無粋なりー裁判官

判決にもいろいろあるが・・・。

中央防波堤埋め立て地を巡って何やらもめている。
大田区と江東区がその帰属を巡って争っているらしい。
しかも裁判沙汰とは穏やかではない。

つい先日裁判所の調停案が出されたが、大田区は納得していない。
何でも80％強が江東区、残り10数％が大田区の管轄で、との裁定らしい。

かの土地といえば、2020年東京オリンピックの水上競技が行われる場所だ。
そう、海の森水上競技場がある。

これはどちらも簡単には譲れまい。
ましてやもとはと言えば海の上だ。
領域、管轄など明確なはずがない。

何を根拠に調停案が出されたのか？知る由もないが、
大田区が不服として提訴するやに聞き及ぶと、さもありなんと思う。

昔、水田地帯では川の上流の村と下流の村で常に水争いが起っていた。
しかもけが人や死人が出るほどの緊迫した切実な争いだ。
浅学故、誰がどう裁いたかは知らぬが、水引きのルールを決め平等に潤うようにしたらしいが・・・。
当事者同士、両者が納得いく裁定を下すのは、なかなかに難しい。

さて、件の埋め立て地、
江戸時代、幾多の争いを見事に裁いたとの定説がある（？）大岡越前守ならどうしたものか？

「おいおい、区長たちよ！
　元はと言えば海の上、同じ国の領海ではあるが線引きなどないぞ。
　些細なことで事を荒立てるでない！
　ここはどうじゃ。
　両者で等しく分け合い協力して盛り立ててくれぬか？
　さすれば国民の賞賛も得られようぞ。
　な、ここはこの越前の顔を立て、両者とも矛を収めてくれ。」

斯くして両者50：50の平等な配分となる。
これぞ粋な計らい、裁定ではないか？

裁判官に一言申し上げたい。
両者が納得できる根拠が示せないなら、このような裁定をしたら如何かと・・・。
今回の裁定案を見る限りにおいては、如何にもー無粋なり裁判官殿ーと言わざるを得ない。