リートリンの覚書

日本書紀 巻第十九 天国排開広庭天皇 三十八 ・百済王。日本に釈迦仏などを献上する



日本書紀 巻第十九 天国排開広庭天皇 三十八

・百済王。日本に釈迦仏などを献上する



冬十月、
百済の聖明王(せいめいおう)が、
(更の名は聖王(せいおう)といいます)

西部姫氏達率怒唎斯致契
(せいほうきしだちそちぬりしちけい)等を
遣わして、

釈迦仏(しゃかほとけ)の金銅の像を一体、
幡(ばん)と蓋(がい)とを若干、
経と論とを若干巻を献じました。

別に表で、
ひとに流通させ、
礼拝して功徳を讃えて、
「この法は、
諸法の中で、
最もとくにすぐれています。

解くのに難しく、
入るのも難しいのです。

周公、孔子もなお
知ることができませんでした。

この法はよく無量、無辺で、
福徳果報(いきおいむくい)を生じ、

無上(すぐれたる)
菩提(ぼたい)を成します。

たとえば、
人が思いのままになる宝を懐にして、
もちいるべき所で用いて、
すべて思いのままになるようなもので、

この妙法の宝も、
またそのようなものです。

祈願すれば、
思いのままになり、
乏しい所がありません。

遠く天竺(てんじく)から、
ここ三韓(さんかん)に至り、

教えのままに奉持(ほうじ)して、
尊教(そんきょう)しないことがないのです。

これによりて、
百済王である臣・明は、

謹んで陪臣(ばいしん)の
怒唎斯致契(ぬりしちけい)を遣わして、

帝国(みかど)に伝え奉り、
畿内(うちつくに)に流通いたします。

仏が、
『我が法は、東に流れる』
と所記(のたまうを)果たします」
といいました。



・菩提(ぼたい)
仏果をうること
福徳(ふくとく)
仏語。他に恵みを与え、自らの徳を積む善行。また、それによって得られる功徳。
果報(かほう)
仏語。前世での行いの結果として現世で受ける報い。
・天竺(てんじく)
インド
・三韓(さんかん)
朝鮮
・奉持(ほうじ)
ささげ持つこと。また、いただき奉ること
・尊教(そんきょう)
尊敬に同じ
・陪臣(ばいしん)
家来
・畿内(うちつくに)
にほん



(感想)

(欽明天皇13年)

冬10月、
百済の聖明王が、
西部姫氏達率怒唎斯致契らを派遣して、

釈迦仏の金銅の像を一体、
幡と蓋とを若干、
経と論とを若干巻を、
献上しました。

別に表で、
人に仏教を流通させ、
礼拝して功徳を讃えて、
「この法は、諸法の中で、

最も、
特に勝れています。

理解くのに難しく、
教に入るのも難しいのです。

周公、孔子も
理解することができませんでした。

この法は、
測りきれないほど大きく、

また、
広々と限りなく、

他に恵みを与え、
自らの徳を積み、

また、
前世での行いの結果として
現世で受ける報いを生じ、

すぐれた仏の境地を得る事ができます。

例えば、
人が思いのままになる宝を懐にして、

用いるべき所で用いて、
すべて思いのままになるようなもので、

この妙法の宝も、
またそのようなものです。

祈願すれば、
思いのままになり、
乏しい所がありません。

遠く天竺から、
ここ三韓に至るまで、

教えのままにささげ持ち、
尊敬されないことがありませんでした。

こういうわけで、
百済王である私・明は、
謹んで家来の怒唎斯致契を派遣して、

帝に伝え奉り、
畿内(うちつくに)に仏法を流通いたします。

仏が、
『我が法は、東に伝わる』
とおっしゃられたことを果たします」
といいました。

仏教の伝道。
教科書にも登場する
有名なお話ですね。

しかし…
お釈迦様の教えをお弟子たちが、
まとめたのが仏教なはず。

何処で、

祈願すれば、
思いのままになる。

って、ことになったのやら…。

明日に続きます。

読んで頂き
ありがとうございました。


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