昨日は何年ぶりかに図書館に行って、
こういった本を借りてきたよ。
ブロンテ姉妹といえば、お馴染みですよね。
なんといってもこの肖像画。
右からシャーロット、エミリー、アン。
前から不思議に思っていた。
きら星のように、世界の文学史上に燦然と輝くブロンテ姉妹。
それなのに、この肖像画はいくらなんでもショボすぎませんか?
🌟🌟🌟
こんなのしか残ってないのかなあ。
まだ写真がなかったというのはわかるけど、
もう少しなんとか・・・・ねえ?
いかにも素人っぽい、あまり上手とはいえない絵なのだ。
折り目もヒドイ……しょうがないんです。現物がそうだから
しかし、今回の本を読んではじめて知った。
まだとてもとても全部は読んでいないけど~~
これって姉妹の兄弟(ん?いいのか?この言い方)である
ブランウェルの手によるものだったのだ。
🌟🌟🌟
しかも、シャーロットとエミリーの間に
ぼぉっと白い影が出てきているでしょう。
この影の部分にはブランウェルの姿が描き込まれており、
どういう理由だか知らないが、本人が自分で消してしまったんですって!
🌟🌟🌟
ブランウェルは絵が好きで、絵の勉強をするべく都会に出ていったが、
怖じ気づいて、すごすごと故郷に帰っている。
絵で身を立ててくれるものと、家族から期待されていたが、
これらの絵を見ると、正直、
「???」
・・・・って(笑)
そう思うのは私だけ?😅
🌟🌟🌟
失恋が引きがねとなって、酒と麻薬に溺れ、
それがもとでこの3人より先に死んでしまった。
🌟🌟🌟
家族が大好き、生まれ故郷が大好きで
がっちりした絆で結び付いていた、ブロンテ家の子どもたち。
晩年は家族のお荷物でしかなかったとはいえ、
ブランウェルが死んで、姉妹の悲しみはどれほどだったことか。
そのあとを追うように、その年、翌年と続けてエミリーもアンも死んでしまった。
妹たちよりも少しだけ長らえたが、シャーロットも38歳で一生を終えた。
🌟🌟🌟
シャーロット、エミリー、アン。
彼女たちだって、自らの才能を生かして人生を切り開こうと、
涙ぐましい努力のすえ、はかなく死んでしまったのであるが、
子どもたちの中では唯一の男の子。
自分が率先して家族を守り、引っ張っていかなければいけないのに・・・・
というような思いもあったのか、どうか。
姉妹たちの影に隠れ、失意のうちに一生を終えた、
パトリック・ブランウェル・ブロンテ。
🌟🌟🌟
だけど、自分の作品である肖像画が、これほど後世にまで残るとは、
夢にも思わなかったろうね。
それも、自分の姿はない、姉妹の姿を描いた絵。
自分の姿は抹消された、その絵だけが今も生き続けているなんて。
皮肉かな???
いや、それでもブランウェルは喜んでいるかもしれないと思う。
🌟🌟🌟
確かに素人臭い、あまり上手とはいえない絵だけど。
彼女たちの表情とか特徴とか、たぶんこれ以上はなく、
よく表されているんだろう。
固い絆で結ばれた兄弟だからこそ、描けた絵。
🌟🌟🌟
それ以外に彼女たちが肖像画を残さなかったのは、偶然か、故意か。
どちらにしろ、今となってはこの絵しか、
姉妹の様を推し量るものはないのだから。
そのことを、もしかしたら彼は喜んでいるかもしれないと思う。