓
・率士之賓(くぬちのひと)
地の果てのひと
・趺蕚(みあなすえ)
子孫・世継ぎ
・蕃屏(かくれまがき)
ここでは大臣のこと
・痛酷(つうこく)
ひどく苦しいこと。くつうであること
・仇讎(きゅうしゅう)
かたき・仇敵
(感想)
(欽明天皇23年)
夏6月、
詔して、
「新羅は、
西の野蛮人の卑しい国だ。
天に逆らい、
無礼で、
我が恩義に違背して、
我が官家(みやけ)を破壊し、
我が人民に毒害をくわえ、
我が郡縣を殺し滅ぼした。
我が祖先の神功皇后は、
霊威があり聖人、
かつ聡明で、
天の下を周り行き、
諸々の民を慰労し、
萬民を養い育んだ。
新羅が困難にぶつかって、
どう処置したらよいか
分からなくなったのを見て、
哀れみ、
新羅王が
処刑されそうになった首を助けてやり、
新羅に要害の地を授け、
新羅の領分を超えた
栄えを高めさせた。
我が祖先の神功皇后は、
新羅の待遇に何か薄いことがあっただろうか。
我が百姓は、
新羅に何の怨みがあっただろうか。
それなのに、
新羅は、
長い桙(ほこ)、
強い弩(ゆみ)で、
任那を攻め、
凌(しの)ぎ、
侵攻し、
大きな牙、
鉤爪(かぎづめ)で、
人民を残虐し、
肝をくり抜き、
足を切り落とし、
その快楽に飽きることなく、
骨を曝(さら)し、
屍を焚(た)いて、
その酷さは言うことができない。
任那の族姓(やから)、
百姓以下をも、
刀で身動き出来なくし、
まないたを極め、
屍を膾(なます)にした。
膾、
料理名だよね。
((((;゚Д゚)))))))
どうして、
地の果ての人が、
王臣となり、
人の禾(あわ)を食べ、
人の水を飲みながら、
どうしてこのことを忍び聞いて、
心に悼まないと思うことがあろうか。
ましてや、
太子、大臣らが、
子孫の親しさにあり、
血に泣き、
怨を含むだけの縁があるのだ。
大臣の任に当たり、
頭頂から、足の先までの恩があった。
現在の世と前の天皇の徳を受けて、
この身は後代の位に当たってきた。
胆を滴らせ、
腸を抜くような苦労をしてでも、
共に奸逆を誅殺して、
天地の痛酷(つうこく)をすすぎ、
君父の仇敵に報復することができなければ、
死んでも臣子の道に成らないと恨むだろう」
といいました。
何故に、
日本とお隣の国は
仲良く出来ないのか?
ずっと、
疑問に思っていましたが…
日本書紀を読んでいくと、
なんとなく
わかるような気がしてきました。
新羅の末裔
大和と菅家の末裔
こりゃ、
根が深い…
しかし、
膾、
((((;゚Д゚)))))))
もう、
話の内容をかき消す。
衝撃。
明日に続きます。
読んで頂き
ありがとうございました。
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