☆Lorosae(太陽が昇る)ブログ☆

ロロサエという言葉は、東ティモールで使われているテトゥン語で、つまりは「日の丸」です。

『虹の翼』 吉村昭

2012-12-29 19:17:58 | 書籍紹介
吉村昭さん読破(できるの?)シリーズ。

虹の翼は、連載中、「茜色の空」というタイトルだったらしい。
装丁されるにあたって、「虹の翼」に変更したそうな。

虹の翼は、明治になりたての日本で「飛行機(飛行器)」を頭に思い描き、造りあげた
二宮忠八さんの生涯が内容です。

明治になりたての、丁髷に対する感覚や、
郵便箱が「便」だからと起きた珍事話、
庶民にまで及ぶ徴兵制への雰囲気など

当時の風俗・感覚もちりばめられています。

玉虫の羽からヒントを得た飛行器。

戦場で、空からの攻撃に目をつけ、
何度も上申するも、
見向きもされない。

病の床で、胸の上に上申書の入った袋を載せるくだりは、
目に浮かぶよう。
大事なものってそうだよね、そういう時、そうだよねと思った。

奥さんが理解し、奥さんがエネルギーになった研究。

そして、彼を差し置いて
軍は「飛行機」に目をつけ研究をはじめていく。
飛行実験中に命をおとしていく仲間達に胸を痛める二宮さんは、
「飛行神社」を建立する。

わりと厚めの本でした。
日清日露戦争をおおまかに読める本でもあります。
コメント
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