蔵王歌集 氷の花より
べたべたに湿っぽい霧と雨の風土に
蔵王は火を噴いたのだ
謹賀新年的でない
花鳥風月風でもない
不毛の地図
拒絶と沈黙の空間を
有情の裏側につくったのだ
爆裂カルデラの火口原に立つと
不気味なセントラルコーンの壁が
いやというほど非情だ
その下の山湖は
盆地から吹きあげられた昆虫や
植物の種子たちに硫黄華をあびせた
花崗岩の地層をつきやぶって爆発した
火の山をおもい
心に稜角をとりもどすのはいいことだ
飴玉いろの資本が
中腹の匐いのぼってきたが
もう五年も経てば
蔵王はもういちど身ぶるいすると
いっている
いまは雪だ
裾は
仙台湾の波をくぐって
日本海溝の崖ぷちにのびているが
そこでは
青い射精を終わった深海魚たちが
飢えて尖った顔つきで
さまよっている季節だ
べたべたに湿っぽい霧と雨の風土に
蔵王は火を噴いたのだ
謹賀新年的でない
花鳥風月風でもない
不毛の地図
拒絶と沈黙の空間を
有情の裏側につくったのだ
爆裂カルデラの火口原に立つと
不気味なセントラルコーンの壁が
いやというほど非情だ
その下の山湖は
盆地から吹きあげられた昆虫や
植物の種子たちに硫黄華をあびせた
花崗岩の地層をつきやぶって爆発した
火の山をおもい
心に稜角をとりもどすのはいいことだ
飴玉いろの資本が
中腹の匐いのぼってきたが
もう五年も経てば
蔵王はもういちど身ぶるいすると
いっている
いまは雪だ
裾は
仙台湾の波をくぐって
日本海溝の崖ぷちにのびているが
そこでは
青い射精を終わった深海魚たちが
飢えて尖った顔つきで
さまよっている季節だ
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