『あなたになら言える秘密のこと』

『あなたになら言える秘密のこと』この邦題にはちょっと抵抗感があるけれど
とても深いテーマを持った作品でした。
作品紹介でもあった『死ぬまでしたい10の事』の
監督作品だったから観たけれど
最初はちょっと意味深なだけどラブストーリーかと勘違いしてました。

他人と関わり持たない陰のある女性ハンナ。
その性格と勤勉さゆえに煙たがられ
会社から無理やり1ヶ月の休暇を言い渡される。
旅行先で偶然、病人を介護する仕事に・・・
場所はなんと外界から隔離された海の上、石油の掘削所。
そこで事故の為重症を負ったジョセフを看護する事になる。

無口なハンナを相手に
事故の痛みを紛らわすかのようにからかうジョセフ。
実は彼もまた体より、心に深い傷を持っていた。
痛みを持つものの独特の嗅覚？
彼はハンナの中にも痛みがあることを感じていた。

ネタバレになるので、二人の傷の原因は言えないけれど
とても痛々しい。

痛々しいという表現では甘すぎる。
イラク戦争は誰にも記憶にあると思うけれど
この現代において、世界中には様々な戦争があり
その傷を背負った人達が大勢いる。
日本にいると全く気付かないけれど・・・

誰かと一緒にいる事で傷が癒える
そんな単純では無いけれど
確実に、痛みは薄れていく。
そんなエンディングがかえってリアルさを感じる。
アメリカ映画じゃ、こうはならないだろうなぁ～




個人的にスペイン映画が好きなだけに
どうせなら英語ではなく、
スペイン語で作って欲しかったです。