志保は満のマンションの合鍵を持っている
満の部屋の鍵など欲しくはなかったが、今日は持ってて良かったと思った
待ち合わせの場所に居ない満
腹立たしさがマンションに足を運ばせた
志保は部屋に入るなり『満?』
満が帰ってないと知ると、そこら中の物を壊し始めた
『何なのよ、少しくらい遅れたからって、いつまでも待ってる、くるまで待ってるって言ったじゃない』
志保の身勝手は想像以上だ
志保に交際を申し込んだのは満だった、友人の紹介の合コンで出会った
満の一目惚れ!
ゆえに満は志保に夢中になり思い通りにさせた
あれが欲しいと言えば副職してでも借金してでも買って与えた
待ってろと言われれば何時間でも待っていた
それが今日は居ない
腸が煮えくり返る想いだった
一通り部屋を荒らして
キッチンのまな板に【by 志保】とマジックで書き包丁を突き立てた
一方、満は涼香のアパートで気を良くしていた
女性のキッチンに向かう姿が眩しい
志保と付き合っていたがキッチンに立つのは満だった
志保は絶対に何もしない
涼香はキッチンで俺の為に手料理を作っている
女性の1人暮らしの部屋に招待を受け見渡せばきちんと整理された清楚な部屋で心臓は高鳴り落ち着きのない満、黙っていても顔の筋肉が緩んでしまう。
食卓に次から次と手際良く作って出されるディナー
ワインが飲みたいと言った涼香
途中でワインを買った
飲酒=車の運転は出来ない・・・
泊まっていけと言う事か?
まるで新婚初日のような激しい動悸に満は期待感100%
『さっ、料理の味は保障出来ないけど、頂きましょう』
『涼香さんは理想の女性です』
歯の浮く言葉も調子よく飛び出す満
『何も出来ない不器用な私を褒めてくれて有難うございます』
奥ゆかしい涼香は消えてはいない
有頂天の満は涼香の手料理に舌鼓を打ちながら味も絶品、何もかもが自分好みでパーフェクトな涼香の顔を見つめながらワインで程よく酔った
ふっと目覚めたのは朝方だった不覚にも緊張とワインのせいで途中から記憶にない
料理を食べて軽く会話していた所まで覚えているが・・・いつの間に眠ってしまったのだろう?
何とスッポンポン
すすり泣く声がする
見ると涼香が千切れた服を抱いて泣いている
『涼香さん、どうしたんですか?』
『満さん・・・酷いわ』
『えっ?』
『貴方は他の人と違うって信頼したから部屋に入れたのに』
『俺が・・・何かしたのか?』
満の声が震える
『何かしたのって見たら判るでしょ』
涼香は裸同然
自分もスッポンポン
何があったのか記憶が全く無いが、知らない人が見れば一目瞭然だろう
満は自分の記憶を必死に辿ったが一杯目のワインを飲み干してから記憶にない
理性を失ったのか?
俺はそんな人間じゃない
心の中で否定したが
この状況では否定しても言い訳は通らない
『俺・・・・何と言う事をしたんだ・・・』
ここは責任をとるしか無い
満は土下座した
『涼香さん酔っていたとはいえ申し訳ありません全ての責任は取ります』
『そうしてもらいます』
意外に涼香の反応は早かった
『俺はどうやって涼香さんの責任を取れば良いのですか?』
『今日にでも結婚してもらいます、お嫁にいけない身体になってしまったんですもの満さんに結婚してもらいます』
ひぇ~
何があったのか記憶にない・・・
しかし涼香を襲ってしまったらしい自分
出会って1日で涼香の素性も知らずに、いきなり結婚の2文字に戸惑ったが、責任=結婚とは恐ろしい
『これから役所にいって結婚届を出しに行きましょ』
何が何だか訳が判らない
成るようにしかならないと悟った満は志保に電話した
『志保か?俺、今日さ結婚するんだよ、ごめんな志保とはお別れだからね』
『なに?何、馬鹿な事を言ってんの?相手は誰さ』
『涼香って名前の人だけど志保の知らない女性だよ』
『涼香って、久保 涼香の事?』
『何で志保が知ってるの?』
『知ってるよ由香の妹だよ』
志保の親友の由香の妹・・・
志保と由香と3人で、食事に行った事があった
満は支払い係りだが
偶然か?
志保の親友の妹
どうなってんだ?
『ちょっと、何で由香の妹と結婚なの?いつから付き合ってたの?』
電話の向こうで志保が怒鳴り続ける
満の頭は真っ白
偶然だったのか、絡み合った糸
いったい、どうなってるのだ?
続くだべさ
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