僕は名もない凡人でいたい

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合意してません

2012年05月10日 | 闘病記

わたしが入院しているのは‘大学病院’なので、若い学生たちがワイワイ笑いさざめきながら病室を見学に来ます。

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わたしは、白血病が発覚した夜、たくさんの合意書を書かされました。

治療に関するもの。

輸血に関するもの。

入院に関するもの。

学会提出の合意書。

そして、若い医学生や研修医を育てるための協力合意書・・・。

そのすべてに、サインしなければならない空気がありました。

「さあさあ!早くサインして治療しないと死んじゃうよ!?」

そんな雰囲気でした

その時、ともくんが冷静にすべてを読んで「最後のは合意する必要ない」と止めてくれました。

わたしは、静かなところが好きで、バーゲンなどの買い物も嫌うほど人ごみが苦手・・・

ともくんの判断は正しかったと思います。

いま、本当に本当に合意しなくて良かったと思っています。

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賛否両論あるでしょう。

優秀な医師を育てるため、日本あるいは世界の医療技術をより高めるため、必要なこととも理解しています。

しかも、わたしの病気は「急性リンパ性白血病」。

小児がかかりやすいと言われ(小児の治癒率は80%と言われています)、成人での年間発症率は10万人に1人。

白血病自体、ガンと呼ばれる病気の中でも発症率が2%の割合しかなく、症例も少なく、わかっていないことばかりの稀少な病気です。

若い医学生たちが、この病気の経過を見学し研究するのは、たいへん素晴らしいことです。

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しかし、大勢の目にさらされながらの治療は、わたしの気力を大きく損なったことでしょう。

わたしの生命に関わるほどに・・・・・・。

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2日前、ひどい貧血のために緊急輸血が必要になりました。

そのための採血は3回。

しかもその日は、「レントゲン検査」「腰椎穿刺」「骨髄注射」の予定が入っていました。

レントゲンはともかく、「輸血2種」を行いながらの、「腰椎穿刺」「骨髄注射」。

医師や看護師が、何度も出入りして、宇宙船lib号はてんやわんやの大騒ぎだったわけです。

 ------- ☆ ------

そんな中、事情を知らない医学生たちが大勢

「見学でーす」

と言って、ドヤドヤ入ってきました

わたしは、虫の息。

か細い声で

「ご・・・合意してません・・・」

とイシヤマ主治医に一言。

イシヤマ主治医は「えっ?」とキョトンとしていました。

そのとき、たまたま輸血のために居合わせていた看護師ワタナベさんが機転を利かせてくれました。

「そうそう!libさんは合意してないんです。ごめんねlibさん。すみません、先生方も出てくださいね。」

そして、きちんとわたしの目を見て謝罪してくれました。

たったそれだけのことですが、本当に本当に救われたような気持ちになりました。

ワタナベさんに感謝しました

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わたしは、いまとても落ち着いていて、さほど恐怖や不安はありません。

ただ、ひとつだけ恐れることを挙げるとするならば、それは「人間性が失われる」こと。

名前を呼んでくれて、声をかけてくれる人がいるだけで、良いのです。

これは、病人だろうと健康人だろうと、関係なく言えることだと思います。

学校や職場で、イジメにあったり無視されたりするのは、とても辛いはず。

お家に居場所がない人も辛い。

自分という存在を無視されたり否定されるって、とっても辛いことです。

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わたしは元気ではないけど、まだしぶとく生きているので、

「わたしはココにいるよ~

って言いたいがために、ブログを公開しています。

誰かが読んでくれると思うだけで、

(わたしは大丈夫)

と感じられるのです


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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
素晴らしい旦那さんですね~[E:happy01] ()
2012-05-10 14:36:10
素晴らしい旦那さんですね~[E:happy01]
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「合意書」の件、同感です。冷静に読んで下さる方... (MI)
2012-05-10 15:56:42
「合意書」の件、同感です。冷静に読んで下さる方がいて、「合意しない」を選択できたことは幸いでした。それでも、自分で主張しないとダメということだったわけですが。
父が入院していた時、検査検査で、「今更血液検査をしてどうするの」という時がありました。父は84歳だったけど、頭は全くしっかりしていて、検査を拒否しようとしたのです。だけど、若い担当者は「そんなこと言ったって、するんだもんね」という態度で、つきそっていた妹もやむなく父を説得して採血をさせましたが、もっと患者に敬意をもって接してもらいたかったと言ってました。
入院していようと病人であろうと人間としての尊厳は守られなければならず、医師とも看護婦ともお互いの立場を尊重できる関係でありたいですよね。
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ワタナベさんがいてくれてよかったです。 (かるかん)
2012-05-10 15:59:00
ワタナベさんがいてくれてよかったです。
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コメントお初です[E:coldsweats01] (さと)
2012-05-10 16:14:56
コメントお初です[E:coldsweats01]
いつも兄がお世話になっています[E:lovely]といえば分かるな?[E:happy01]ブログを教えてもらって読んでいます。副作用、心配していましたが薬が効いてるのはいいことですね!静岡から応援してまーす[E:fuji]
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欄さん (liberta)
2012-05-10 20:27:50
欄さん
ショックとか勢いとかで、サインしてしまう方も多いと思います。気をつけないとね[E:coldsweats01]
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かるかんさん (liberta)
2012-05-10 20:28:56
かるかんさん
ワタナベさん、ほんと素敵なのです[E:shine]
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さとさん (liberta)
2012-05-10 20:32:06
さとさん
コメントありがとうございます。もちろん、さとさんのことわかります[E:happy01]嬉しいです[E:lovely]
副作用止めの薬、すごいです[E:sign01]これだけで負担がかなり違うはず。
静岡からの応援ありがとうございます[E:happy01]
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こんばんは[E:shine] (yossey)
2012-05-10 22:42:25
こんばんは[E:shine]
同じボスの元で働く者です!
(いつか初めてお会いしましょうね!)
本日ボスよりブログの紹介を受けましたよ[E:happy01]
とっても楽しいブログで過去記事も拝見しました[E:scissors]
お仕事関連の話、あるあるネタばかりでニコニコ読みました[E:lovely]
今日からlibertaさんのブログのチェックが楽しみになりそうです[E:ribbon]
無理なさらぬ範囲で・・・楽しみにしています[E:happy01]
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yosseyさま (liberta)
2012-05-11 09:38:04
yosseyさま
ブログ読んでいただき、コメントまでくださってありがとうございます[E:happy01]yosseyさんとお話できてとっても嬉しいです[E:shine]
急なことでご迷惑をおかけしてすみません[E:sweat02]わたしの仕事、yosseyさんが引き継いでくださってると聞いております。
ぜひお会いしてお喋りしたいです[E:happy01]
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MIさま (liberta)
2012-05-11 10:43:34
MIさま
コメントありがとうございます。
昔に比べて、いまは患者側の権利も守られるようになってきました。
医師や看護師と話すために、患者側もそれなりに勉強が必要ですが、「対話」が成り立つことはとても重要だと感じています。
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