忍耐の時期は続く

まだ息子は、私とのコミュニケーションを避けたいようだ。
ちょっと尋ねても、不機嫌ないらいらした口調で返事をする。
返事をしてくるのは、まだましな方になった。
そういう不機嫌な状態というのは、彼は決して幸せではないということが悲しい。

志望大学を不合格で、近所の同級生たちは第一志望でなくても第二志望の大学へ進学した。
息子は近所の飲食店でキッチンのアルバイトをして、帰宅してスマホを見ている時間がほとんどで、来年再受験しよう公言したが、受験勉強をしている風はない。

公言したにも関わらず、勉強ができていないことに自分を責めているのか。

「何をしてもいいんじゃないの、自分で決めなさい」と伝えたが、大学で学ぶことをあきらめたり、好きな方向性が見つかったのなら、それを報告して、これをがんばるって私に告げて、がんばっていけばいいのになあ。

自分が高校卒業時には、故郷から上京して東京で住み込みでアルバイトをして、予備校に通い始めたが、すぐに受験勉強の熱が冷めた。
初めての恋愛に夢中になり、予備校に通わなくなった。

2年目に語学系の大学に入って、英語を中心に学んで、またそこで次の恋愛に夢中になったが、経済的に親をまったく頼れなくなって、アルバイトを3つ掛け持ちしてもやり繰りが厳しくなって、大学を去った。

中途入社した会社から転職を重ねて、自分が得意とする文章表現や企画の仕事ができるようになって、結婚し会社を創り、妊娠出産子育てをしながら、経営者として企画者として文章表現の仕事もしてきた。9年前にそれまでのキャリアを活かして、専門学校で教えるようになった。

企画やコピーライティングの勉強は、1年、自腹で仕事をしながら専門学校へ通った。
それが今、仕事で活きている。

大学で学んだわけではない。
でも仕事が出来ている。
学歴があると良かったが、ない分、幸運にも実績を作ることができたので、今の仕事環境がある。

英語を話す書くが流暢ではないが、ある程度コミュニケーションできるので、次の人生の展開につなげるようになるといいなと希望して、準備している。

こういうことを将来のことを考え悩んでいるような息子に伝えたいのだが、伝える会話がかなわない。拒絶姿勢にはめげる。

忍耐だなあ。こういう反抗時期があっていいのだが、実際には、家のなかは、重苦しい。
受けとめていこうって自分に言い聞かせる。

すべてに感謝。
いつか雲が晴れる時機がくるさ、って祈る。