日本書紀 巻第三十
高天原廣野姫天皇 十五
・撰善言司を任命する
六月一日、
衣裳を筑紫大宰等に賜りました。
二日、
皇子施基(しき)、
直廣肆の
佐味朝臣宿那麻呂
(さみのあそみすくなまろ)、
羽田朝臣斉
(はたのあそみむごへ)
(齊、これは牟吾閉(むごへ)といいます)、
勤廣肆の
伊余部連馬飼
(いよべのむらじうまかい)、
調忌寸老人
(つきのいみきおきな)、
務大參の大大伴宿禰手拍
(おおとものすくねてうち)と
巨勢朝臣多益須
(こせのあそみたやす)等を、
撰善言司(よきことえらぶつかさ)に
拝しました。
十九日、
大唐の続守言(しょくしゅげん)、
薩弘恪(さっこうかく)等に
稻を賜りましたが、各々差がありました。
二十日、
筑紫大宰(つくしのおおみこともち)の
粟田真人朝臣
(あわたのまひとのあそみ)等に詔して、
學問僧の明聡(みょうそう)、
観智(かんち)等が
新羅の師友(しゆう)に送るための、
綿、各々・百四十斤を賜りました。
二十四日、
筑紫の小郡(おごおり)で、
新羅の弔いの使いの
金道那(きんどうな)等のために
設けました。
物を賜りましたが、
各々差がありました。
二十九日、
諸司に令(のりのふみ)一部二十二卷、
班(わ)け賜りました。
・撰善言司(よきことえらぶつかさ)
=せんぜんげんし・飛鳥時代に、上古日本の先人の善言・教訓を集積した書を撰上するために設けられた官司
・師友(しゆう)
1・先生と友人2・先生として尊敬するほどの友人
(感想)
(持統天皇3年)
6月1日、
衣裳を筑紫大宰らに与えました。
2日、
施基皇子、
直廣肆の
佐味朝臣宿那麻呂、
羽田朝臣斉
(齊、これは牟吾閉(むごへ)といいます)、
勤廣肆の
伊余部連馬飼、
調忌寸老人、
務大參の
大大伴宿禰手拍と
巨勢朝臣多益須らを、
撰善言司に拝命しました。
19日、
大唐の続守言、薩弘恪らに
稲を与えましたが、
各々差がありました。
20日、
筑紫大宰の粟田真人朝臣らに詔して、
学問僧の明聡、観智らが
新羅の師友に送るための、
綿、各々・140斤を与えました。
24日、
筑紫の小郡で、
新羅の弔いの使いの金道那らのために
設けました。
物を与えましたが、
各々差がありました。
29日、
諸司に飛鳥浄御原令1部22巻、
分け与えました。
明日に続きます。
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