ありがとうのブログ

毎日、家族や仕事関係の人たちとのふれあいで感謝していることをつづります。

老老介護

2017年08月25日 19時16分11秒 | Weblog
「苫小牧市で8月24日、81歳の女が80歳の夫を足で踏みつけ死亡させたとして逮捕されました」
このニュースに胸が痛む。
夫は認知症、容疑者の妻も認知症の疑いがあるとニュースにあった。

他界した両親はまさにこのような悲劇になる可能性があった。
幸運にも、ケアマネジャーと認知症を診察してくれた医師の助言で、ぎりぎりのところで、施設に移ることができたので、事件にならなかったと今でも感謝する。

故郷の実家で、アルツハイマー症で家事がままならなかった母を父がなんとか家事をしていた。
とはいえ、料理のレパートリーはないし、料理メニューを増やす気力もないので、そうめんをゆでたり、切り餅を焼いたり、味噌をお湯で溶いた味噌汁を作って食べて、しのいでいた。
母はなべで具の入った味噌汁を作ろうとするのだが、なべを火にかけたことを忘れてしまって昼寝したりするので、なべを焦がしてばかりいた。
よく火事にならなかったと幸運だった。

父は車の運転ミスで、交通事故を起こしてしまった。
車は横転し、助手席に乗っていた母を窓から救い出したが、その夜から、母の認知症が強くなって夜に騒ぐようになって、父はよく眠れなくなった。

その状況を聞いて、両親と住めるマンションを借りて、受け入れ態勢を整えて、ふるさとに迎えに行った。
ごみの山、着ない衣類の山を整理処分して、引越しの手続きをして、私の住むマンションに一緒に住んだ。

移転しても、トイレの場所を憶えきれない母が、夜中に父を起こしてトイレに連れて行ってくれと頼む。
父は連れて行く。
昼もトイレに連れて行く日々だ。

父は、アルツハイマー症で同じ話を繰り返す母に、「うるさい!」とどなり、体をつねったりする。
糖尿病も併発していた母は、食欲や口寂しさで、ジャーにあるご飯を手づかみで食べている。
子供のおやつも食べてしまうので、糖尿病は治らない。

父が目を離したすきに、夜、母が家を出て徘徊して、探すようになって、ケアマネジャーに相談した。

両親共々、認知症の疑いがあるという診断を受けて、二人は別の施設で暮らしたほうがいいと医師がアドバイスをする。
それはアルツハイマー症の母が、認知症初期の父のところに行くと、感情のコントロールができなくなってしまった父が手を出すから、危険だということだ。
モラルや理屈ではない、衝動が抑えきれない認知症もあるのだ、と教わった。

両親は、最後の半年は、一緒に施設で別々の部屋だが暮らした。
食堂で席が隣同士で、一緒に食事をして、少し穏やかに話をして、母に末期がんが見つかって入院したまま、の別れとなった。

足腰が弱まって歩行がやっとの父が、母を見舞う姿は、美しかった。

その父も2ヶ月前に母の元へ旅立った。

今頃、若い頃に戻って、恋愛時代を楽しんでいたらいいなあ。

すべてに感謝。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿