優しい瞳の方々

広い居酒屋のフロアを貸しきる位の人数だと、100人近い。20歳代から50歳代の幹部まで、主にコンピュータ技術者ばかりの社員を抱えて、先輩だが可愛がっていただいている経営者の資金繰りを想像すると、気が遠くなる。

なぜその懇親会に突入することになったか。

最近仲良くなった女性経営者が、急に結婚して子どもが欲しくなったというので、婿探しをしようという企画が持ち上がった。それが去年の11月下旬の、ある懇親会の席上だった。
そこの同じテーブルにおられた、その大会社の経営者に「会社の社員に良い男性はいないか」と尋ねると、「1月末のその懇親会にくれば、社員が集まるから、観てご覧」という。
くだんの友人女性は、仕事で来られず、その先輩経営者に行くと言ってあるので、私だけでも参加してこようということになった。子持ちでバツ一だけど、独身である。しかし、どうなることか、と思いつつ、会場の居酒屋に行ったのだった。

100人くらいのうち、女性は10人いただろうか。そのうちの女性ばかりのテーブルで知り合いもいたので、そこで話していると、先輩経営者がやってきて、目星の社員を２人指差して教えてくれた。その選択基準は、４０歳過ぎた独身男性だという。
感謝を述べて、機会をうかがう。

その２人のうち、一人の方の姿が落ち着きがあり、その方のテーブルに知り合いの方もいたので、宴の最後のほうで、席を移動して、話をしに行った。
知り合いの人と一緒に盛り上がってきて、２次会を４人で行くことになった。
知り合いのカラオケスナックだという。

タクシーで乗り合わせて、降りた近くのコンビニで、４人ともウコンの力を買って飲んで、酒飲み体勢が整った。

初めてお話する方が２人。社長から紹介された、４６歳の方と別に３１歳の若者と知り合いの方と大盛り上がりで、スナックで席についたコンパニオンの女性も、お腹をかかえて笑う場となった。

席を隣り合って、４６歳の男性の顔をまじまじと近くで観る。きれいな瞳だった。
思考回路は似ていて、お酒も強い。女性の気持ちをとても大切にされているのが、話の内容で感じる。
繊細な方で、私のようながさつな女は、傷つけてしまいそうだなと、慎重な気持ちになった。
しかし、残念なことに、タバコを吸う方だった。息子と私は気管支が弱いので、タバコを吸う人は、パートナーの条件をはずす、最高条件なのだ。
しかし、その方の瞳を見ると、いろいろ乗り越えられて純粋にちゃんと仕事をしてこられた方だと感じて見入ってしまった。

帰りは、一人で帰ったが、これからその方とご縁をもつのかどうか、不明だ。
それでも、楽しい出会いに感謝。