日本書紀 巻第二十九
天命開別天皇 五十五
・鏡姫王・大伴連男吹負の死
・僧尼に安居させる
・雨乞いをする
秋七月四日、
天皇は、
鏡姫王(かがみのおおきみ)の家に幸して、
病を訊ねました。
五日、
鏡姫王が薨(みまか)りました。
この夏、
始めて僧尼に請うて、
宮中で安居(あんご)させました。
よって、
淨行者(じょうぎょうしゃ)を
簡(えら)んで、
三十人を出家させました。
十五日、
雩(あまひき)しました。
十八日、
天皇は京師(みやこ)に巡行しました。
二十日、
廣瀬、龍田の神を祭りました。
この月、
始めて八月に至るまで、
旱(ひでり)でした。
百濟の僧の道蔵(どうぞう)が、
雩(あまひき)し、
雨を得ました。
八月五日、
天下に大赦(たいしゃ)しました。
大伴連男吹負が卒(お)わりました。
壬申の年の功をもって、
大錦中位を贈りました。
・安居(あんご)
修行者達が一定期間一箇所に集団生活をし、外出を避けて修行に専念すること。 また、その期間
・淨行者(じょうぎょうしゃ)
仏道修行者の意の略称
・雩(あまひき)
ひでりの時、降雨を神仏に祈願すること
(感想)
(天武天皇12年)
秋7月4日、
天皇は、鏡姫王の家に行幸して、
病を見舞いました。
5日、
鏡姫王が亡くなりました。
この夏、
始めて僧尼に請願して、
宮中で安居させました。
よって、
仏道修行の者を30人選んで、
出家させました。
※安居とは、4月16日~7月15日まで、僧が一室に籠って修行することです。
15日、
雨乞いをしました。
18日、
天皇は京師に巡行しました。
※京師(みやこ)は、ここでは飛鳥京のことです。
20日、
広瀬、龍田の神を祭りました。
この月のはじめから八月に至るまで、
日照りとなりました。
百済の僧の道蔵が、
雨乞いをして、
雨が降りました。
8月5日、
天下に大赦をしました。
大伴連男吹負が亡くなりました。
壬申の年の功績をもって、
大錦中位を贈りました。
明日に続きます。
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