最近、名曲喫茶の居心地のよさを発見して、
時々出掛けています。
クラシック音楽は、
「アマデウス」を見てから聴くようになり、
もう15年くらいです。
今回は、それがらみで、この本を紹介します。😃
千住博(日本画家)、千住明(作曲家)、
千住真理子(バイオリニスト)。
このきょうだいを育てたお母さん。
千住文子さんの書いた本です。
🌟🌟🌟
千住家は、もともと芸術家一家ではなく、
お父さんは工学系の学者。
お母さんは専業主婦で、
結婚する前は理系の研究所で働いていました。
🌟🌟🌟
このお二人がどうして世界的な芸術家を
3人も育て上げられたのか。
興味深いと思います。
🌟🌟🌟
この本には、その秘密がいくつか
かいま見えますが、
私が思うに、なによりもこれということがあります。
🌟🌟🌟
芸術家を育てるためには、
育てる側にもその素養が必要です。
それがない限り、できることではありません。
実は、子供達三人よりも、お母さん本人が、
一番の芸術家だったような気がします。
🌟🌟🌟
その証拠に、この本を開いたときから
感受性豊かな文章に魅了されてしまったのでした。
これを読むと、理系畑の人とは信じられないほどです。😃
🌟🌟🌟
この本のなかで、私が大好きな部分。
猛暑である。
そのころまだわが家には冷房もなかった。
暑さを避けて北の部屋へ、北の廊下へと移る。
ヴァイオリンを弾くことは大変な運動量となる。
絞るほどの汗が出る。
私は扇風機に、水で濡らしたタオルをかけ、
マリコの好むところに置いた。
それでも追い付かず、タライに水を入れて、
時々足を冷やしては弾く。
・・・・マリコ(千住真理子さん)が、
コンクール前の夏休み、
自宅で練習に励むところです。
小4のこの夏休み、マリコは急激に上達し、
コンクール2位入賞を果たします。
🌟🌟🌟
実は、マリコの出場が決まったときは、
入賞などまったく期待されていませんでした。
最年少だし、笑顔で楽しく弾いて欲しいと、
先生から言われており、
まわりの天才少年・少女たちとの実力差は、
誰が見ても明らかでした。
🌟🌟🌟
しかし、やるからにはみんなと同じレベルでやりたいと、
マリコは猛練習を始めるのです。
ひたむきに、そして、痛々しいほど、がむしゃらに。
🌟🌟🌟
そして、コンクール当日。
バイオリンケースを開くと、
なんと、バイオリンが割れてしまっていた!
そんなアクシデントにも負けず、
見事に弾ききり、感動を巻き起こしたところ。
🌟🌟🌟
涙が出てしまいます。
そして、何度も読んでしまう部分なのです。
この体験が、
のちにプロとしてバイオリニストの道を歩む、
千住真理子の第一歩になったことは確かです。
🌟🌟🌟
これを機に、千住文子さん、真理子さんなど、
千住ファミリーの本を続けて読みました。
とても仲のいい家族で、きょうだいでいらっしゃるのです!
これについては、また書きます。