一度、雨が降ると増水する河川
この川にポリ袋に入れられた小さなゴミが流れてきた。
河川敷で遊んでいた親子連れが流れてきた袋を引き上げた
異様な臭いに『まさか?』
少しだけ穴を開けて中を覗いた
なんと中に小さな手が見えた
かなり腐敗していたが、子供の手だ
ものものしい警察の捜査が始まった
近所は異常な漂流物の捨てた主の事で噂が広まっていった
河川の上流に住む娘が怪しい
いや、あそこの娘だ・・・小さな町に飛び交う噂
噂の対象になって名前を挙げられた娘達には、たまったものじゃない
結婚前の娘は特にそうだった
しかし1番、槍玉に挙げられたのは出戻りの良子だ
良子は姑との折り合いが悪く離婚して出てきたばかり
嫁ぎ先は農家だった
見合い結婚だったが、それなりに最初は上手くいっていた
農家を手伝いながら嫁として家事に翻弄していた
結婚して半年後に妊娠
農業を営む嫁ぎ先は朝が早い
朝の4時には起きて朝食の支度
朝食を済ませて畑へと向い手伝う、夕方は一足先に帰宅し夕食の支度、合間の洗濯、掃除
サラリーマンの家庭に育った良子はクタクタだった。
慣れない畑の仕事に家事
そんな中での妊娠
無理がたたって流産してしまった
『身体の弱い嫁っこは帰れ』
流産して悲しみに打ちひしがれてる良子に姑の残酷な言葉
良子は嫁いだ家を着の身着のまま出た
夫は引き止めたが姑の言いなりの彰に、うんざりしていた
出戻って半年後、赤ん坊の遺体が実家近くの川で発見
噂が噂を呼び良子は居たたまれなくなり
両親と相談して町を出た
町を出た良子に警察も疑念を抱いたがDNAの結果が出ないと手も足も出ない、疑惑の目は別に良子だけでは無かった
もう1人、噂の対象になっていた女が居た
普段から男出入りの激しい女だ
無職なのに派手な暮らしをしている節子
節子が怪しい
とくに町長の妻は節子を目の敵にしていた
自分の夫も節子の家に出入りしているのを見かけたと聞かされたのは1年も前だ
夫は節子と浮気をしている
確信していたのである
そしらぬ振りをして今日まできた
見て見ぬ振りは苦しかった
しかし、夫は町で1、2を争う有力者でもあり財産もあった
浮気は男の甲斐性だと諦めていた
が節子が赤ん坊を捨てた犯人だったら
赤ん坊が夫の子供だったら?
男好きする節子の事だ、他にも男は居るだろうが
内心穏やかではなかった
解剖の結果、赤ん坊は溺死と判明
生きたままポリ袋に入れられ捨てられて溺死した事が住民の怒りに火を付けた
こんな惨い事をする女は死刑だ
警察が犯人を逮捕出来ないなら俺達で犯人を見つけてやる
住民が立ち上がった
町の人口は4571人
男、子供、年寄り病人、訳ありで子供の出来ない女性を除くと意外に範囲は狭まった
一般の品行方正な主婦も例外では無い
健康な女性の全てだ
魔女狩り状態の町
自分は違うと証明する為に町医者の産婦人科に連日、女性が最近子供を産んでいない証明に足を運んでは身の潔白の証明書を発行してもらった。
年頃の娘を持つ母親も恥ずかしがる娘を強引に病院に連れて行く異常事態
それで潔白が証明されるならばと
その中に節子も居た
いかにも私だって潔白よと言わんばかりに病院の椅子に座っていた
病院に行くだけで潔白だと言っているようなものだ
町長夫人は安堵した
しかし良子は半年前に流産している、その後に子供が出来ていても計算が合わない、流産後に妊娠していたとしても、お腹の子は胎児だ。
除外された
そんな町の異常事態にあっても病院に行けない女も居た
検査するお金が無い
当然、疑惑の目が向けられた
田村 光子 26歳
中川 久子 42歳
井上 百合子33歳
身の潔白を証明したいが
この3人だけが病院に行けないで居た
町の怒り狂った住人が3人の女を名指しした
魔女狩り裁判の始まりだった
陰湿な魔女狩り
執拗な言葉
容赦ない拷問のような罵声に3人は疲れ果てていった
*:・'゜☆。.:*:・続く'゜★゜'・:*:.。.:*:・'゜:*
サスペンスの始まりだぞ
住民は犯人を突き止められるのか?
意外な犯人に住民は度肝を抜くのだ
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