☆Lorosae(太陽が昇る)ブログ☆

ロロサエという言葉は、東ティモールで使われているテトゥン語で、つまりは「日の丸」です。

きいろいネズミとにゃんこのツバキ②

2020-08-09 22:34:02 | 作品
あるひ、きょうだいネコのいえのコの「そつぎょうしき」にさそわれ、にゃんこのツバキはからだをなめなめ、みだしなみをととのえ、はるのうみのにおいをかぎながら、きょうだいネコといっしょにさかをくだっていきました。しきがおわったらしく、どんどんヒトがでてきます。あまりにもヒトがおおくて、だれがそのコなのか、にゃんこのツバキにはわかりません。ふとあらわれたヒトのコが、きょうだいネコをだきあげました。にゃんこのツバキは、うまれてはじめて、うらやましいとおもいました。
「じゃあね、ばいばい。」
にゃんこのツバキはいっぴきでさかみちをのぼりかけたとき、まさに、そのときです。ゆらゆらゆらゆらごうごうごうごう。じめんが、やまが、うみが、きが、いえが、からだが、おおきくおおきくおおきくゆれたのです。にゃんこのツバキはおどろきました。そしてさらに、まさにそのときです。サッとめのまえを、きいろいネズミがはしりぬけたのです。
にゃんこのツバキは、くるまのまえにとびだしてしまい、つよくつよくしかられたことがありました。そういうのと、にていることがおきているのかもしれません。むねのドキドキがおさまらないけれど、きいろいネズミがきになってしかたありません。
にゃんこのツバキはまわりをぐるりとみわたしました。
「きいろいネズミ、どこにいったかな。」
きゅうに、えんがわのおばあさんのことをおもいだしました。きんがうまっているとなりまちのおおきなへびのむかしばなしをしてくれたこと。おおきなへびは、つまりはおおきなりゅうのことだって、おおふなとをはしるれっしゃのはなしになったっけ。おばあさんがおおきなりゅうのれっしゃにのったはなしを、みんなでいっしょにきいたっけ。
もしかして…きいろいネズミはれっしゃのほうにいったのかな?
にゃんこのツバキはれっしゃのほうへはしりました。くろくておおきなみずのかたまりが、さかのしたから、こちらにむかってくるのがみえました。
「こわい、こわい」
そのときまた、きいろいネズミが、あらわれました。
「あ!あそこにいる。まって!まって!!まって!!!」
きいろいネズミはピカピカひかっているようにみえました。にゃんこのツバキにいるところをおしえてくれているようでした。
やまのほうへ、たかいほうへ。こっちだ、こっちだ。にげろ!にげろ!!にげろ!!!
にゃんこのツバキはきいろいネズミをおいかけて、はしってはしっていつのまにか、かっぱがくらしているおがわのところにたどりつきました。あたりはくらくてかっぱのかぞくがこちらをみているめがむっつ、ひかってます。きいろいネズミもこちらをみています。

つづく

※第29回ふるさと・おおふなとお話大賞に投稿した作品を自身のブログにて連載投稿しています。

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