日記 植物園と動物園
植物園というのは
これほどまでに
年がら年中、
植っている植物を
入れ替えるものかと、
驚いているのでございました。
数日前に植っていた
草花たちが
突然に影も形もなくなって
代わりに
剥き出しの耕した土が広がっていたのでございました。
その面積が、
あまりにも広かったものだから、
些か心が
モヤついたのでございました。
抜いた
まだ咲いてた草花たちは
どうしたんだろう…。
よくよく考えてみたらば、
植物園の草花たちは
動物で言えば
動物園の動物たちではなかろうか。
常に集客数に
命を賭けられているのである。
余談だけど
どこかの欧州の国の動物園で、
飼育してる動物殺して、
飼育してる別の動物の餌にしているニュースを読んだことがございます。
植物園の草花たちもまた、
その魅力に陰りがちらつけば、
見るも無惨に殺され、
遺棄されるのであった。
そして植物たちもまた
その全身で
周囲の音、温度は勿論のこと、
身に迫る危機までをも、
感じとっているのでございました。
人間は
見猿聞か猿言わ猿を
うまく活用して
うまい事、
この地球上に蔓延って来たのである。
ある者はカビの如く。
ある者は美しい苔の如く。
うまいこと、
地球を牛耳っているという
無知な征服感に酔いしれているのである。
井の中の蛙とは
これ正に
滑稽な人間のことなり。