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末期がんの友人に会いに4

2018年06月01日 | 旅行記
少し前の事になる。
都内のホテルで高校の同級生4人、何もしない女子旅をした。

3年間学級委員長だった「いんちょー」が、旅の手配もろもろを全部引き受けてくれた。
当日は引率の先生さながら、全員を引っ張って行く。
「はい、バス停はここ。バスは何時何分に来るから、デパ地下で買い物していこう」
部屋に着くと、もろもろ精算。
「はい、いくら」
一人一人の性格を把握して、行動パターンを分析する。
「多分、Hちゃんは待ち合わせ場所に迷って電話かけてくる。で、その次にA子もかけてくる」
そしてその通りになる。(A子は私)
40超えてもやっぱり委員長。
いつも迷惑かけてごめんよ、そしてこの旅を計画してくれてありがとう!!

もっとも気を使ったのは、末期がんの友人Hの体のこと。
本人は「元気だよ」と言い、私たちも腫物に触るような態度はとらない。
だけど、いつでも寝られるように、別室のベッドが用意されている。
ご飯を食べてお酒を飲んでトランプをする以外、何もしなかった。
素晴らしい旅だった。

ひとつだけ。
できれば「私はもうすぐ死ぬから」と、笑いながら言葉にするHの話をもっと聞いてあげたかった。
一緒に泣いてもいいじゃないか。
誰も見ていないのだから……。
でも友人のある一言で、今日は忘れて楽しもうよ、という雰囲気になってしまった。
女子会における魔の法則だと思う。

Hが素直ないい子だから、助けたくなる。
抗がん剤は、Hの体をボロボロにするだけでなく、経済的にも大きな負担になっている。
ゲノム医療に懸けていたが、医療機関は採取した細胞を壊してしまった。

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